陽出る処の書紀

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アニメ「神無月の巫女」ブックレットについて(四)

2018-11-26 | 感想・二次創作──神無月の巫女・京四郎と永遠の空

旧版DVDは二話ずつ収録、全六巻発売されたので、付録のオールカラーブックレットも全六冊あります。表紙はDVDの表紙絵と同じ。

この表紙、人物+ロボットの組み合わせ。
そうです、旧版DVDの表紙は背景にきちんとロボットが描かれているんですね。人物は藤井まきさん画で、ロボット作画監督の塩川貴史さんがメカ背景を描いた模様。この塩川さん、神無月の巫女スタッフ対談にて、メカのデザインや動きでのこだわりに触れて、「少しでもああいうのをちっちゃい子供が見て、魂を揺す振られたらいいかなぁと思って」と発言されているのですが。8話の爆弾展開を見るに、どう考えても無理ですって。しかし、実際、小学生時分にこの作品にうっかりどっきり出会ってしまった方もいるようです。四則演算教えてないのに、いきなり三角関数を解かせるようなものですが、なぜかその魅力に嵌まってしまった方も多いようです。人生なにかがまちがっている気がしないでもありません。人様のことは言えませんが(爆)。

2009年に出たDVD-Box版では、ロボットがおらず表に姫子・千歌音、そして裏にはソウマとツバサ。ロボットの背景画を描きおろしで発注しなかったためと思われますが、この話の主軸は姫子と千歌音の愛であるものの、兄弟の相克もあることを印象付けているのです。

第一巻は、姫子・千歌音(乙橘学園制服)・ソウマとタケノヤミカズチ。
三人とも、いかにも爽やか青少年といった感じ。ソウマくんだけサイズの違う背景にされていますが、これがDVDディスクになると…、サウンドトラックだけに独りぼっちで残された大神くん…。サントラがない通常版第一巻だけの場合は、ソウマが描かれたディスクがないのか、三人まとめてだったのか、気になりますね。制服ソウマくんと愛機の色合いはぴったりで、まるでペアルックのようです。実際、搭乗者の気質にロボットが左右される造形になる設定のようですし。姫子とのファーストキスどころか、途中でこのロボまで奪われるんですけどね…。でも、彼なかりせば、この物語は成り立ちません。

第二巻は、ツバサ・ミヤコとそのロボ二機(めんどうなので名前書きません(酷))。
ツバサ兄さん、暴走族の特攻服のイメージありましたけど、肩回りのデザインが教会の神父みたいでもありますね。指ひっかけて、じぱっ、と降ろしたくなるようなファスナーです。光る羽根が舞っているあたり、のちの「京四郎と永遠の空」を思わせます。このミヤコ姉さんの髪をさわって怪しげに微笑む顔って、原作だと千歌音ちゃんがよくする顔なんですよね。原作の黒宮様も大好きです、ええ(艶笑)。

第三巻は、はい、出ましたよ! このコンビ。
売れないアイドル69位ことコロナと、売れすぎ漫画家レーコと、その二機。
このふたりの神機、活躍の場がなかったせいかあんまり覚えていないんですよね。ネココふくめたこの三人娘だけ、服装がそこらにいそうな感じで悪の幹部ぽくない…。

第四巻は、獣ノケモノおどけものコンビ。
ギロチとネココと、その二機。ギロチはヒーローものでいかにも最初に倒される、典型的な咬ませ犬タイプですが、意外としぶとく後半まで残りますよね。ネココは尻尾に絆創膏が…。猫娘なのですが、猫耳がないんですね。この二人のコンビって、のちの「京四郎と永遠の空」のソウジロウ兄さんとたるろってを思わせますね。

