ふぶきの部屋

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中国の壺

2016-01-07 07:00:00 | 昭和の少女漫画

 今回の作家は川原泉です。

デビュー当時から「花とゆめ」に掲載されていました。

彼女の作品の特徴は「とにかく知識が豊富」という事です。

知識数でいうと三原順が一番かなと思いますけど、川原さんは三原ファンじゃ

なかったっけ?

どことなく作風が似ている感じがします。

デビュー当時から大好きでコミックスは全部持ってますが

今後、随時ご紹介しますね。

で、今回の作品は

 

中国の壺」(平成元年)

表紙中央が趙飛竜で後ろの竜は神竜です。

玄宗皇帝の時代、中国の官僚だった趙飛竜は日本から留学してきた

安曇野羽鳥という青年に出会います。

からかったり教えたりしている内に、羽鳥はすっかり趙を尊敬するように。

しかし、ある日、待ち合わせをすっぽかしたら羽鳥は雨に打たれたまま趙を待ち続け

病気で死んでしまった。

激しく自己嫌悪に陥る趙の前に神竜が現れ、いっそ壺に入ってしまえと言われ

そのまま、代々安曇野の子孫を見守る事に。

そして現代。

子孫の志姫は父亡きあとずっと趙に見守られてきた。

母はお金持ちと結婚したものの、亭主関白の義父になかなかなじめず。

しかも海外出張から帰ってきた義兄は、夜な夜な女装して歩き回る性癖を持っていて・・・・

 

ばらばらだったステップファミリーが、次第に「家族」として絆を深めていくという

珠玉の一作です。

読み終わったあとに残るほのぼの感がいいよね。

 

このコミックスにはもう1作収録されていて

 

殿さまは空のお城に住んでいる」(平成2年)

殿さまの名前は鳴沢信之介。

姫君の名前は鈴姫。

この二人が結婚して鳴沢家25万石のお家騒動に巻き込まれていくのです。

そして多分・・・この二人の子孫が「笑う大天使」のオスカル様こと

斉木和音の母なのです。

コマ割りが細かいし、大名家のあれやこれやの説明がすごくて

年よりにはちょっと・・・レンズが必要だわ・・・と思うのですが

あらためて読み直すと面白いです。

 

そしてさらにもう一つは

ヴァンデミエールー葡萄月の反動」(平成6年)

この作品は「メイプル戦記3

収録されているものですが、時々無性に読み返したくなるんです。

主人公ー貴島覚(きじまさとる)27歳

      沢登蕗子(さわたりふきこ17歳)

さとる君は大企業のオーナーの息子でバリバリの仕事人間。

でも事故をきっかけに精神年齢が9歳になってしまった。

両親亡きあと一人で弟の面倒をみてきた蕗子は、夏休みのアルバイトで

さとる君の「遊び相手」を務めることになる。

見た目は27歳なのに、幼くて素直なさとる君。そして近所の子供達と

昭和の遊びにふける毎日・・・

妙に冷めて大人の高校生のお姉さんと、無邪気な27歳の織りなす

ひと夏の経験・・・みたいな話です。

ラストがハッピーエンドなので安心して読むことが出来ます。

とても可愛いお話なので超おすすめです。

ちなみに「葡萄月」というのはフランスの革命暦というもので

1793年から12年しか使われなかった呼び方の一つ。

「葡萄月」

「霧月」

「霜月」

「雪の月」

「雨月」

「風月」

「芽ばえ月」とかいうんですよ。この呼び方も好きで。

その国々のオリジナルな呼び方があるって素晴らしい事だなあと

当時、思いました。

まあ、日本も負けてないですけどね。

 

知識が豊富になり、ほっこりしたい方にぜひおすすめしたいです。

 

 

 


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7 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
細かいことが気になります (右京)
2016-01-07 08:58:52
「安曇野」ではなく「安曇」ですよ。漫画とはいえ又、間違いですか。
川原泉は私も好きですが、文庫の「美貌の果実」に収録されている「森には真理が落ちている」がおススメです。
もしよろしかったら読んでみて下さい。
待ってました! (ジュゴン)
2016-01-07 09:25:41
川原泉大好き!
私は川原教授とお呼びして、尊敬しています。

ジュゴンは存じ上げないのですが、三原順さんと言う方と川原泉がとても仲が良く川原自身そのかたを尊敬、崇拝していたのですが、若くしてお亡くなりなったそうです。
そのショックで暫く川原教授は描く事をやめてしまってました。

とにかく、彼女の描く女性は
妬みも、嫉みもなく、女の打算が感じられません、
そして、男女間の関係も実に爽やかです。
彼女の作品は全て好きです!

その中でも「殿様は空のお城に住んでいる」と
絶対忘れてはならないのは
「架空の森」です。

ネタバレは次回ふぶきさんにお願いいたしますm(__)m


彼女の昨年には哲学と
ほんとはこうゆう気持ちで生きていったら
平和なのにと反省させてくれる潔さがあります。
ジュゴン文章力なく
川原教授の魅力を上手くお伝えできなきなく、残念です。


ふぶきさん!
メイプル戦記 や
笑うミカエルのお母様とお父様のエピソードも紹介してください(笑)m(__)mU+1F431
大好きです (ぷりん)
2016-01-07 19:58:06
私も川原 泉先生は、大大大好きです。
笑うミカエル等何度読み返したかわかりません~
川原作品好きです (みかん)
2016-01-07 20:27:42
私も川原作品大好きです
ご紹介されてる作品はもちろん良いですよね
変なギャグも、凝った仕掛けがあるわけでもないけど、暖かい気持ちになる作品ばかりですよね
川原作品で得た知識もたくさんあります
伯爵の正式名称とか~

銀のロマンティック、わはは なんかも
おすすめです!
Unknown (茉莉花)
2016-01-07 23:30:17
わー、大好きな2作品。
どちらも哲学的というか、かんがえさせられるセリフありますよね。

カーラー君ので読んでないのは、ブレーメン2だけだと思うわ。
Unknown (しまき)
2016-01-08 09:27:02
川原泉氏の漫画は全部持っています。書店で見かけないものは、アマゾンで取り寄せしました。薀蓄がすばらしい!
2011年以降、作品をお見かけしなくなっているのがとても残念です。
卒業論文は「枕草子」でしたね。そして「源氏物語」についてはこんな感想があります。
「「マザコンでロリコンで不倫大好きの変態だよな、こいつ(注・光源氏のこと)」(by笑う大天使)」

大笑いしてしまいました。こういう感性が、並みの人ではないなと思うのです。
ちなみに彼女は指宿市在住だったと思います。こよなく地元を愛してますね。50代半ばになられましたが、ぜひこれからもよき作品を発信してほしいと心から願う漫画家の一人です。
カーラ君。 (鼎子堂)
2016-01-08 13:54:59

画力は、???ともかく・・・として、不思議な感性の作家さんですね。

テーマは、年齢差のカップルの物語がほどんど?かな。

フィギアスケートの「銀のロマンチック・・・わはは」や「メイプル戦記」などの意外な?スポ根もよかったですね。

数年前の「コメットさんにも華がある」、「レナード現象には理由がある」・・・以後、お見かけしなくなりましたのが、残念です。

もっともっと、読みたい作家さんです。

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