殺人犯はそこにいる

清水潔　　新潮文庫

日々危うさの増す我が記憶力を叱咤激励すべし！
…という目的で始めたヨンデの本棚記録ではあるものの、
昨年中の読了本をまだ何冊もＵＰしきれておらぬ有様。

しかし、この一冊については、今こそ、
本日、今だからこそ、ＵＰしないでどうする！

巷で評判となっている「文庫Ｘ」が、実は「殺人犯はそこにいる／隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件」であったと知った時、「文庫Ｘ」というセンセーショナルな手法をもってしてでもこの本を売らん！と決心した書店員の慟哭が、焦りが、痛いほどよくわかったものです。

幼い子を、又は孫なり姪なりを持つ人に、何としてでも読んで欲しい。



なまじなミステリーなんぞ、一気に色あせてしまうほどの、
読んでるそばから周囲の酸素が薄く感じられてくるほどの、衝撃…

どうやってこの事実と向き合っていけるのか？と、
自問自答を繰り返すうちに、読後半年以上が経過してしまったという一冊。

「本日、今だからこそ」というのは、我孫子市の件であり、
北関東連続幼女誘拐殺人事件とは全面ラップするわけではないけれど、
それでも「本日、今」、
手に取る意味のある、
ジャーナリスト魂ここに在り！と雄叫びが聴こえるほどの一冊です。