陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

二次創作者はイベントのときだけやおら元気になる悲しきキリギリス(後)

2019-12-07 | 芸術・文化・趣味・歴史

さて、今回はお目汚しな画像をお見せします。少々お付き合いください。





こちらはとある高校の文化祭のパンフレット。A4 サイズ。
Gペン、烏ペンでペン入れ。トーン貼りで仕上げています。いまですとイラストレイターやフォトショップでちゃっちゃっとつくれる波模様。当時はしこしこトーンを削っていました。魚の鱗の煌めきと肉厚感にこだわっています。しかし、現実の魚はこんな躍動的ではなさそうですが。

この描き手は「みずみずしい感性」とかけて、水→魚を連想したようです。
手書きのレタリングにこだわっていますが、こんなの、いまはワードアートでも数秒でできあがり。いい時代になりましたな。

これは表紙ですが、中身もかなりトーンを切り張りして装飾しまくっています。
はたしてこんな落ち着かないパンフを貰ってしまった学園祭参観者は、おおいに戸惑ったこと間違いなしです。ただし、教員勢(美術の恩師のぞく)にはやたらと褒められました。そこで本人はなにか勘違いしてしまったようです。

この描き手は、調子に乗ってこの文化祭期間に校門に建てられる凱旋門のようなアーチまでペイント。さらに、宇宙飛行士をあしらった垂れ幕までデザインしてしまいました。しかも友だちがないものですから、すべて独りで。この痕跡は卒業アルバムに残っています。いまから確認すると、デッサンが狂っていてかなり恥ずかしい画力に違いありません。

ちなみに、このパンフは自慢げに小学生時代からの学友に渡したところ、目前でメガホンみたいにわざと丸められて傷物にされたという、負の伝説つきです。この友人は大学時代に同人誌制作をもちかけた人間でしたが、私は苦学生だったので断った相手です。学力も画力も敵わないので嫌がらせをしたのでしょう。この学校はこの友人が第一志望の高校で、彼女は推薦で下位校に逃げたので悔しかったのかもしれません。そしてKYなこの描き手は、その闇に思い至らずにひけらかしてしまったというわけです。これでは影で嫌われてもしかたがないというものですね。創作者って性格悪いのです。

お次は、こんな画像を。





こちらは、大学時代の文化祭パンフレットです。同じくA4サイズ。
トーンで羽根をはりまくりです。空間センスなく散らしたものですから、友人の監修ですこし剥がされてしまい、それでまだマシになったシロモノです。こちらもレタリングは手書きです。既定の文字をなぞったのではなく、定規も使わずにフリーハンドです。この描き手は実は絵画というよりは、文字と絵で情報を視認させるポスターが得意で、しかも文字を主役にさせる傾向があります。そのため、基本的な画の構造が理解できておらず。要素の配置がかなり悪いです。配色もあまりいいとはいえません。
この描き手はさらに所属していた合気道部の新入部員歓迎ポスターまで手がけました。
合気道の絵などはまったくない、文字とトーンでデザインしただけの幾何学的な知らせでしたが、なぜか先輩には好評でした。

この描き手は、大学中にも人権ポスターを作成して表彰されたり(ほかにめぼしい応募者がいなかったため)、学業の傍ら勤めた図書館でも展示案内やノートに趣向を凝らしたり、やらないでもいい創作欲を発揮します。そして、それがある時期から失われます。絵の道を仕事にした家族を失ってからです。幸いなことに、大学時代の研究対象は絵画ではなかったので、研究に響くことはありませんでした。でも、画家をテーマにしていたら絶対論文は書けなかったでしょう。いまでも、この描き手は現存の絵描き(とくにイラスト系の)の絵を評価するのは苦手です。言葉が出てきません。出てくるとしたら、毒か棘しか出ないのです。

あえてぼかしましたが、この描き手は私本人です。
私の血族は、幼稚園・小学校時代から絵画の才能を発揮した者が多かったのです。
しかも、絵の才能があるとはいえ美大に行けるほどではないので、教員になったり、企業勤めをしたり、手堅い人生を歩んだものが多いのです。つまり現実思考だったわけです。断捨離をしていたら、古いスケッチなどが発見されましたが、やはり血は争えないものです。

きょうだいの中でも私は下手くそ。校内で一位になれるぐらいでも、全国での入賞はありません。学生時代、家庭教師先の教え子にポスターの宿題があって塗り方をアドバイスしたら、入賞してしまって感謝されたことがあります。その子は、いま立派に保育士をしていて二児の母です。

絵というのはとても残酷です。描き手のセンスや技能がおそろしく一望できます。ある程度教育でなんとかなりますが、一定レベル以上にはうまくはなりません。それが芸術の恐ろしさ。仕上がったときはハイですが、遠巻きに見ると粗が見えて絶望します。おそらく、いまプロで活躍中の方は生き馬の目を抜く世界で、自己との闘いを繰り返しながら、自己研鑽に励まれたのであろうと察します。

それにしても、いまのネット上でも若い世代は格段に絵が上手い人が多いです。
漫画っぽい絵でも昔の昭和ヲタクがサインペンかボールペンで描いた落書きではなく、本格的なイラストが多い。つくづくいまのSNS世代に生まれなくてよかったと思います。

絵を描くことが好きな遺伝子を少なくうけついだ私は、地獄のクリエイター道に埋没することもなく平々凡々な人生を送っています。二次創作は趣味にかけられる時間とお金の少ない私には願ってもない憂さ晴らしだったのでした。

結論として、何が言いたいのかといえば。
現在もくすぶる二次創作者魂は、学生時代の昇華できなかったイベント気分からまだまだ抜け切れていないということですね。これらの原物は、電子データ化したので捨てることにします。


【二次創作者、この厄介なディレッタント(まとめ)】
趣味で二次創作をしている人間が書いた、よしなしごとの目次頁です。
二次創作には旨みもあれば、毒もあるのですね…。


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