寄居剣道連盟|七転び八起き

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北條まつり剣道大会「潔く散る!」下剋上戦!

2010年04月11日 | 大会
 桜も満開を迎え、花々が色とりどりに咲き乱れる季節になりました。春爛漫の中、恒例の寄居北條まつり剣道大会と祭りの武者隊行事が盛大に挙行されました。
 4月10日(土)の剣道大会では、前回の記事の「事務局のたわごと」のとおり多忙に追われる中、それでもそれなりにつつがなく準備を進めてきたつもりでしたが、いざ当日となると、いろいろと不備があったようで、事務局の知らないところで、他のスタッフがいろいろと気遣ってくれて、どうにか無難に運営できました。また、急きょ係員をお願いした成心館の保護者の方々にも大変お世話になりました。
 試合は今年も出場者全員を北條軍と豊臣軍の二軍に分け、小学生から一般まで年代・性別を混成した2チームを編成し、高点試合(勝ち抜き戦)により勝敗を争います。勝ち抜けば年代や性別の異なる選手の対戦もあり、まさに戦国時代のお祭りにふさわしい試合方式と考えております。
 2年前、初めてこの試合方式を採用したときには、いろいろと問題点も想定され論議も交わしましたが、検討に検討を重ねながらも今年で3回目となり、どうにか定着してきました。小学生が中学生に勝ったり、女子が男子を敗ったりと、なかなか普通の大会では見られない見応えのある勝負が展開されます。下級生に負けた上級生や、女の子に負けた男の子には屈辱的かもしれませんが、それも勝負の世界です。潔く散るのもまた戦国の心意気でしょう。私も今年は屈辱を味わいましたが、勝負の結果はもとより潔く散れたかと反省しております。
 試合は序盤戦、小学生低学年(4年生以下)同士の対戦では両軍拮抗しておりましたが、小学生高学年(5・6年生)になると、豊臣軍の西川(成心館)が健闘し、中学生まで敗る大健闘で豊臣軍が大幅にリードを奪いました。その後、大きな巻き返しもなく、豊臣軍の一方的な展開で進行しましたが、中盤から後半にかけてどうにか差を縮めてきた北條軍が、豊臣軍に5人を残して大将の出番を迎えました。
 ここで北條軍の大将・宮下が持ちこたえます。中学生・高校生とはいえ、勝負となれば油断はなりません。果敢に攻めかかる中高生を落ち着いて対処していました。いや、落ち着いているように見えましたが、おそらく内面では必死の態勢だったでしょう。あとで当人から聞いた話ですが、「礼儀を尽くしました」とのこと。相手が中学生や高校生だと、ついあしらいがちになってしまいますが、そうではなく、相手に対する礼を失することなく試合に臨んだとのことです。なるほど、落ち着いていたように見えたのは、そういった心境があったからでしょう。逆に、かかる相手にはそれが脅威にうつることになるのでしょう。要は「覚悟」です。覚悟を決めた者に、恐れるものは何もありません。
 こうして中高生の挑戦を退け、豊臣軍もいよいよ一般の副将が引っぱり出されました。豊臣軍の副将は若手の佐藤。勢いがあります。それでも,いざ試合が始まると、ここまで落ち着いて勝ち続けてきた宮下に分があるかと思われましたが勝負は非情です。一瞬の隙をうかがわれ佐藤がメンを決め、豊臣軍は大将の出番を待たずに勝利を決めました。過去2年は大将同士の決戦で勝負が決まってきていただけに、このような展開は初めてでした。
 相手軍の大将が敗れた時点で、北條軍と豊臣軍の対抗戦の勝敗は決定しますが、勝利チームでまだ試合をしていない選手のために、さらに試合は続きます。大会のルールでは、相手軍の大将を降した選手が、今度は自軍の大将に向けてさらなる勝負を挑むこととなっており、これを本大会では戦国時代の祭りにちなんで「下剋上戦」と呼称しております。過去2年では常に大将戦で勝負が終結していたため下剋上戦にはならず、今回が初めての下剋上戦となりました。今回、豊臣軍の大将に任命されていた私でしたが、その下剋上戦で若手の挑戦に敗れ、辛酸をなめる結果となりました。誠に悔しい結果ではありましたが、改めていい経験をさせていただきました。前にも申し上げましたとおり、潔く散れたかどうかと考えると悔いの残る試合です。もっともっと、潔く散れるように稽古していこうと気持ちを新たにしました。
