陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。

速読は場合によりけり

2018-05-20 | 教育・学術・読書・子ども

漫画家の手塚治虫は、本を読むスピードがかなり速く、編集担当者と待ち合わせのあいまの数分で、書店で立ち読みしていたと言われています。手塚といいますと、アニメーション現場の大量発注でさばく過重労働を生み出した元凶のように言われることがありますが、実際、彼はかなり描画スピードが速かったのですね。

なるべく少ない時間で本を大量に読めたらいいなと思って、速読の本をかじったことがあります。フォトリーディングといって、視覚に訴えるような読書法だったのですが、これで読める本も読めない本もありますよね。よくあるビジネス書の見開きで、片側に図解が載っているタイプはさくさく読めますし、見出しも強調してわかりやすい。

本を速く読む方法のひとつが、ある一つのテーマに特化した本ばかり集中的に読むことですね。重複している部分は飛ばせばいいですし、理解度が格段に速くなります。前提知識があるほうが、すらすら読めるのはあたりまえなんですけどね。

私は大学時代、指導された教官に、ぜったいに原著で読め、ガイド本のような軽い本は読んではいけない、と教え込まされていました。その教官は、英語やフランス語をネイティヴのように話せる人でしたから。研究者はそれでいい。でも、ビジネスでは狭い専門分野ではない、広く浅い知識も必要になってきます。あらかじめ、入門本を読んでいたほうが、より難しい本へ移っても頭に入りやすい。慣れてくれば、パラグラフ単位で読みとばすことができます。

本を速く読む技術は、脳を活性化させるだけでなく、時間の限られた資格試験の学習にも役立ちます。日頃、SNSの短文だけ読んでいるような生活だと、長文の契約書や法律文書などを眺めるのが苦痛になりますよね。

ただ、本はさっさと読みさばけたらいいものではない。
内容が頭に入っていないこともあります。印象的だった部分を、なんらかのかたちで書き残す方がいいですね。

本を速く読めると、時間の節約にもなりますし、図書館で借りた本ならば次の予約者にもすぐ渡せます。仕事で必要な情報を調べたいときに予約したのに、早く届かなくてもやもやしたことがあります。人気のベストセラー本などは、とくに待ち人数が多いですから、期限内に読めそうでなかったら、早めに予約を取り消すことにしています。昔はすごくズボラで貸出期間を過ぎて慌てて返却していたりしたのですが、図書館の本は公共の資産ですし、本がすぐ返せない人はお金もすぐ返せない、社会人としての信用に関わると思って、原則、期限厳守にしています。

タダだからといって多く持って帰っても、けっきょく読みこなせなかったりします。ずっと借り換えしつづけたら、その本を他の利用者が目にする機会を失わせることにもなりかねないんですね。さわりだけ読んで、これ使える!と思ったら、買えばいいわけですし。

自分が図書館で働いたことがあるからわかるのですが、職員さんは女性が多いですから、けっこう利用者の特性を裏で話のネタにしていますよね(笑)。不信感を買わないようにしたいものです。…と言いつつ、仕事が忙しくて返しに行けないこともあるのですが…。


読書の秋だからといって、本が好きだと思うなよ(目次)
本が売れないという叫びがある。しかし、本は買いたくないという抵抗勢力もある。
読者と著者とは、いつも平行線です。悲しいですね。


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