米山公啓のブログ

作家で医師の米山公啓の公式ブログ

テレビに出るということ

2008年12月27日 15時46分25秒 | Weblog


 今日は早めにアップして ちょっと長いです。画像もなしです。

 で、今日はブログへのご意見を書き込み可(一度チェックを
 入れますが。ジャンクメールも来るので)に
 設定します。さすがにすべて掲載できないですが
 できるだけ掲載するようにします。

 今年は、結構、いろいろテレビ出演が多かった。
 「おもいっきりイイテレビ」2回 日本テレビ
 「BS 叙情歌大全集」NHKBS2
 「噂のクエスチョン」テレビ朝日
 など、他もあったような気がするが、忘れてしまった。

 先日の「噂のクエスチョン」テレビ朝日の第2回目の
 収録でも思ったのだが、
 
 やはりテレビというメディアは私は好きになれない。
 自分の思いとは違うし、台本でかなりトークは規定され、
 医者がいくらたくさん出ても、結局、お笑い芸人の
 引き立て役に過ぎないのだ。

 ただテレビに出演することで、知名度は上がり
 世間では、テレビに出ることがある種の評価となっている
 ことも事実だ。

 本を売っていくには、どんな広告より、
 やはりテレビに取り上げられることが一番有効な
 宣伝になることは間違いない。

 なぜもっとテレビで意見を言わないのか
 とよく質問される。

 言わないのではない。言っても収録であれば
 カットされてしまう。
 とくにスポンサーの関係で、その商品に関係する
 ようなことはまず言えない。

 これはすべてのメディア共通の問題でもある。

 
 見る側は、テレビで放送される部分でしか
 情報が与えられないので、
 実は非常に限られたものでしかない。

 しかし、どれほど限られているのか
 まったく知ることもできない。

 先日、ある読者から「テレビで医療崩壊のことが
 報道されていましたが、どう思いますか」とメールが来た。

 私が10年以上前に、「大学病院倒産」という本を書いて
 その後も、医療に対する問題点など指摘して、書いているが、
 一般の読者にしてみれば、私の書いた医療の本など
 まず手にできない(売っていない)ので、
 そんな質問をしたくなるのだろう。

 大学病院を辞めた10年前は、医局、主任教授など
 大学病院の権力が私の仮想敵だったように思う。
 
 しかし、次第に医療全体の問題を考えるようになった。

 医者は専門性を高くしていくと、医療全体が
 見えなくなってしまう。
 先日のテレビ朝日の収録でもそんな気がしていた。
 
 専門性が高くなると、自分の専門分野の正当性を
 主張するので、医療全体からはずれていってしまう。
 これは仕方のないことでもある。

 たとえば、糖尿病の専門医は、糖尿病患者は増えているといい、
 精神科の医者はうつ病は増えているという
 しかし、病気の本当の発症率を正確に捉えることが難しい。
 毎年全国で調査をしているわけでもないので、
 専門家の主張(感覚的なものだとしても)が正論としてまかり通ってしまう。 

 またいまや実証されたものを重視する、つまり統計学的に
 有効だと証明されたことを、医療の中心としていくのが
 普通のことになった。

 しかし、こういった主張をすると、
 何もしないより、1000人中1人でも有効ならやったほうがいい
 という反論が出る。これは感情論であり、科学ではない。
 もちろん医学は科学ではない部分もあるので、
 そういった思いやりといえる医療も必要だとは思う。

 一般的に売られている安いマスクが有効かどうか、
 きちんとしたデータはない。
 それでもやらないよりいいという感覚的な意見は
 どことなく正しいように思えてしまう。
 
 いままでなんとなく続けてきたやり方を、見直し
 無駄を省き、有効なことを優先してやっていくのが
 正しい医療の姿ではないのだろうか。

 それがどうも統計的な有効性だけを重視すると、
 医療はどんな絶対的なものでない
 気休めも重要だというような議論になって、
 昔からやってきた、私はそう信じているという
 主張になってしまう。

 しかし、医療は時代とともに形態を変化させていくべきである。
 風邪で医者にかかるという無駄をやめさせる時にきている。
 (風邪薬は風邪に効かないという話は「格差医療の時代」を)
 
