陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。

映画「アイランド」(2005)

2018-12-16 | 映画──SF・アクション・戦争


2005年のアメリカ映画「アイランド」(原題 : The Island)は、近未来のSFアドベンチャーかと見せかけて、実は将来的に起こりえそうな事態を描いたとも思えるバイオサスペンス。


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2019年、合衆国のとある地下研究所。
マックリー博士が管理するそこでは、規則正しい生活を送る人びとが暮らしていた。徹底的に健康管理のされた食事がふるまわれ、毎日、おなじ作業をくり返す。数年前に生じた大気汚染からの生き残りでかくまわれた幸運な彼らのうちでも、さらに幸運なものだけが抽選で選ばれて、地上の楽園 "アイランド" へ旅立つことができる。

その一人、リンカーン・6・エコーは、ある日、自分の存在意義に疑問を抱きはじめてしまう。なぜ、人びとはおなじ衣装を着なければならないのか。なぜ、好きなものを自由に食べられないのか。毎日、くり返す仕事にはどんな意味があるのか。選ばれし者だけが向かうアイランドとはどんな場所なのか。そして、彼はアイランドへ辿り着く前に船が沈没する悪夢にさいなまれていた。

施設のメンバーの女性、ジョーダン・2・デルダと親しくなったもの、口を利くことすら許されない。しかも、度重なる調査。そんな管理社会に疑問が募ったリンカーンは研究室へと忍び込み、恐ろしい事実を目撃してしまう…。

リンカーンが知った事実、それは自分たちが人間たちの臓器移植や代理母のための代用品として生み出されたクローンであったということ。つまり、「いのちの保険」なのです。「製品」でしかない自分たちは、十五歳程度の知能しか与えられず、愛情も痛さも知らない、植物のようなものとして金持ちのスポンサーに売られ、そして殺されていく運命。
リンカーンは、アイランド行きという名の死刑台送りになろうとするジョーダンを連れ出し、逃避行を図ります。

この遁走劇が、カーチェイスあり、高層ビルからの落下あり、遠距離射撃ありと、まあお決まりのコースで興ざめなのですが、本作の真骨頂はそのあと。

リンカーンたちが救いを求めたのは、自分の本体となるスポンサーのトム・リンカーン。
トムはジョーダンに秋波を送りつけ微妙な三角関係に。自分と瓜二つなのに、精神の持ちようが異なる二人のリンカーン。その対決の終わりにピリオドを打ったのは、国防省の傭兵のローレンの銃弾。ここでリンカーンははじめて、誰かの影ではなく、自分自身として生きはじめることができたのですね。
彼が、終盤に意外な大活躍をしてくれるところから振り返ってみると、この交代劇は敢えてそうしたとも見てとれますね。

おなじ境遇の仲間を救うべく、立ち上がるリンカーンとジョーダン。
結果は見え透いていましたが、解放された人びとが高台の上に広がって快哉をあげるシーンは圧巻です。

たとえ、人間として生まれても、自分が生きるためには生命を踏みにじって構わないという考えの持ち主は、人間以下だ。人間として生まれてこなくても、他人の生命を大事に想う気持ちがあれば、人間として生きられる。そんな答えを突きつけてきた映画だったといえますね。

クローン人間の古典的名作といえば、「ブレードランナー」が有名でやり尽くされた感があったのを、冒頭の設定のごまかしで隠しおおせた点で成功しているのでしょうね。観客をひきこませるスタイリッシュな映像表現もみごとです。

監督は「アルマゲドン」「トランスフォーマー」のマイケル・ベイ。
出演は「スターウォーズ」シリーズのユアン・マクレガー。「それでも恋するバルセロナ」のスカーレット・ヨハンソン。「ナショナル・トレジャー」のショーン・ビーン。ジャイモン・ハンスゥは、「イン・アメリカ 三つの小さな願いごと」「サハラに舞う羽根」でインパクトを残した黒人男優です。


(2010年10月31日)


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