公営競技はどこへ行く

元気溢れる公営競技にしていきたい、その一心で思ったことを書き綴っていきます。

秋華賞回顧

2006-10-15 18:05:19 | 大レース回顧集

第11回秋華賞は秋晴れの京都競馬場で行われた。

単勝1番人気は、トライアルのローズステークスを勝っている、9・アドマイヤキッスで2.6倍、2番人気は49年ぶりの無敗のオークス馬、12・カワカミプリンセスで3.6倍、3番人気は桜花賞馬の1・キストゥヘヴンで6.2倍。10倍以下の単勝オッズは以上3頭であった。

スタートは各馬一斉に揃う申し分のないもの。その中から8枠勢の17・トシザサンサンと18・コイウタが先頭、2番手で引っ張り、4・シェルズレイが3番手。さらにその後ろ、内を通って16・アサヒライジング

中団の位置に5・フサイチパンドラとカワカミプリンセスがつけ、さらにその後ろの集団にキストゥヘヴン。アドマイヤキッスはさらにその後ろにつけた。

前がほとんど平均ペースで駆けていたこともあって、差し馬にはいささか厳しい競馬の流れ。アドマイヤは向正面で武騎手の手が若干動く展開。そして、その前にいたカワカミが、3~4角で鞭をしごきながら漸進。4角で前の集団にとりつこうとする。一方、内を常に走るアサヒライジングが満を持して直線に入り、先頭に立つ。

しかし3~4角でエンジン全開モードのカワカミプリンセスの勢いはもう止まらない。まるで男馬のようなすばらしいストライドで計ったかのように最後、半馬身差だけアサヒを退け無敗で秋華賞も制覇。アサヒライジングが2着。3着にはフサイチパンドラが入って、1番人気のアドマイヤキッスは4着止まりだった。

49年ぶりに無敗でオークスを制覇したときにも、牝馬らしからぬスケールの馬にも感じられたカワカミプリンセス。

それは「エリート牧場」で育ったような牝馬らしい作りの馬とは違った、過去を遡ってもこれほど女馬のようには感じない馬も珍しいくらいほどで、オークスの後は山元トレセンなどで入念に乗り込みが行われたが、馬格は春以上のものとなっていた。

京都は通常、芝コースといえば「三の字型」の坂の上り下りがある外回りコースを使用する場合が通例だが、2000Mだけはコース設定の問題があって内回りを使用せざるを得ず、その内回りといえば、外回りとは違って周長が小さい上に坂もなく、言ってみればローカル開催場に近いようなコース。したがって、コーナーワークをうまく利さねばならず、カワカミプリンセスのような雄大さを誇る牝馬にはいささか難しいコースとも思われた。

実際、カワカミは、本田騎手が人気を背負った馬としては考えられない、3~4角における早めのスパートも強いられたわけだが、結局、それが見事に功を奏した格好。直線も300Mちょっとしかないにもかかわらず、ほとんど完璧なレース運びをみせたアサヒライジングを計ったかのように最後捕らえた競馬を見るところ、強いの一言という他ない。

これで5戦全勝。また、1953年にオークスが現在の開催時期に移ってからは、カワカミプリンセスが無敗のオークス馬としては史上初の、秋のG1級レース「無敗勝利」を成し遂げた。これは歴史的快挙である。

次は恐らくエリザベス女王杯。連覇を狙うスイープトウショウとの一騎打ちも今から予想されるところだが、牡馬との戦いは来年ということを陣営は見据えているらしく、それが終わったら休養に入るかもしれない。

ただ、牡馬と交えて戦っても、この馬は相当に強そう。

アサヒライジングは前走のアメリカンオークス招待では完全に差す競馬に徹して2着。もともと逃げ馬だったこの馬が明らかに新境地を見せての健闘だったが、今回は前々での競馬でしかも経済コースを終始通るという、ほとんど完璧なレース運び。直線で先頭に立ったときは、もうほとんど勝利はもらったようなものと思ったはず。

だが、カワカミプリンセスがあまりにも強すぎた。この馬としては全く申し分のないレースであり、今後も好位置から抜け出す競馬を心がければ、牝馬相手だと常に上位に食い込むのでは。

フサイチパンドラも、最後は好素質馬の片鱗を見せて3着に食い込んだが、如何せんG1を勝つためには勝ちパターンというのか、型を持ち合わせていない感じが見られ、もうちょっとパワーがほしいところ。

アドマイヤキッスは終始流れが向かなかったばかりか、勝負どころでカワカミの思い切ったスパート策に手を打てなかったのが敗因。直線に入って漸くこの馬らしさを見せたものの、時既に遅し。キストゥヘヴンも同様に終始流れの向かないレースを強いられ、着順掲示板も逃した。


  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

もう!やめだやめだ!

2006-10-15 00:14:14 | 競馬

下手をすると、「北海道遺産」がなくなってしまうよぉ!

