ふぶきの部屋

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僕の妻はエイリアン

2006-02-04 21:52:31 | つれづれ日記

 僕の妻はエイリアン (泉流星・新潮社)

 

とっても面白おかしく書いてあるし、明るいタッチでさらさらっと読めるし

この夫婦のちょっとヘンテコな日常は、経験したくなる事もある。

それでも、実際は非常に大変でハラハラドキドキの毎日を送っていると

いう事が非常によくわかり、色々な意味で考えさせられてしまうの

 

発達障害」という言葉は最近になって随分取りざたされて来ている。

「自閉症」

「アスペルガー症候群」

「多動性発達障害」

等など。

40人学級の中で6人くらいがこの「発達障害」を持っているとも言われてる。

だから今時の親として決してこの問題は他人事じゃないのだ

 

この本の著者は、自分が自閉的な素質を持っていることを知らずに育ち

非常に高い知性を持ちながらも、社会に適応出来ないことを悩んでいた。

どうして他人の言葉を文字通りにしか受け取れないのか」

「視力が極端に弱いのに、音は全ての方向から同時に入って来る」

「普通の会社に入社してもトラブルばかり起こすのはなぜか」と。

結果的に30も半ば過ぎて診断されたのが「高機能自閉症」というもの。

これは見た目や能力はほとんど普通の人と変わらず

非常に高い知性を持ち、特に言語能力に秀でているのに、

コミュニケーション能力や数字に対する能力が著しく欠如していたり

光や音に過敏に反応してしまったり・・・と、

傍目にはわかりにくい「障害」なのだ。

 

彼女自身の努力により、現在は夫や精神化の医師やサポートしてくれる

人達の助けを得ながら、こんな風に文章を書いたりしているわけだ。

彼女の超人的な情報収集能力やすばらしいお料理の才能などは

羨ましいなと思うけど、自分がそうだったらさぞや「生き辛さ」を感じる

だろうなあと思う。

それでも「地球人」の夫と「異性人」の妻は、互いに互いを理解しようと

して、毎日切磋琢磨しながら夫婦生活をしている。

普通の夫婦ならないような心のコミュニケーションがそこにはあるのだ。

「障害」を「障害」として受け止めるのではなく、

「人と変わってる部分」として受け止め、どうやったらずれた方向性を

直していけるか研究していく。

神様が彼女に与えた「仕事」というのは、まさに「人間研究」なんだね。

 

こんな風に、例えば障害者手帳を持たない障害を持つ人って

今の世の中たくさんいるけど、画一化されている社会の中では

かなりはじき出されてしまうのは確か

私の「微熱」だって、「入院するほどのものでもないし、

家事や育児も頑張ろうと思えば頑張れるけど、長続きせず、

月に数日は寝込んでしまって何も出来ない」

もので「援助」の対象にはならないように。

だけど、社会の中で生きていかなくてはならないのも確かで。

何とか「折り合い」をつけるための、ささやかな「助け合い」が

出来ればいいのにな・・・・・と、思う

 

彼女の「エイリアン」ぶりは、「個性」として考えれば社会の中での

需要は大いにある筈なのだし・・

 

この「あいまい」な「辛さ」を何とかして欲しいよな・・・と

つくづく感じてしまった

また「他人と違うこと」がもっともっと認知されて容認されていけば

このような発達障害を持つ人達だって様々な職業につき、社会に

貢献していけるはずなのだ。

 

とにかく、そういう小難しいことは抜きにして、物語としては

本当に面白いしリアリティに富んでいるのでぜひぜひ読んで見てください。

 

コメント (2)
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