公営競技はどこへ行く

元気溢れる公営競技にしていきたい、その一心で思ったことを書き綴っていきます。

JBCクラシック回顧

2006-11-03 18:05:52 | 大レース回顧集

「夜から川崎 昼まで川崎」

をキャッチフレーズに、史上初の前日夜&当日昼のG1レース開催となった今年のJBCをメインを飾るのはクラシック

過去G1では2着が7回もありながらも優勝はまだ一回もなし。しかも今回、日本ダート界の「2強」と目されているアジュディミツオーとカネヒキリがともに不在とあって、悲願のG1制覇を狙う、1・シーキングザダイヤが1.6倍と断然の1番人気。2番人気には今年G2を2回制覇して一躍ダート界の強馬に君臨しつつある4・ハードクリスタルで4.5倍。3番人気は、先のダービーグランプリを制覇し、内田博幸に鞍上を替えてきた5・マンオブパーサーで8.7倍。10倍以下の単勝人気は以上3頭であった。

 

スタートは、シーキングザダイヤがダッシュよく飛び出したが、3・マズルブラストがハナを切り、 マンオブパーサーが2番手で、断然人気のシーキングは4番手で折り合う格好。後続にハード、11・レマーズガール、2・ビービートルネード、13・タイムパラドックスと続き、12・ボンネビルレコードが後ろから3頭目。

しかしながらホームスタンド前を通過しようとする際にペースが極端に落ち、スローペースを嫌った形のタイムパラドックスがホームスタンド前で一気に漸進してきて、2周目1角ではマズルの「番手」を奪い取る。それ以外はほとんど変わらずといった感じ。

勝負どころの3~4角でタイムパラドックスがマズルを交わして、「番手捲り」。(この際、マズルブラストが煽るような形となり、ここで審議の青ランプが点滅。対象はタイムパラドックスであった。)これにレマーズガールが続き、逆にシーキングは内に揉まれるような形で一瞬後退加減となった。また、地元馬で4番人気だったビービーはペースについていけず、完全に圏外に去るような形。

直線に入るとタイムが完全に先頭。まるで出し抜けを食らった形の他の有力どころが懸命に直線に入って追うものの、タイムが快調に飛ばしてそのまま押し切って昨年に続きJBCクラシック連覇達成。2着にまたもやシーキングザダイヤ、3着には終始前の動向を見ていたボンネビルレコードが入り、2番人気のハードが4着、3番人気のマンオブも5着に終わった。

既に8歳。数えでいえば9歳の「古豪」が、1年前の名古屋で果たした「偉業」を、川崎でもやってのけた。タイムパラドックス、あっぱれな勝利であった。

しかしながら昨年のJBCクラシックを勝った後のタイムパラドックスは苦戦の連続。

連覇を狙ったJDDは4着、そして東京大賞典においては1番人気に支持されたものの、アジュディミツオーになすすべもなく完敗。 今年の川崎記念においてもアジュディに敗れ、どうやらそのあたりから馬に衰えが目立つようになってきた。

以後のレースにおいては3着以上が1回もなし。 ただ前走の南部杯では5着だったものの外から伸びる競馬を見せてはおり、漸く復調の兆しは見えてきたようには思えた。

今回は、極端なスローな流れを嫌った岩田康誠騎手の好判断が光った格好となり、他の有力どころは4角で完全に脚を失った格好。

しかしながら、2周目1角でマズルブラストの「番手」に入ったことに加え、勝負どころでの「番手捲り」を放った脚は歴戦の強者を物語るものだったといえる。

初のG1勝ちは2年前のジャパンカップダートであったが、それ以後、立て続けにG1を3勝と、完全なる「遅咲き」の馬であるが、「若い頃」は健闘はするが勝ちきれないといった甘さを露呈する馬でもあった。でも、G1を一度勝つと、その勝つ味をこの馬はレースのたびごとに覚えていったんだろうと思う。

今回は過去の実績を評価されての5番人気だったが、まさか勝つと思っていた人はそういなかったのではないか。昨年とは違い、ほとんど「ノーマーク的な」形で競馬を進められたことも勝因だったかも。

これでG1を5勝。年齢的なこともあるし、今年限りで引退させてやってもいい気がするが、一方でJDDや、2年続けて1番人気に支持されながらもアジュディミツオーに敗退を喫している東京大賞典においても更なる頑張りを期待したくなった。それにしても今回の勝利は「老獪」さを如何なく発揮したように感じた。