北海道新聞より

ばんえい廃止か「帯広・岩見沢」  2006/10/14 08:07

 【旭川】巨額の赤字を抱え危機的な状況に陥っているばんえい競馬について、北海道市営競馬組合(管理者・菅原功一旭川市長)を構成する旭川、帯広、北見、岩見沢の四市長は十三日、旭川市で来年度以降の存廃について協議した。同組合改革検討チームが示した帯広を軸とする二市集約案のうち、帯広・旭川の組み合わせについては減免条件が整わないことが報告され、「帯広・北見」は売り上げが不安視される見解が示されたことから、来年度以降は廃止か、「帯広・岩見沢」開催のいずれかの可能性が高まった。また、現在四市で構成している組合の解散を決めた。

 協議終了後、菅原市長は「二十日に各市の結論を持ち寄って、最終結論を出すことを確認した」と述べ、議論をこれ以上先延ばししないことを明らかにした。

 出席者によると、二市集約案の中の報償費40%削減については調騎会が同意し、競馬場使用料減免は北見と岩見沢両市が了承したものの、旭川市からは競馬場所有者が難色を示していることが報告された。また、旭川の民間所有の場外馬券売り場については使用料の減免が確認されておらず、帯広はこの結果も踏まえて検討するとした。

 帯広・北見の組み合わせについて、神田孝次北見市長は、開催地が道東に偏った場合、売り上げが落ちる不安を示した。

 この結果、収支面から「帯広・旭川」の可能性は極めて低くなり、「帯広・北見」も微妙になった。一方、帯広は競馬場使用料減免などの条件が整えば存続への意欲を示し、岩見沢は議会の意見も尊重しなくてはならないとして、態度は明確にしなかった。組合の解散ではすべての債務を清算し、四市が均等に負担することも合意した。二市開催で存続する場合は、新たに組合を立ち上げる。

帯広も本心は「やめたい」んだけど・・・

但し、帯広市とすれば、道東南部はばんえいの馬産地であるとともに、北海道遺産の認定を受けていることもあって、市のシンボルがなくなる恐れも同様に危惧していることから、存続への意向を示している。

もっとも、帯広市は単独で開催を受ける意思は毛頭ないことを前々から表示しているし、岩見沢に何とかして出てきてもらって、2場開催の上、新組合立ち上げということを考えているんだろうと思う。

一方、旭川市は明らかに存続に対しては後ろ向きの構え。市としての競馬開催続行は困難、つまり、道が主催するホッカイドウ競馬に開催権を完全に譲る構えであり、来年開催の可能性はかなり低くなった。

そして北見もまた、札幌に程近い岩見沢で開催してくれないことには、帯広・北見の道東開催では収益が上がらないという見方をしており、岩見沢の動きが極めて重要である他、ひょっとしたら、岩見沢が開催を引き受ければ、自らは「降りる」ことになるであろう。

ということは、前身の野付牛競馬時代から続いた北見競馬の長い歴史にもピリオドが打たれる可能性が極めて高い。

そうなると、重ね重ね、岩見沢の動向はきわめて重要。

議会の意見も尊重しなくてはならないとして、態度は明確にしなかった。組合の解散ではすべての債務を清算し、四市が均等に負担することも合意した。

ということを考えると、岩見沢は議会を何とか説得させたい方向であるようにも感じる。

以前からばんえい競馬の再編については問題となっていたわけであるが、平地で、道が開催するホッカイドウ競馬の存廃問題の話にばかり注視され、とりたててこれまで表ざたに問題になることはなかった。

しかし、ホッカイドウ競馬とは違ってばんえい競馬は北海道の領域だけしかほとんどファンがおらず、また、ファン開拓面にも限界があることから、来年度には大掛かりな再編は避けて通れないという話が、昨年度より上がっていた。

恐らく、帯広・岩見沢の2場開催ということで、来年度は落ち着くことだろうと思う。但し、今年度も行われる通年開催は来年度については実施されないのではないか。

というのも、ばんえい競馬の大一番、ばんえい記念は今年、3月終わりの開催となったが、すっかり雪は溶け、従来のばんえい記念のような雪交じりの迫力あるレースとはいささか趣が違うという見方もされたからだ。

ところで私は2年前に帯広に行った際は、積雪60センチほどの大雪に見舞われ、

「ひょっとしたら、中止かも」

と思っていたところ「やっていた」のにはビックリ。ちなみにそんな状態にもかかわらず私は市内のホテルから「無謀にも」歩いて競馬場へと向かい、2時間かけて到着したため、着いた時は汗びっしょりだったし、足は雪が入り込んでこれまたビショビショだったいう思い出が。

そして、そのときは時間が経てばたつほど雪はひどくなるばかりで、ついには3レースほど、「ナイター開催」となった。

ま、ばんえいの醍醐味というのは、雪の中でも競馬ができるってことなんだが、もう私はそんな時期に競馬なんか見たくないって。

でも、そうやっても競馬が「できる」というところにばんえい競馬の「すばらしさ」があるのもまた事実であり、私は結構、ばんえいは好きである。

しかし、ばんえいほど万シューを取りそこなったときの「悔しさ」ってないね。振り返ってみたら、

「取れたはずなのになぁ」

と思ったことばかりだったから。

ま、今はほとんど買う機会はないけど。何とか最悪の事態だけは免れてほしいもの。

コメント (2)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする