陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。

いまどきの図書館は経営コンサルタント

2018-09-01 | 教育・学術・読書・子ども

まれに出かける県庁所在地にある公立図書館は、商業施設のなかに移転したため、交通のアクセスもよく、通いやすくなりました。この図書館に行くと、かなり目に付くところに就職支援コーナーがあり、女性の起業者向けのパンフレットや関連書籍紹介のレジュメなどが置かれています。

読売新聞朝刊では、ここ最近「今どき図書館」と題した特集シリーズがあります。
8月10日付記事はその三回目。起業支援にとりくむ図書館についての取材です。以下は、その要約。


熊本市にあるくまもと森都心プラザ図書館は、商圏分析データベース無料利用でき、起業志望者への営業先開拓や老舗商店主への新商品開発の提案など、ビジネス支援のための情報提供を行っている。

広島市立中央図書館は、月一で司書や中小企業診断士による企業相談会を開催。
業種別の競争率などを示され、開業したお店で順調な経営主もいるという。

栃木県の小山市立中央図書館は、農業の起業支援に強みがある。
セミナーで経営ノウハウを学んだ就農者が、工房を開業できたケースもあるという。


安易に誰彼にも起業を進めてよいものではないかと思いますが、地方には魅力的な勤め先がないこともあり、移住者を募ったり、地域活性化のためには喜ばしい動きといえるでしょう。起業だけではなく、就職活動や資格試験に関する書籍を充実させていることもあります。正直、うさんくさいネット小説の書籍版だの、えげつない漫画やライトノベルだのを税金で購入されるぐらいなら、大歓迎。

就職活動をするにしても、『会社四季報』などが閲覧できますし、業界研究や地域の特性の調査にももってこい。地方公務員もしくは地方の有名企業の受験をされる方は、その地元の人口構成や産業構造、経済力をチェックしておいたほうがいいわけですし。キャリアチェンジや社会人の学び直しのための情報だってある。インターネット上だけのリサーチでは得難い情報も、図書館では入手できるかもしれません。

余談ですが、私がその昔、非正規で勤めていたことのある図書館は、都会のビジネス街にあったので、ビジネス書や実用書がかなり充実していました。しかし、若い頃はビジネス書が苦手だった私は、美術書や哲学書などばかり借りて帰っていましたね。いまから思うと、かなりもったいないことをしたなあと反省しています。もっと早くに読んでおけばよかった本も多かったわけですから。

図書館はいまや本を貸し借りする、並べて見せるだけではない。
起業や就職・転職を目指す人をふくめた、優秀な秘書でもあり、人生のサポーターでもあります。私も身の振り方を考えるにあたっては、ずいぶんと地元の図書館の本に助けられたし、救われもしました。疲れたときの息抜きの場所でもあります。自分の人生をいかに運営していくかの、身近な人にはない視座を与えてくれる本はかならずあります。散歩がてらの軽い運動になりますし、一石二鳥。図書館に気軽に立ち寄ってほしいですね。


読書の秋だからといって、本が好きだと思うなよ(目次)
本が売れないという叫びがある。しかし、本は買いたくないという抵抗勢力もある。
読者と著者とは、いつも平行線です。悲しいですね。


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