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2019.1 ティータイム・コンサートで島田彩乃氏のピアノリサイタル「ライプツィヒを巡る音楽の旅」を聴く

2019年04月19日 | よしなしごと

 2019.1 島田彩乃 ピアノ・リサイタルを聴く         

  マンションから西の2区画目に区役所、図書館、ホールなどの複合施設さいたま市プラザ・ノースがある。ホールは1階、2階あわせ400席ほどなので、舞台を身近に感じることができる。催し物は多彩で、稼働率も高い。
 2019年1月に、第15回ノース・ティータイム・コンサートが開かれた。この企画の入場料は500円・・これ自体も格安・・で、1区画目のショッピングモールにある珈琲館の割引券をくれるので、お得である。平日の13:30開演にもかかわらず満席に近い。気軽にコンサートを楽しむ企画が成功している。
 今回は「島田彩乃 ピアノ・リサイタル」である。島田彩乃氏は桐朋女子校音楽科首席卒業、パリ国立高等音楽院、エコールノルマル音楽院修了、ライプツィヒ音楽大学で研鑽の経歴があり、国内外のコンクールで優勝・入賞し、長く欧州で活動していたそうだ。
 今日は島田氏が音楽を研鑽し、欧州での演奏活動の出発点ともなったライプツィヒにちなみ、「ライプツィヒを巡る音楽の旅」と題して6曲が演奏された。

バッハ インベンション 第1番ハ長調BWV772
 教科書で「音楽の父」として習うヨハン・セバスチャン・バッハ=J.S.バッハ(1685-1750)は、現ドイツ・アイゼナハの生まれである。
 2015年5月のドイツツアーでアイゼナハを訪ね、改修工事中の「バッハの家」を見た・・実際の生家は壊れてしまったから復元?・・。
 バッハ一族には音楽家が多く、父もアイゼナハの町楽師だそうだ。アイゼナハ周辺にはバッハ姓が多く、同姓同名もいたようだが、バッハといえば「音楽の父」バッハを思い浮かべる。
 バッハが音楽学習のために作曲した「インベンションとシンフォニア」という30曲の小品集があり、そのうちの一つ「インベンション 第1番ハ長調BWV772」が最初の演奏である。

メンデルスゾーン ロンド・カプリチオーソ ホ長調Op14
 フェリックス・メンデルスゾーン(1810-1856)は現ドイツ・ハンブルクの富裕な銀行家の家に生まれ、早くから神童といわれたほど音楽の才能に恵まれていたらしい。34才のとき、ライプツィヒ音楽院を設立し、院長となり、教授にシューマンを招へいしている。残念ながら、38才で急逝する。
 「ロンド・カプリチオーソ ホ長調Op14」は初恋の女性のために作曲され、メンデルスゾーンの作品のなかでは広く親しまれている一つだそうだ。

シューマン ピアノ作品集「子供の情景」Op15より「トロイメライ」
 ロベルト・シューマン(1810-1856)は、現ドイツ・ツヴィッカウで生まれた。父は本屋・出版業を営んでいた。音楽家の環境ではなかったが、7才のころベートーヴェンの交響曲に感動して作曲を始め、たいへんな評判になったそうだ。天分なのであろう。ベートーヴェンやシューベルトの後継者として位置づけられるほど、交響曲や合唱曲など幅広い作品を残した。
 ピアノ作品集「子供の情景」の第7曲となる「トロイメライ」は夢想、空想といった意味だそうだ。よく知っている曲である。

ブラームス バッハのシャコンヌ(左手のための)
 ヨハネス・ブラームス(1833-1897)は、現ドイツ・ハンブルク生まれで、コントラバス奏者の父から音楽を鍛えられたらしい。早くから才能を発揮し、ドイツを代表する作曲家、ピアニスト、指揮者になった。バッハ、ベートーヴェン、ブラームスがドイツ音楽3大Bと称されたことは授業で習った記憶がある。
 バッハの「シャコンヌ」のピアノ編曲番はマゾー二の「シャコンヌ」も有名だが、シューマンの妻クララが右手を痛めたので左手だけで演奏できるようにとブラームスが編曲したのが「左手のためのシャコンヌ」だそうだ。シューマン・クララとブラームスの親密さがうかがえる。
 島田氏も左手だけで演奏をこなした。

ブラームス 6つの小品Op118第2番間奏曲イ長調
 ブラームス晩年の作品で、穏やかな哀愁に満ちた旋律の名作だそうだ。

バッハ 平均律第1巻より第1番」ハ長調BWM846プレリュード
 バッハが鍵盤楽器のために作曲した平均律クラヴィーア曲集というのがあり、有名な指揮者ハンス・フォン・ビューローがピアニストの旧約聖書と称したほど、音楽史上重要な曲集の一つとされるそうだ。そのうちの一曲の演奏である。

 一曲ごとに島田氏が曲の解説やエピソード、島田氏の滞在中の思い出を語りながら、演奏してくれた。素人鑑賞者には馴染みの薄い曲もあったが、島田氏のピアノ演奏+話で気分転換になった。ピアノを習っている生徒、学生、かつてピアノを習ったが暮らしに追われてピアノから遠ざかっている方には刺激になったのではないだろうか。
 なんと、アンコールにも応えてくれて、フランス人のクロード・ドビッシー(1862-1918)作曲「亜麻色の髪の乙女」を演奏してくれた。ライプツィヒを巡る6曲とは雰囲気が異なる軽快な感じに聞こえた。ドイツとフランスの気質の差だろうか。素人には十分に楽しめた。大きな拍手で感謝を伝え、さわやかな気分で家に戻った。(2019.4)

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