よろみ村くらし暦

奥能登の禅寺での山暮らし。野菜作りと藍染め,柿渋染め,墨染めのくらし暦。来山者への野菜中心のお料理が何よりのおもてなし。

たんぽぽファーム

2016-11-24 14:58:19 | グルメ

能登に来て30年が経つが、ご近所,能登の事をあまり知らない。
それが今年,バックパッカーの中川氏を知る事によって、思いもよらない人たちと知り合う事ができた。
その一人が穴水に来てたんぽぽファームをしている。
していると言う言い方は適切ではない。
ヤギや豚を、ほとんど資料を使わない飼育方法で育てている。
それを聞いただけでも凄いと思ったが、実際に訪れてみると、むしろそれがあまりに当たり前に思えて来た。

私が幼い頃ヤギ2頭を甲府の家で育て、そのお乳を飲んだ事を急に思い出した。
出された山羊乳は臭みもなく、濃くておいしく飲むことができた。
ここに来てからも山羊を飼い、その乳でチーズを作っていた。
そこでもそれらをチーズや燻製などにして販売している。

久し振りに会った山羊や豚の姿や顔は、ほほえましく、懐かしさを感じさせた。
生き物相手のお仕事をほとんどご主人一人でこなしている。
気負う事なく、自然に近い形で飼育しているせいか,動物たちの表情もどこかのんびりとして人との隔たりを感じさせない。

豚は300キロになり、もうしばらくで場に連れて行くのだと言う。
つくづく人のする事の何たるかを思い知らされた。
こうして私たちは生き延びて来た。
「ごめんね。ありがとう。」心の中で合掌した。



人里離れた小高い山の上の一軒屋のたんぽぽファーム。
凄いとか、偉いとか、そんな言葉も入らない人としての一つの生業。
淡々と、そして当たり前に、むしろ動物を慈しみながらしている彼の笑顔が印象的だった。













最新の画像もっと見る

コメントを投稿