yoosanよしなしごとを綴る

つれづれなるままにパソコンに向かいて旅日記・斜読・よしなしごとを綴る

東京で育った私は7月15日がお盆、亡くなった家族を思い出し、杯を傾けたい

2016年07月14日 | よしなしごと

 お盆は、陰暦の7月15日に祖先の霊を祀る伝統行事である。
 陰暦7月15日は陽暦の8月15日になるが、子どものころ、東京では、7月15日に家で仏壇にお供えをしたりして簡単に済ませ、8月の盆休みなどを利用してふるさとに帰り、墓参りを済ませたあと、皆が集まったところでお坊さんにお経を上げてもらい、そのあと、精進料理を頂きながら近況報告などをしたりして過ごした。
 といっても、子どもの私が父に連れられて父の実家に出かけたのは数回しかない。ほとんど父が1人で出かけていたし、受け入れ側の準備が大変だろうからといって、だんだん疎遠になった。

 父が亡くなったとき、私は旧大宮=現さいたまに家を構えていたから、急ぎ、市営霊園に墓地を申し込み、墓を建てた。以来、7月15日に母、弟妹が集まり、市営霊園に墓参りしてから、我が家で飲食、歓談した。8月は、カミさんの実家の盆行事にあわせて墓参りに出かけるのが恒例になった。

 母が亡くなってすぐに妹も旅立った。我が家のお盆は引き続き7月15日に行っている・・弟は京都に居を移したので、上京の折に墓参りにいっている・・。8月のお盆は、・・世代交代が進んだので・・カミさんだけが実家の墓参りにいくようになった。

 少しずつ伝統行事も形を変えているが、私は、7月13日の迎え火・・本来なら墓から提灯に火を灯して祖先を迎えるのだろうが、東京では迎えに馬形のキウリ、送りに牛形のナスで済ませていたから、そのまま形だけ・・で父・母・妹を迎え、15日の送り火にあわせ、マンションの玄関先で送る習わしにしている。
 昨日は孫の支援日だったので、今朝、墓を清めてきた。仏壇にも花を飾り、わずかながらお供えをした。
 気持ちの問題であるが、日々の暮らしに追われていると亡くなった人を思い出す機会が少なくなる。
 せめてお盆と彼岸と命日には、父・母・妹を思い出しながら杯を傾けている。

 箒木逢生著「ヒトラーの防具」の一節・・復興したベルリンを見てわしのことを少し思い出しておくれ。そうすればコウダの眼を通してわしも昔通りのベルリンを眺められる・・音楽会に行ったときもわしを思い出してくれ。わしはコウダの耳を通じて音楽が聴ける・・。
 妹は、なかなか休みが取れなくて、私の海外旅行をうらやましがっていた。味にもうるさかったから、海外に出かけたときは、妹を思い出すようにしている・・きっと、私の目を通して海外を眺め、私の舌を通して味を楽しんでいるはずだ・・。
 今晩は、純米吟醸の石鎚を用意する。「お兄ちゃん飲み過ぎよ」の声が聞けるかも。

コメント
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