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2020.9 奈良俣ダムでダムカレーを食べ、ロックフィルダムの階段に挑戦

2020年11月23日 | 旅行

日本の旅・群馬の旅>  2020.9 谷川温泉・宝川温泉 3
奈良俣ダムでダムカレーを食べ、ロックフィル階段を下り上る

                              
 土合駅を出て国道291号線を下り、大穴交叉点で大きく左にカーブした県道63号線=奥利根ゆけむり街道に折れる。県道63号線は利根川に沿った山道で、走っているうち利根川は藤原湖に変わる。ダム湖のようだ。視界が開け、気分がいい。
 藤原ダムを過ぎ、利根川の支流になる宝川に沿った県道264号線に左折する。山あいの県道を上り、12:00少し過ぎ宝川温泉に着く。
 フロントで森林浴散策コースと食事処を聞いたところ、梅雨の長雨で熊が餌不足らしく、つい最近もが出たので森林浴散策コースの立ち入りは危険、旺泉閣の食事処はしばらく休業している、県道63号線にいくつか食事処がある、とのことだった。
 長雨、大雨は熊の餌にまで影響している。触らぬ神に祟り無し、散策、ハイキングは止めることにした。食事処の休業は新型コロナウイルス感染予防自粛要請のためらしい。熊にウイルス、観光業への打撃は大きそうだ。

 車で県道63号線まで戻り、利根川上流のならまた湖・・利根川の支流である楢股川を堰き止めた奈良俣ダム・・まで足を延ばして食事処を探す。途中見かけた食事処は休業していた。自粛要請のためかも知れない。
 ほどなく奈良俣ダムに着いた。奈良俣ダム資料館は新型コロナウイルス感染予防で閉館していたためか、人出はほとんど無い。すぐ脇には、ダム周辺での熊目撃、注意の警告ポスターが貼ってあった。よほど飢えているようだ。
 先の銀色屋根のならまたサービスセンターは営業している。のぞくと客はいない。スタッフが新型コロナウイルス感染予防自粛で材料が入らないから、うどん、そば、ダムカレーぐらいしか用意できないというので、名物ダムカレーを頼んだ(写真)。カレーが貯水池、ご飯がダムのイメージのようだ。
 日本のダムは、堤自体の重みで水圧等に対抗する重力式とアーチ構造で水圧等を両岸で支えるアーチ式が多い。アーチ式はコンクリートでつくられるが、重力式では堤をコンクリートでつくる場合と岩石や砂利でつくるロックフィル、その複合などがある。
 奈良俣ダムはロックフィルダムなので、ダムカレーのご飯は断面が三角形になっている。カレー側のご飯を少しずつ削るようにして食べ、途中でダムの放流のようにカレーを放流させ、食べ終えた。
 
 食後、ダムを歩く。奈良俣ダムは1991年に完成した多目的ダムで、貯水量は8124万㎥、ほとんどは東京、埼玉、千葉、群馬の水道用水で、千葉では農業用水、群馬では工業用水としても利用され、水力発電も行われいる。
 堤頂の長さは520m、高さは158m、幅は14mの巨大な構造物である。放流口あたりで下流側をのぞくと、落差158mのかなたに楢股川が山あいを縫うようにして延びている(写真)。山あいの先で、奥利根湖=矢木沢ダム、洞元湖=須田貝ダムを経て流れてくる利根川と合流し、下って藤原湖=藤原ダムに流れ込む。利根川水系にはダムが多い。

 奈良俣ダムの上流側も山、また山である。森林が豊かな水を育み、私たちの暮らしを支えてくれていることを実感する。ちょうど係員がダムの見回り?に来たので貯水量を聞いたところ、今年は梅雨の長雨でほぼ満水に近い、まったく心配はないとのことだった。
 長雨で洪水や土砂崩れ、熊出現などもあるが、一方で水不足を心配せず暮らせるのだから、功罪、哀楽、長短・・相半ばか、前向きにとらえよう。

 520mの堤頂の向こう端まで歩くと、堤頂高さ158mを下る階段がある(写真)・・保守点検用だろうか?、休憩スペースもあったから観光用も兼ねているようだ・・。
 718段あり、水平距離は1600mで、毎年この階段を走り上るイベントが開かれているそうだ・・今年は新型コロナウイルス感染予防のため開催は見送られた・・。
 走り上るのは無理だが、ロックフィルの巨大構造物を実感しようと、途中まで下ることにした。下るときは息は切れないので、もう少し、もう少しと半分ぐらい下りてしまった・・途中でひとり歩きの高年者とすれ違った、上るときに二人連れとすれ違った、外出自粛のためか空いている・・。

 見上げると一面の岩石が目を奪う(写真)。高さ158m、水平距離は階段と同じとして1600mのも岩石を積み並べたその労力がロックフィルダムに込められているようで、圧倒される。
 しばらくボーと岩石の斜面を眺めてから、堤頂を目指す。高さ158m=718段の半分としておよそ80m≒360段、マンションの26階分に相当する。上り始めてすぐに、午前中に上り下りした土合駅のモグラ階段の疲れが復活してきた。吹き上げる風に休み休みしながら、なんとか上りきる。
 天気がいいと風景が雄大に感じる。満水の奈良俣ダム、ならまた湖の彼方の山並み、楢股川の下流の先の山並みをもう一度ぐるりと見回し、車に戻る。 (2020.11)

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