シーキングザダイヤはこれでG1では8度目のブロンズメダル。今回もスタートは抜群の出ながらも、勝負どころで置いていかれるような競馬を強いられ、とうとう差を縮めることはできなかった。

思うにこの馬は先行力があるのだから、スタートでポンと行ったときに控えるのではなく、そのまま行かせてやったほうがよかったかもしれない。それにしても、今回こそは絶好のG1制覇のチャンスと思われたのに、またしても成就ならず。更なるG1制覇への挑戦は続く。

ボンネビルレコードは終始前を見ての競馬だったがよく頑張ったといえる3着。ハードクリスタルは馬体減りがひどすぎた影響が出たみたい。マンオブパーサーは勝負どころで後退している競馬を見る限り、力不足といえるのかも。


JBCマイル回顧

2006-11-03 08:03:37 | 大レース回顧集

2日、川崎競馬場で、今年は「JBCマイル」として行われたJBCスプリント。

単勝1番人気は、6・ブルーコンコルドで2.0倍、2番人気は4・メイショウバトラーで2.8倍とこの2頭がやや抜けた人気。3番人気は8・ナイキアディライトで6.0倍、4番人気は1・リミットレスビッドで7.4倍。10倍以下の人気は以上4頭。

スタートで9・グレイスティアラが幾分煽る不利があり、審議となった。

ナイキアディライトが出ムチをくれてハナに立つも、JBC史上初の女性騎手騎乗となった山本茜騎乗の13・キングスゾーンが果敢に競っていくという展開となった。

結局、ナイキ先頭、キングス2番手。12・アグネスジェダイが3番手。リミットレスビッドが中団に位置し、10・コアレスタイムとメイショウバトラーがさらにその後ろ。ブルーコンコルドがさらにバトラーを見る形で続く。

勝負どころの3~4角でバトラーがリミットレスを交わし、4角手前ではついに前団を捕らえて一気に先頭。そしてブルーもバトラーをピッタリと追撃。リミットレスは内を衝く。

直線に入ってバトラーが完全に抜け出すも、終始冷静にレースを進めたブルーが残りあと50M付近でバトラーを完全に交わして優勝。JBC連覇を果たす。2馬身差の2着にメイショウバトラー、さらに2馬身差の3着にリミットレスビッドが入った。

グレイスティアラの進路を塞いだのではないかとして、審議の対象となったブルーコンコルドだが、その箇所以外は終始冷静にレースを進めた。

2番人気のメイショウバトラーを終始見るような形でレースを進め、バトラーが一気に捲り切っても、全く動じない走りで最後は圧勝という印象であった。

南部杯でも、最後の切れ味という点で他よりもぬきんでている走りを見せたブルーだが、今回も全く同様の走り。以前はマイルではいささか距離が長いのではないかと見られていたが、それも今では全く問題ない。

アジュディミツオーのように、スタートからハナを切ってレースを行い、なおかつ最後までしぶとく粘るようなタイプにはてこずりそうだが、今のダート界にはそういった馬はほとんどおらず、しかも今回はスタートの争いが熾烈だったこともあり、余計にこの馬向きの流れとなった。

ちなみに次走は12月28日の兵庫ゴールドトロフィーの予定で、来年の最大の目標はフェブラリーSだろう。 しかしながら、マイルまでの距離では、この馬を脅かす馬は今はまずいないのでは。

メイショウバトラーはブルーが来ないうちに先に先頭に立ってしまおうという作戦を取り、その点においては十分、この馬のレースができたと思われるが、如何せん、ブルーコンコルドが強すぎたといえる。

しかしながら屈腱炎で1年半近くも実戦を離れていたにもかかわらず、復帰した後のレースぶりはまさに充実の一途。今後も交流重賞等で活躍するのは必至だろう。

リミットレスビッドはバトラーに捲られながらも、内をしぶとく衝いて3着に入線した。

さて、JBCというよりも、統一ダートG1レースとしても史上初の女性騎手騎乗となった山本茜。所属する原口次夫厩舎のキングスゾーンでの騎乗となったが、地方競馬界をリードする内田博幸騎乗のナイキアディライトに果敢に競っていき、十分見せ場を作った。そして、ナイキアディライトはキングスゾーンに競られたことが原因となって、4角で完全に脚を失った。

今年のJBCマイルは中身としては比較的面白い内容となったが、その内容を作ったのが山本茜だといってもいいのでは。