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2018.3 桜満開の靖国神社で大村益次郎像を仰ぎ、桜標本木を見る

2018年04月10日 | よしなしごと

2018.3 靖国神社・桜標本木・千鳥ヶ淵・桜トンネル→上野の桜 ②靖国神社・大村益次郎・桜標本木

 靖国神社の大鳥居の手前、田安門の信号が赤になった。信号待ちしながらあたりを見渡すと、左に珍しい形の塔が見えた。
 あとで調べたら、明治4年1871年につくられた、靖国神社の前身東京招魂社の灯籠と紹介されていた。そのころ、高い建物がなかったので、九段からは東京湾、遠く房総半島も望むことができ、逆には東京湾を行き来する船からも九段が見えるので、高灯籠にし常燈明台として活用したそうだ。
 その後、靖国通りの拡張に伴って現在地に移された。高灯籠も新しい発見だが遠望して通り過ぎ、靖国神社大鳥居で一礼し、境内に入った。

 靖国神社を訪ねるのは初めてである。私は昭和20年1月に上野?の産院で生まれたそうだ。第2次世界大戦末期、東京は何度も空襲を受けたが、3月に大規模な空襲を受け、下町は焦土と化した。たぶん、このときの大空襲で産院は焼失したようだ。母は私が生まれてすぐに岐阜の父の実家に避難して、空襲には遭わずにすんだ。
 8月の終戦とともに父は無事に帰ってきたが、戦争で大勢が犠牲になった。戦地では「靖国での再会」を約束して戦い、戦死者は靖国神社に神霊として祀られたそうだ。父も母も悲惨な戦争、犠牲になった兵士を思うとつらいと言って、靖国神社に詣でることはなかった。以心伝心か、私も靖国神社を避けてきた。

 桜の時期になると、靖国神社の桜標本木が登場する。桜標本木を眺め、あわせ、いまの平和のために命を落とした英霊に手を合わせようと思いいたった。

 1867年に大政奉還、王政復古なるが、国を2分して戊辰戦争(1868~1869)が起き、結果、旧幕府体制は崩壊し、明治新政府が確立する。
 明治2年1869年、明治天皇の発意で勝った側=官軍の犠牲者を弔う東京招魂社が建立された・・勝った側の犠牲者を弔わなければ士気が落ちてしまうのは必定、一方、負けた側=賊軍の犠牲者はしばしばそのまま放置されたらしい、見せしめか?、戦いはいつも悲惨・・。
 1879年に靖国神社と改称され、その後の国運を左右する戦争で命を落とした英霊が神霊として祀られてきた。全国の護国神社も同じ趣旨で、戦争で命を落とした英霊が祀られている。

 靖国神社は3カ所に鳥居が立つ。大鳥居はコンクリート製の再建で、高さは25mもある。第2鳥居は青銅製で、神域手前に立つ。第3鳥居は中門鳥居と呼ばれ、桧造で、拝殿手前に立つ。

 大鳥居を過ぎた右に、桜の花びらを浮かべたユニークな造形の慰霊の泉がある。黙とう。その先、参道の中央に大村益次郎(1824-1869)の銅像が建つ。益次郎は高みから皇居を?遠望しているようだ。
 1977年の大河ドラマは「花神」である。それまで大河ドラマはめったに見なかったが、明治維新で活躍し、西洋式の陸軍を創設した兵学者大村益次郎の「花神」は毎週欠かさず見た。
 その後、原作の司馬遼太郎「花神」も読んだ(ホームページ日本の作家b189参照)。教科書の型どおりの日本史とは異なった視点で生き生きした、生々しい歴史を理解することができた。
 惜しいかな、益次郎は急進的な改革を恨んだ刺客に襲われ、敗血症で命を落とした。靖国神社の創建にも尽力したことから、ここに銅像が建てられたそうだ。

 参道の左右の桜から花びらが風に飛ぶなか、かなりの参拝者が行き交っている。右手は工事用の囲いが続く。仮囲いに桜吹雪でもあしらえばいい雰囲気になると思うが・・。
第2鳥居を抜け、神門で一礼し、神域に入る。右手に、東京管区気象台が桜開花を発表する標本木があり(写真)、人だかりができていた。テレビでは開花した桜が映されるが、ソメイヨシノ自体は意外と老木だった。
 靖国神社の桜は招魂社建立とともに植えられ、現在は500本ほどのソメイヨシノ、山桜が英霊と参拝者の目を楽しませている。

 第3鳥居=中門鳥居で一礼し、拝殿に向かい、英霊安らかなれと手を合わせる。ツアーやグループでの参拝者も多いが、外国人も多い。戦いで命を落とした日本人の英霊を祀った神社だから外国人の参拝は不思議な気もするが、心広く世界の安寧を祈っていると思えばいいかな。
 神門、中門鳥居、第2鳥居でそれぞれ一礼し、神社を辞して靖国通りに出た。続く

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