【その１からの続き】
恒例の描き下ろし裏ジャケイラストは、たるろって・ソウジロウのペアでした。
表のかおひみに負けず劣らず素敵なイラストです。
それに比べて、一巻の裏ジャケの京四郎の扱いときたら（苦笑）
『京四郎』のDVDは、タイトル表紙と解説のついた裏が紙ケースとして別仕様になっていて、本体のジャケット表側はタイトルロゴの入っていない表紙絵そのままとして飾れるから嬉しい。
三巻に限ってはジャケ絵はひっくりかえさない心づもりでしたが、男前なお兄様と猫娘の微笑ましさに負けてしまいそう。
『神無月の巫女』と違って背景にロボがでてこないので、レンタル屋さんで予備知識なしに借りたひとはびっくりしそうな気がしますが。
というか、いまさらながら明らかに百合ってる美少女といかついロボの組み合わせって、すごいインパクトありますよね。
いったい何人の無知なアニロボ愛好者をだまくらかしたんだろう（笑）
タイトルが『京四郎』ではじまるのに、三巻目にして背表紙に顔出しだったりの男主人公なんですか、そうですか。
後半の三巻分の背表紙を埋めるのは、カオン、たるろって、ワルテイシアといったところでしょうか。
にしても、植竹先生の解説。
毎回、キャラクターの三角関係と題して三人ずつ紹介してゆくパターンなのですが、その組み合わせが面白い。
まさか、たるろって・ソウジロウ組にジン様を噛ませるとは。彼が京四郎を嫌っているのは、京四郎本人に対する屈折した愛情の裏返しってわけではなかったんですね。本編で幼少時代のソウジロウとジンのワンカットは、単にショタコンお姉さんたちへのサービスじゃなかったと（納得）。女性声優陣に一押し人気なのに、あの世界じゃ、とてつもなく女運悪そーです、ソウジロウ兄さんとジン様（笑）なにせ、あのハイパー妄想娘が崩壊させたあと、つくりあげた世界の住人ですから致し方ありません（苦笑）
それから、さんざん批難された京四郎の破廉恥行為に対する空の反応についても、彼女の性格をわかりやすく解き明かしたうえで説明してあるので納得がいくから不思議。だから困る（笑）『神無月』のときもそうですが、企画段階から主要人物の人となりについてはよく作り込まれていたのだと伺われます。
ただ惜しむらくは、メインの三人の一面的な悪所のみが強調されすぎたところでしょうか。
京四郎は、兄への依存心が強い上に、二股かけてるなんて非の打ち所ありまくりです。こうしたダークヒーローに想いを寄せる相手が、純粋無垢な少女で彼女だけが他人の知らない良さを知っているという設定だったら救われるのですが。せつなは絶対天使の盟約上仕えているだけで恋愛感情というより忠誠愛にとどまっていますし、白鳥空は王子様幻想からはいってしまっている。最初から空と京四郎が結ばれるような出来レースになっていて、しかも視聴者の大半はこの二人の性格に共感しがたい。
しかも、この二人を影から支えるような想いの輪がひろがってもいない。こずえちゃんという好感度の高い親友キャラを出しておきながら、空の引き立て役にさせず、悪夢に利用されたりという使い方はちょっとひどかったですね。（お互い天涯孤独の身の上で十年来の幼馴染みで、こずえちゃんは授業放棄した空を心配していたのに、空のほうは入院したこずえを気遣いもせず、というのは空の軽薄さをきわだたせてしまいました）
二巻目で東月封魔のガールズトライアングルをもってくるのかと思っていたのに、三巻目でも肩透かし。
二巻は裏ジャケと特典映像、三巻は表紙のみと、かおひみを小出しにして神無月ファンを焦らしておくのが、イヤン、いけずぅ～。次巻では絶対触れてくれると期待してます。かおひみの回だけ、いきなり裏表びっしり文字詰めで、しかもまだ足りなくて活字が小さくなったり、頁数増えてくれてたら、嬉しいハプニングなんですけど。
三巻の三角関係なんですが、カズヤとワルテイシアに加えて京四郎というのが意外でした。てっきり空かなと。
たしかに、アニメじゃ京四郎は、空というより兄さん至上主義な感じがしましたし。京四郎がせつなより空を選んだというより、カズヤへの誓いを捨てて、空への想いを選んだというかたちになってしまったようにみえます。白鳥空の独白ではじまるこの物語ですが、登場人物の多くと接点をもっているという点ではやはり、京四郎は本作の正当なもうひとりの主人公なのでしょう。その行いが果たしてヒーローたりえるのかはともかくとして。
限りなく物語の核心にいながら、毒性がないヒロインだったため、剣の少女は恋の鞘当てにはなりきれませんでした。
さて次回は、そんなせつなちゃんが主役の番外編について語りたいと思います。
アクセス
トータル