さて、物語の転換期を迎える第五巻の表紙は。
ドレスアップした姫子と、あさってを向く千歌音。千歌音ちゃん、ローソクもって、あっちむいてホイ!みたいな。そして合体オロチと八の首機の暑苦しい顔で、せっかくの麗しいひめちかの余白がもう台無しです(酷)。…というのは、冗談で。へえ、こんな外観だったんだとよくわかります。出番すくなかったもんねえ。
藤井まきさん作画で知られるあのED絵もそうですが。姫子、ふだんは固まった横髪が顎のラインを隠しているので可愛く見えるけれど、風で舞い上がると、ちょっと別人の表情に見えるんですよね。千歌音ちゃんセレクションのドレスのせいか、地味でくすんだ色合い(乾いた血の色っぽいけれど、背景のオロチとは喧嘩しない配色)で、その衣装もあるせいか、ややぎこちない顔をしています。この巻のお話の中身をよくあらわしている表紙ですね。手にはしっかりと、キーアイテムの貝のペンダントが。

ラストを迎える第六巻。
ここでやっと巫女すがたの姫子と千歌音。身も心も存分に踊ってます、という恍惚なふたりを心ゆくまでご堪能ください(笑)。後ろのアメノムラクモさんも、炎の輪をくぐりぬけて得意そうな曲芸師っぽいというか、「さあ皆さん、御手前ご覧ください。このひめちかダンス最高でしょ。この歓喜にお手を拝借! よよいの、よい」という感じですね(違)。こんなこと言いつつ、アメノムラクモさん、きちんと月の社で仕事するから困ります。





こちらは、2005年6月、すなわちDVD最終巻から一か月後発売の原作漫画最終巻。
これは、DVD第六巻表紙と対応しています。背景は黄金のアメノムラクモ。そして、千歌音ちゃんは赤いリボンで両手を縛られているんですね! 姫子、どこ触ってんのよ!(by 美川憲一)。 いいぞ、もっとやれ! なんか、いいように弄ばれている千歌音ちゃんの図。

じつはですね。これとは別に。
DVD表紙絵と似たリボンと手の結びは原作第七話、すなわちこの巻の冒頭回にあるんですね。手は結ばれていますが、やや悲しく痛々しい姫子と千歌音の図。前世の姫子と千歌音のイメージなのでしょうか。





この七話の雑誌連載時は、ちょうどアニメ放映スタートの2004年10月ごろなので、このリボン結び、漫画の方が先に出ていたことになります。おそらく、事前に描くことを示し合わせていたと思われますが、漫画とアニメとのこの絶妙なタイアップ。じつに面白いでしょう。赤いリボンの使い方を変えることによって、二つの物語のたどった結末が異なることを暗に匂わせているのです。ちなみに、漫画版の雑誌連載時の巫女服の袖飾りは陽と月とで色違いになっていますね。

このDVDブックレット表紙だけ見ましても、全話の流れがわかって、なかなか面白い絵ですね。
この六冊、シャッフルして目をつぶって一枚ひいてみてですね、誰が出るかな、誰が出るかな~って小堺一機みたいに試してみるのも楽しいですね。姫子と千歌音、確率二分の一。難しくはない。しかし、いま、私が二連続でやったら、なぜか両方ともレーコとコロナでした(どうでもいい)。

さらにいえば。
DVD表紙どうしでも、おもしろい仕掛けがあります。おそらくお気づきの方は多いはず。
第一巻と最終巻、それぞれ姫子と千歌音は手を合わせているのですが、もう勢いが全然違うところ、視線の熱いこと。かたや友だちの握手、いっぽうは恋人結び。姫子の腰に、千歌音ちゃんの背中に、手を回しあったふたりがもう最高過ぎてたまりませんね!



アニメ「神無月の巫女」ブックレットについて(まとめ)
月には誰も知らない朽ち果てた社があるの。全ては其処からはじまりました──。感動の全十二話を堪能したあと、再観賞用に、保存用にオススメのDVD。今回はその旧版DVD付録のオールカラーブックレットで、作品をふりかえります。

★★神無月の巫女&京四郎と永遠の空レビュー記事一覧★★
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