寄居剣道連盟|七転び八起き

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剣道シーズン突入!!

2012年09月19日 | おしらせ
 9月も半ばを過ぎたというのに、まだ暑い日が続いております。
 今日は朝から雨模様で気温も低く、いよいよこれから涼しくなるかな?と期待を抱きましたが、日中はけっこう暑くなっていたようです。それでも夕方にはそれほどの暑さもなく、今晩の稽古は暑さは心配ないかなと思っていましたが、いざ稽古が始まってみると、バテるバテる!暑さはそれほどにもないのに!と不思議に思いましたが、湿気が影響しているのでしょうか。あるいは自分の体調管理がよくできていないせいもあるのでしょうか。つまるところ一番難しいのはそのへんかなと反省しました。「相手に勝つより自分に勝て」という言葉が思い出されます。
 今晩の稽古は、前半の子どもたちの稽古が10名、後半の一般の稽古は小中学生若干名を含めて約15名でした。
 気温はそれほど高くもなかったので、こんなにバテるはずはないのに、私は自分だけがバテているのかと、自分の体力に情けなくなりましたが、稽古も中盤ごろを過ぎると、ほとんどの人が面を外して汗を拭っている姿を見て、つらいのは私だけではなかったんだ!と、ちょっと安心しました。
 さて、秋といえば剣道シーズンまっただ中です。すでに9月に入ってから全国的には全日本女子選手権大会、県内では、全日本選手権の県予選大会、前の記事でも報告した全剣連派遣講師による指導者講習会、本会の行事では小学生の県大会の予選兼級位審査会など、毎週末に行事が開催されております。
 9月1日(土)に開催された全日本県予選の結果を見て「おっ!」と思いました。なんと東松山の橋本選手が準優勝で全日本出場権を獲得しています。埼玉から警察以外の選手が出場したのは、ここ何年かでは私の知る限り初めてのことです。かつては警察以外では教員で出場されていた先生がいらっしゃったようですが、橋本選手は実業団です。おそらく埼玉から実業団での出場は初めてではないでしょうか。全国大会では昨年は東永選手が準優勝、米屋選手も上位進出して盛り上がりましたが、今年はまたいつもとは違った風が吹き荒れそうです。楽しみに応援したいと思います。
 先のウィークエンドは3連休でしたが、やはり剣道行事が立て込んでいました。
 9月15日(土)は東京武道館にて関東女子学生剣道優勝大会が開催され、私は審判員としてお世話になりました。何年か前から関東学生剣道連盟の審判員に母校を通じて登録され、年に何度かお世話になっております。女子とはいえ大学生というと、レベルの高い、高度な審判技能を要する大会で、審判の要請があるたびにお断りしたくなるのが本音ですが、これも自分の修錬と思って恥をかく覚悟で意を決して臨んでおります。初めのころに比べると、いくぶん緊張も和らいできたものの、それでもやはり緊張します。自分が恥をかく分には自業自得でやむを得ないのですが、やはり判定や試合運営にミスがあっては、一生懸命やっている選手に申し訳ありません。気を引き締めて臨みました。
 会場に入ると、場内は熱気に満ちていました。試合会場では選手たちが稽古でひしめき合っています。2階の観客席もたくさんの学生でほとんど埋め尽くされていました。しかし、開会式前、マナーの悪さに一抹の不安を覚えました。「間もなく開会式をおこないますので、ご静粛に願います」のアナウンスが流れたのですが、場内の客席の私語は静まる気配がありません。一度言っても静まらないので再三放送が流されていましたが、何度言ってもまったく静まりませんでした。おしゃべりはやめなくとも、せめて声を小さくするなどの気遣いがあってもいいのではないかと思いましたが、そのような配慮もまったく感じられませんでした。場内で整列している選手たちは実に整然と静粛しておりました。ひどいのは観客席の応援の学生たちです。これからいよいよ開会を迎えようとしており、選手たちが緊張した面持ちで待機しているというのに、あまりにもひどいマナーの悪さに、これからの日本の行く末を案じてしまいました。ふと授業参観の保護者を思い出してしまいましたが、それは剣道とは違った世界です。廃れつつある日本の礼儀やマナーではありますが、せめて剣道家は、しっかりとその場そのときの状況をわきまえてほしいと願います。
