陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

犬も歩けばネタバレに当たる

2021-04-15 | 二次創作論・オタクの位相

エヴァンゲリヲン劇場版の完結編となる第四作目が、2021年3月8日に公開された模様。
コロナショックで公開が延期されたものの、待ちに待ったラストとあって、初日の劇場動員数は鬼滅の刃に次ぐ歴史的記録だったとか。

さて、誰もが知る日本を代表するこのロボットアニメ。
地上波放映でも「序」「破」「Q」の三部が流され、期待が集まった一方、事前にネット上では、ネタバレを心配する声もかなり聞かれました。

最近はSNSやニュースのまとめサイトなどでも、人気アニメの衝撃的展開が速報で流されるのも珍しくはありません。
私も10年ぐらい前に、某人気魔法少女アニメのスピンオフ漫画の雑誌最新回のレヴューをしていたので、よくわかります。反響があるとやみつきになって、作品愛そっちのけで惰性的にレビューしがちになるんです。鮮度ばかりが命で、後から読み返しても大して面白くない。実物を読んだ後だとほとんど無価値の情報源になるからです。

しかし、最近ではゲリラ的な投下といいますか。
ネット上のまったく無関係の場所に、さらりとネタバレを書き込んだり、主演声優のツイッターなど耳目を集めやすいところに置いたりもするようです。映画館でも、職場でも、電車内でも、すでに視聴済みの観客が口走ったりする恐れもある。ネット断ちしても、うっかりネタバレを食らうリスクはどこにでもあります。

映画ならまだしも、最近、よくあるのは連載漫画のフライング。
都会では週末金曜日発売(というか、一部では発売日前日入手できたりもする)が、地方では翌週月曜以降、さらに週初めが休日だったりすると…なんていうタイムラグがあります。電子版だと日付変わってすぐに読めたりもするそうで。

昔のTVアニメでもアニメ雑誌の予告欄だとかで盛大にバラされていたり、そもそも次回予告のタイトルで死亡キャラがわかってしまう、なんていう笑えないケースもありました。その一方、公式さんが知恵を絞って、わざとミスリードさせるような予告映像をつくったり、そもそも予告すらしない場合もあったり。

しかし、今の時代、ネタバレを避けるというのは不可能です。
雑誌の漫画の切り抜き画像で毎回レビューするサイト、下手すれば動画で紹介してしまうユーチューバーもいます。ただ、最新話だけみて途中からどハマりした側からすれば、こうした考察サイトがあるのがありがたかったりもします。著作権的にはグレーなのでしょうけれど。

レヴュワーのなかにはその作品を普及したいという純粋な想いがありますが、著作者によってはネタバレが読者の購買意欲を削ぐので嫌う向きもあります。反対に、チラ見せ程度に本編画像を広報して集客を図る著作者もいて、営業するのも、クリエイターどうしで繋がるのもなかなか大変だなと思ったりもします。

いちファンとして感想をしたためるならば、極力ネタバレにならないような表現を心がけたほうがいい。直接の動作をあからさまに書かない、一話まるごとの流れをまるまる話さない、抽象的に状況を述べる、あるいはその場面について気になった部分だけピンポイントで指摘、などなど。最悪なのは、いきなり、その回のラスト(キャラの生死に関わること)を伏せ字なくつぶやかれたり、ブログ記事の冒頭にもってこられたことです。そもそもネタバレありなら、ありと先に書いておいてほしい。

でも、ついつい好きな作品については深堀りしすぎてしまいますよね。これは、オタクの悪い癖です。そして、無駄に長くなってしまう。だって、自分が誰よりも一番に、あれもこれも指摘した、と手柄のように認められたいからです。誰かのために想像の余地を残すことができない。それは未知未読未見のこれからの人のわくわくを奪ってしまいかねないし、考える楽しさを与えない。

おもしろいレヴューというのは、いわゆる「行間を読む」ものですね。
独創的なものの見方を提示したり、表現の裏側を読み取ったり、ときには監察医のように与えられた手札から推理したりもする。しかし、お節介な予測をしすぎてうるさくなってもしまいがちです。

ただ、最近は選びようがないほど大量のコンテンツに溺れてしまうので、あらかじめ地雷を避けるために、あらすじを知っておきたいという需要で、ネタバレが歓迎されることもあるようです。私も映画のDVDなんかは手あたり次第借りていたけれども、知らない作者さんの小説や漫画はあらかじめレヴューを読みこむか、ウィキペディアなどでキャラの設定などを履修しておくことが多いですね。ネタバレを知ってもなお、細かい演出や台詞回しが光る作品もありますので。絵が好きな漫画は暗記するぐらいに読んでも飽きない。

過去の映画レビューを読むと、これから観る人への配慮があまりない文面が多かったりして、いささか恥ずかしいものですね。映像作品の場合は実物を観ないと話にならないので、多少ゆがんだレビューでも許されるかなという甘えもありました。

(2021/03/12)






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