今年最後のふるさとダービーとなった防府大会は、5日、決勝を迎えた。
2・佐藤慎太郎が飛び出し、6・佐藤友和を前にいれ、佐藤友-佐藤慎、1・加藤慎平-9・山口富生、7・手島慶介-4・池尻浩一、5・武田豊樹-3・神山雄一郎-8・坂本英一。
残りあと3周を通過した時点で武田が佐藤友を交わして正攻法。以後は様子を見る構えに終始したが、ジャンが鳴っても佐藤友が来ないと見るやスパート。しかしながら丸3周近く逃げ切るのは至難の業という他なく、バックから手島が満を持してスパート。2センターで完全に武田を捲りきり、さらにその2センターから佐藤友が遅めの捲りを敢行するも勢いが違った。マークの池尻を引きつれ、見事にビッグ初制覇。2着に池尻、3着には完全優勝を狙った佐藤友和が入った。
自らの不注意により、何と1年間の斡旋停止処分を受けてしまった手島。
常にレースと練習というパターンを繰り返さねばならない競輪選手にとって、「引退勧告」にも等しい処分を受けたが、その間手島は初心に帰り、朝から晩まで入念な乗り込みを続けたという。
昨年年初より復帰。ほとんどS級シリーズにおける参戦であったが、はっきりいって強いの一言。
とりわけ斡旋停止処分前よりも捲りの威力がこんなに強かったのか、と言わしめるくらいのもので、ほとんどS級シリーズにおいては自力を多用。そして積み重ねた優勝回数は何と11回にも上った。もちろん、年間S級在籍選手の記録としては最多記録。
そして今年からは、記念以上の斡旋も増え、また、ビッグレースでも活躍。
とりわけ今年7月の地元・前橋で開催された寛仁親王牌では、バックから捲って後閑信一に優勝を「プレゼント」、自らも2着に食い込んだ。
というわけで、G1も優勝に王手がかかっている手島だが、まずはG2からという意味合いもあろう。さらにこの優勝で、グランプリ出場もほぼ見えてきたそう。
当初はマーク策も考えたというが、勝つためには自力を使ったほうがいいという考えに変わり、決勝でも見事それをやってのけた。もちろん、G1制覇も夢ではなかろう。
池尻はうまく手島についていっての2着。逆に佐藤友和は、武田に睨みを利かされてしまったせいか、遅めの捲りを敢行するのみにとどまっての3着は悔いが残るのでは。だが、それでも3着に食い込んだあたりは、着実に成長している姿がうかがえる。