 また、剣道では試合中の応援は拍手のみとされていますが、やはり緊迫した対戦では、いい技が出ると思わず歓声がわくものです。それはそれで試合が盛り上がり、いいことだとは思いますが、試合も上位に進んでいくと応援にも熱が入り歓声もだんだん大きくなってきます。場内アナウンスで、「試合進行の妨げになるため、応援は拍手のみで、声援はご遠慮ください」という放送がいくたびとなく流れました。しかし、何度言っても改善されないので、最後のほうは「声援は禁止します」と悲痛の叫びで訴えていましたが、歓声はまったく聞く耳を持ちません。確かにいい技が出ると、思わず声を発してしまいますし、場内の応援が一斉にその声を発するわけですから、それはそれだけでかなりの大歓声になってしまうのはやむを得ないかもしれません。また、そういった声援が試合をしている選手たちの支えになっていることもあるでしょう。しかし、再三にわたって「声援は禁止します」と言われたら、もう少し試合運営の側の気持ちをくんであげられないものかと考えさせられました。
 決勝戦は国士舘大学と関東学院大学の対戦となりました。国士舘は言わずと知れた常連の強豪ですが、関東学院大学の決勝進出は意外でした。過去の記録を見ても、決勝進出は初めての快挙のようです。
 果たして試合は、中堅までで1対0で国士舘がリード、副将戦でも国士舘がみごとなメンを決め一本を先制、いよいよ勝利を手中におさめたかのように見えました。この副将のメンは相メンでしたが、国士舘に2本、関東学院に1本と旗が分かれるきわどい判定でした。審判員は八段2名と七段1名、いずれも全国クラスの名の知れた先生方です。その先生方の判定が割れるくらいですから、それほど拮抗していたということでしょう。
 いずれにしても、これで勢いに乗るかと思われた国士舘ですが、その後、精彩を欠きました。関東学院の積極的な攻撃に国士舘が場外に出る場面がありましたが、このあたりはまだ余裕のようにも感じられました。しかし、それから間もなく間合の攻防から関東学院が放ったコテが好機を捉えます。これで一本一本の勝負、このまま引き分けても、まだ国士舘のリードで大将戦へ有利につなげますが、関東学院も必死で食い下がります。試合も終盤にさしかかっていたでしょうか、中途半端な間合の中で関東学院が相手の竹刀を払うと、国士舘はここで痛恨の竹刀落とし!前の場外と合わせ反則2回で関東学院に一本が与えられ、1対1のタイで大将戦を迎えることとなりました。
 大将戦では両者ともに積極的に打ち合うも決着がつかず代表戦へ。代表戦は同じ大将同士の対戦となり、最後は国士舘がメンを決めて伝統校の意地を見せましたが、先鋒戦から代表戦まで見応えのある素晴らしい試合でした。全国大会でも好試合が演じられますよう活躍をご祈念申し上げます。
 さて、関東女子学生大会の話が長くなってしまいましたが、その翌日の9月16日(日)は、小川地方武道大会と上里町青少年育成剣道大会が開催され、成心館ではふたてに分かれて出場しました。小川の大会は団体戦で、当初は学年制限がないという連絡をいただいていたので5・6年生でチームを組み、4年生以下の子は上里の大会の個人戦にエントリーしておりましたが、その後、小川の大会事務局から連絡があり、先鋒、次鋒は4年生以下にしてくれということになり、急きょ上里に出場する予定だった2人を小川に出場させることになりました。そのため上里に申し込んであった2人は欠場となり、小川の大会に申し込んであった5・6年生のうち2人はあぶれて試合経験の機会を逸しました。
 小川の大会には館長先生が引率し、上里の大会には私が赴きました。上里の大会では審判員としてお世話になりましたが、私は第2試合場の審判主任を仰せつかりました。
