優しさの連鎖

いじめの連鎖、って嫌な言葉ですよね。
だから私は、優しさの連鎖。

創作童話…か?

2018-05-04 09:44:35 | 日記
いつ書いたのか忘れてしまったが、汚い字で「実存主義と実存療法」とか「自力と他力の意味」とか、おそらく何か調べていた時にメモした物と思われるノートが出てきたので目を通していたら、1ページ分の創作童話?もあった。
読んでみたら確かに書いた覚えがある。

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幼稚園に通う孫が発表会で「大きくなったら何になりたいか」を発表することになっていて悩んでいる。
「ねぇ、ねぇ、おばあちゃんは大きくなったら何になりたいの?」
真面目な顔をしてそう尋ねる孫におばあちゃんはおかしくなって笑ってしまうが、ふと自分が孫と同じくらいの時になりたかったものがあったことを思い出す。

おばあちゃんのお母さんは、おばあちゃんが生まれて間もなく病気で亡くなってしまったのだった。6つ上の姉とその下に兄がいて、赤ちゃんを抱っこして笑っている女の人の写真を見せてお母さんだと教えてくれた。おばあちゃんがちょうど今の孫と同じ年の頃、姉や兄にお母さんはどこに居るのかと何度も聞いた。姉や兄は決まって夜空の明るい星を指して、あのお星さまに居るのだとそう答えてくれた。おばあちゃんは、あんなに小さいお星さまにお母さんがいるのかと、どうやったらあそこへ行けるのかと姉や兄に尋ねたが、それに対して姉は答えてくれなかったが兄は、ロケットに乗って何万年もかけなきゃ行けないんだと言った。
おばあちゃんはお母さんに会いたくてたまらなかったのでロケットに乗ることが出来れば会えるのだとわくわくした。
その時おばあちゃんは宇宙飛行士になりたいと思った。
宇宙飛行士になってお母さんのいる星までロケットに乗って行こうと思った。

それから月日が流れおばあちゃんは学校の先生になった。専門は生物の方だったが時には生徒に銀河系の話や恒星の誕生の話をすることもあった。そして長きにわたる教師生活を終え、今は近所に住む息子夫婦が帰宅するまで孫を預かっている。
おばあちゃんは孫に言った。
「そうねぇ、おばあちゃんは大きくなったら宇宙飛行士になりたいなぁ」
孫は目を丸くしておばあちゃんを見つめた。
「おばあちゃん、宇宙飛行士になるためにはとーっても難しい訓練するんだよ。でも、宇宙飛行士になったら絶対にお星さま捕まえてきてね。ほんとにキラキラしてるか見てみたいの」
おばあちゃんはなんだかとっても楽しくなって
「うん、わかった。やってみるね」
と答えて孫の手にそっと触れた。

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