 患者と医者、お互いの風邪に対する医療の無駄な時間を
 他に振り分けるべきではないだろうか。

 テレビでは、そういった内容を討議するチャンスがない。
 
 医療の中で、新しい価値観を作り出すのは
 医者にとっても楽しいことではない。
 自分の信じていた部分が壊れていくことになるからだ。

 それでも効率よく いざというときに役立つ医療を
 望むなら、それしか選択はないように思う。
 
 医者を増やすと言っても、一人前の医者が
 出てくるには、いまから15年くらい先に
 なってしまう。

 科学的な部分と、あいまいな医療の部分の
 共存こそ、今の医療の姿なのだろう。
 
 ただ、そういったことを議論し、
 啓蒙できるもう少しまともな医療番組が
 できないのが残念でならない。
  
 もちろん、私の本の中では
 さらに主張は続けていくが。

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14 コメント

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投稿テスト (米山公啓)
2008-12-27 16:31:45
コメント投稿テスト
ぜひ今後はコメント書き込み可にしてください! (にゃおん)
2008-12-27 20:32:43
いつも楽しみに見せていただいています。先生の書かれた内容は非常に興味深いです。皆、知りたくても知ることのない誤った医療の常識など、テレビでもっとお話して頂きたいです。医師の中では異端になってしまうのかもしれませんが、こんな時代ですからとても意義のあるご意見だと思います。先生はお話もうまくて分かりやすいし、ぜひテレビに色々出て下さい。
応援しています(*^^*)!
自己満足受診 (かっちゃん)
2008-12-27 22:12:16
医者にかかれば最適な治療をしてもらえる。
必要な薬を処方してもらえる。
その薬で自分の具合悪いの(風邪など)が治る。
そんな自己満足のために医者にかかり、そういったお客さんをたくさんさばくことで売り上げが増えるから、医療機関でもウエルカム。(通常診療時間内なら)

自分より元気な人が受診してるのを見ると、この国は何か間違ってると思う。
本当に定期的な受診が必要な人は、行かなくていいときには医者にかからない。
これといって定期通院が必要ない人は、医者にかかることを娯楽のように感じるのか。
薬を出されただけで治った気になってるのか。
数年来の読者です (まめ太)
2008-12-27 22:45:50

数年前から看護師として、一読者として米山先生の様々な発言に関心を持ってきました。
今回のブログは、いつもにもまして先生の本音を垣間みれるもののように感じます。

風邪を診る医師、ほんとうに必要か。
今の医療費増大の時代、いまだに日本ではプライマリーケアを診るナースプラクティショナー制度すらありません。
大分県立看護科学大学でその養成を開始しましたが、厚生労働省、医師会の反対にあい実現にはかなりの苦難がありそうです。(NP導入が特効薬になるとはいいきれませんが)

今回のブログは、そういった旧態依然とした日本の医療の体質が、将来の医療崩壊を食い止めるチャンスを逃すと危惧していると感じます。

国民皆保険制度は、すばらしいものですが、あと15年はもたないでしょう。

制度改革は難しいですが、もっと新しいこと(→高度先端医療以外)が進んでいくといいですね。

Unknown (mikopita)
2008-12-27 23:08:31
さっそく、来ました。
以前のコメンターの皆さん! 集合!
新人らしさを出すため、
今回はmy name アルファベット小文字名に
しました。

つまらないコメントしかできない私ですが、
でも、米山先生の、相方向性授業って、
楽しんですよね。

このごろ、先生はすっかり有名人ですが....
Unknown (Unknown)
2008-12-28 00:28:30
風邪予防にマスク
風邪に感冒薬や抗生物質。
薬を出してくれない医師は不親切。。。
そんな風に思っている人が多いと思う。

病気かも…と思わせる情報番組はあっても
その間違いを正してくれる情報はほぼない。

情報(正確でないものも含め)が
氾濫しすぎているからなのかな?
テレビで発言できるということ (けんち)
2008-12-28 00:50:53
米山先生の著作を読むきっかけになったひとつに
視点や切り口が他の医師と違い、言うなれば少し先を俯瞰的に全体の流れとして捉えているところだと思います。
いまの医療の問題やメディアのあり方について
一般の人はおかしいと思っても発言する場がほとんどありません。
でも、先生はテレビやラジオで発言することも可能な立場にいらしゃるのですから、番組の方向性などで
カットされたり編集があるとは思いますが
今後もご自身の著作だけでなくテレビなどメディアのお仕事を通して医療やメディアへの問題定義をしていって頂きたいなと思います。
以前、先生がおっしゃっていた、
『言い続ければ夢はかなう』の言葉のように発言し
続ければ、きっと誰かが気づいて変化の波が起きる
と思います。
米山先生がんばって!ずっと応援していきますから。
医療に限らず (みいこ)
2008-12-28 01:06:10
討論番組は、政治でも経済でも犯罪でも、どんな番組においても、不発な気分に終わる番組ばかりに思います

こんな現状のTVに出演されるのであれば、その辺は割り切るしかなく、最後に先生がおっしゃっているように、主張は著作やブログなどでされるしかないのでは


いい加減、質のない芸人ばかりの番組にも、うんざりしています
米山先生のファン (医師)
2008-12-28 04:46:01
先生のファンの医師です。先日のテレビ朝日の素朴な質問にはいっしょに出演させていただきました。最近は先生の本を10冊ほど読みました。先生の独特の語り方が好きです。今回も出演や企画と大変お疲れさまでした。私は2回目は遠方で出ていないのですが、先生のお姿を1月に拝見させていただくのが楽しみです。先生は容姿がよくテレビ映えしますから発言していなくても十分存在感がありますよ!新刊を楽しみにしております。
ご無沙汰しています (湘南ママ)
2008-12-28 14:13:42
今回は、久しぶりにコメントできるとあって、ワクワクしています。横浜でのお話、実戦でも役に立ちそうなものばかりでした。さっそくNHKの叙情歌特集を録画して親に見せたりしました。
 先生が、なかなか言えなかった医師の立場からの発言が、ようやく日の目を見るようになり「ヤッター!」という気持ちで一杯です。これからも患者さんの立場・医師の立場から日本の医療を変えていってください。応援してますよ

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