 開会式前、自分の受け持った試合場に行くと、まだ会場準備の都合で優勝カップやトロフィーが係員席に置かれていました。場内では小中学生が元気に準備運動の稽古をしています。私がその様子を眺めていると、小学1年生くらいの小さな女の子が「きれい」と言って優勝カップを指差していました。何だろう?と思って見てみると、優勝カップが鏡のように輝き、周囲の景色を映しています。誰に言ったのだろう?と周りを見回すと、どうやら私に言っているようなので、私も「きれいだね」と返し、「ほら見てごらん、自分が映っているよ」などと身をこごめてお調子をこいていると、今度はその女の子が神妙に「私初めて試合するんだけど、勝ちたいな」と不安そうにつぶやきました。私は再び誰に言っているのだろうと周囲を確認してしまいましたが、どうやら私に言っているようです。「がんばればきっと勝てるよ」と励ましましたが、こんな小さいうちから勝負に臨む緊張感を持っていることに感心しました。
 本会から出場した2年生の男の子2人は、残念ながら初戦敗退でしたが、この2人も初めての対外試合で緊張したことでしょう。初めての試合にしてはよくがんばっていました。経験を積んで、大きく成長していってくれることを願っています。

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2 コメント

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御疲れ様です。 (ビギナ-A)
2012-09-23 17:18:11
はじめてコメントさせていただきます。毎回楽しく読まさせて頂いております。
小学校の試合御疲れ様でした。小学校1年生でその心構え大したものですね。うちの愚息もそのくらいの気合いがあれば剣道も、もう少し上達すると思います。・・・・・あっ、私もかあ~。
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化ける (管理人)
2012-09-24 00:22:15
 コメントありがとうございます。
 その女の子は1年生なのか2年生なのはわかりません。小さかったので1年生かな?と私が勝手に思い込んでしまっただけのことです。いずれにしても、1年生にせよ2年生にせよ、なぜ私に声をかけてきたのだろうと、今でも不思議に思っています。「初めての試合なんだけど、勝ちたいな」と、そう言った言葉は、気合いというよりは不安のように感じました。人間はいつでも、不安と隣り合わせで生きています。
 私は子どもの頃から剣道を始めて数十年になりますが、試合では何度も負け、審査でも何度も落ちて、散々苦い経験をしてきました。今でこそ、こんな偉そうに審判主任など仰せつかるようになりましたが、順風満帆というわけではありません。だからこそ、試合に負けたり、審査に落ちた人の気持ちがわかる気がしています。
 子どもたちに剣道の指導をしているとき、指導者の間でよく「化ける」という言葉を使うことがあります。それまでうだつの上がらなかった子が、何かの機会をきっかけにガラッと変わってしまうことです。それが小学生であったり、中学生であったり、高校生であったりと、「化ける」タイミングはいつかはわかりません。中にはご高齢になってからその機を得る方もいらっしゃるかもしれませんし、場合によっては「化ける」機会を得られないまま剣道から離れてしまうこともあるかもしれません。
 私の場合は一つの転機は高校生のときだったと思います。小・中学生の頃は、それなりに一生懸命やってはいましたが、「化ける」までには及びませんでした。たまたま進んだ先で、よき師よき友に恵まれ、剣道に対する取り組みの姿勢が変わってきました。
 人生、どこで何が起こるかわかりません。私も小学生のころ、剣道を習い始めた頃には、こんな年になるまで剣道を続けているとは思いませんでした。しかも、この年になって、あの頃先生に教えられたことがようやくわかるようになってきたようにも感じています。
 ここまできて、ようやく入口にたどり着いたようにも感じております。
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