7月2日に行われる函館スプリントステークスで同一重賞3連覇をかけている牝馬がいる。
2004年は2番人気ながらも、同年の高松宮記念を制覇したサニングデール以下を一蹴。翌05年もまた2番人気ながらも、プレシャスカフェ以下を一蹴して連覇を果たした。そして今年。
シンボリグラン、プリサイスマシーン、ギャラントアローらのスプリンターらを相手に、中央競馬の牝馬としては初の同重賞3連覇に挑む。
下馬評を見る限り、本命に推すスポーツ紙、専門紙が少なくない。それにしても、重賞3連覇というケースはそう簡単にあるものではない。
地方競馬だと、ホッカイドウ競馬の重賞で、牝馬のシバフイルドーが79~84年のクイーンカップを6連覇した記録がある。これはシバフイルドーが5~10歳時に達成したものだった。ちなみに当時ホッカイドウ競馬には「定年制」があり、シバフイルドーは10歳をもって引退せねばならなかった。そしてこの記録は確か、重賞連覇記録の世界タイ記録になっているはず。
そしてそのクイーンカップだけど、シバフイルドーが引退したあとだが、85~87年はエスコートが3連覇を果たしている。9年間でたった2頭の馬しか優勝経験馬になっていないというのは、恐らく日本ではこのレースぐらいしかないのではないか。
ただ残念ながら、偉大なる名馬を輩出したこのレースも、96年をもって廃止されてしまった。
地方競馬においては牝馬でもそうした記録を残せているわけだが、中央競馬でもしシーイズトウショウが達成すれば牝馬としては史上初となる。
さてこのシーイズトウショウという馬であるが、03年の桜花賞では13番人気ながらもスティルインラブの2着に入り、馬連・馬単・3連複においていずれも万シューの片棒を担いだ。
続くオークスで12着と大敗して以後はマイル以下の距離のレースばかり走り、重賞勝ちとしては函館SS連覇の他、CBC賞はG2時代の03年とG3となった11日のレースと2回制覇している。つまり、この馬は4年連続で重賞ウイナーにも輝いている。
またG1では桜花賞2着の他、高松宮記念において04年5着、06年3着に入っている。つまり、秋に行われるスプリンターズステークスも十分狙える位置にある馬なのだ。
今回はCBC賞から中2週というローテーションが懸念されており、過去2年とはいささか様相も違うわけだが、中央競馬史を塗り替える大偉業達成に期待したい。