 大会の結果は、そのうち落ち着いたらご報告申し上げようと思いますが、取り急ぎ主な受賞者のみご報告申し上げます。
 優 勝 豊臣軍(一人残し)
 準優勝 北條軍
 優秀賞(敢闘賞)>出場区分(年代・性別)ごとに最も勝ち抜いた人数の多かった選手
   小学生低学年 富永祐基(成心館)
   小学生高学年 西川茉佑(成心館)
   中学生女子  内田季来(成心館)
   中学生男子  富永真佐夫(男衾中学校)
   高校生男子  三浦佑介(寄居城北高校)
   一般男子   佐藤健太(寄居剣連)
 優秀選手賞>勝ち人数にこだわらず試合の内容、態度等のよかった選手
   小学生高学年 内田憲太郎(成心館)
   中学生女子  内山佳美(男衾中学校)
     〃    峯岸梨奈(  〃  )
     〃    松本瑠璃華(寄居中学校)
     〃    山口綾樹(男衾中学校)
   中学生男子  梅澤祐誠(  〃  )
     〃    青木夏男(城南中学校)
     〃    宮下周大(寄居中学校)
 優秀選手の選考に関しましては、会長を主とする選考委員会にて決定いたしました。
 今大会の出場者数は、全体で約80名強、各軍40名を越える壮大な対戦でした。
 また、今大会は、ご来賓として北條まつり実行委員会の湯本会長様や、寄居町スポーツ少年団の笠原本部長様にもご臨席いただき、開会式にてご祝辞を賜りました。ご多忙の中わざわざご来場いただきありがとうございました。
 そして翌日、4月11日(日)には北條まつりの武者隊行事が催されました。寄居剣道連盟は例年どおり寄居十六騎隊に扮しての参陣で、今年も多数の中学生にご参加いただき、総勢37名という大きな部隊を編成することができました。
 毎年、多数の中学生が参加していただけるのはありがたいことですが、その反面で旧来から参加していただいてきた一般の方々が減少しているのはさみしい限りです。また、中学生も、毎年参加者が変わり定着していないのが難点です。今年も初めての参加の中学生が多く、鎧兜の着装から攻防戦での戦い方まで、ひとつひとつひととおり教えてやらなければなりませんでした。毎年20~30人の中学生が参加してくれているのですから、この中から一人でも二人でも、中学を卒業しても続けて参加してくれるレギュラーメンバーが育ってくれることを願っています。
 それにしても、初参加の中学生を指導しながら思いました。私も小学生のころからこの祭りに参加してきましたが、当時は鎧兜もなく、剣道着剣道具姿の小中学生が武者行列の主力でした。河原などでの攻防戦も剣道の子どもたちが紅白戦をしたり、城跡の岸壁に向かって勝ちどきをあげて叫んだりするなどして、とにかく剣道の子どもたちがこの祭りを支えてきたと言っても過言ではないと思います。やがて鎧兜がそろえられてきて、剣道具姿の子どもたちの出番はなくなり、変わって現在のような鎧兜を着用しての攻防戦方式へと変遷してきました。当時、私にご指導くださった先生方は一線を退き、今は私が若手に指導している。そんなことを思っていたら、何となくラストサムライのような気分になってきてしまいました。
 映画「ラストサムライ」で刀身に刻まれた銘「古今有神奉志士」という言葉が出てきますが、「我は古きと新しきに和をもたらせし者の刀なり」というような説明がされています。ちなみに、これを中国語読みすると「今も昔も、志を持つ士には神が宿る(保護する)」という意味になるのだそうです。そうなりたいものです。

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