優しさの連鎖

いじめの連鎖、って嫌な言葉ですよね。
だから私は、優しさの連鎖。

蜜蜂と…、どうしても蜂蜜って読んじゃう私

2019-12-11 21:01:25 | 日記
友人が恩田陸さんの「蜜蜂と遠雷」を「面白いから読んでみて。きっと気に入ると思うよ」と貸してくれた。
映画も上映されていたのでピアノコンクールの話だということは知っていたのだが、本を読むこと自体があまり気が進まず生返事をして受け取った。ドライアイなのですぐ目が疲れるし、数ページ読むと眠気が襲ってくるから読書する自信が無いのだ。でもせっかく貸してくれた友人に悪いと思って一日に数ページの割合で読み進めてやっとのことで読み終えた。読んでは寝てを繰り返しという読み方なのに、文章が解りやすいせいか内容がちゃんと頭に残っていて、前に戻ったりせずにずんずん読めたと思う。

貸してくれた友人は子供の頃ピアノを習っていたのだが、練習が嫌でお稽古をさぼって外遊びをしていたとのこと。私もピアノを習っていたので「あ~わかる。あの単調な練習曲、ちっとも面白くなかったからね」と意気投合。彼女は数年でピアノを辞めたそうだが、私は途中、中断したが高校卒業までは習いに行っていた。私も練習は好きじゃなかったし、ピアノ教室に行く目的は実は他にあって、待ち時間に先生の家にある漫画が読めるからだった。

でも「蜜蜂と遠雷」を読んで驚いたことがある。主人公が小さいころ弾いた曲として「茶色の小瓶」と「貴婦人の乗馬」が出てくるのだが、それを目にした途端一瞬で私はその曲を思い出し、それを弾いた子供の頃の自分がよみがえった。半世紀も忘れ去っていたはずなのにそのメロディも、楽譜の挿絵までも思い出した。そのことに驚いたのだ。

高校生くらいになると発表会で披露する曲の一つにショパンの「幻想即興曲」があり、私もあこがれていたが、とうとう私はその曲を弾くことが出来ずに終わった。だってあれ、右手と左手のテンポが違うでしょ。右手の16分音符8個に左手の6連符。4打に3個ってどういうこと?そういえば学校の勉強、割り算も苦手だったな。
というわけで大して上手くなかった私だけど、学校に勤めていたときは音楽の先生でもないのに学習発表会や入学式、卒業式のピアノ伴奏に駆り出され、こんな私でも人の役に立つんだなとうれしかったことも思い出した。

「蜜蜂と遠雷」の中ではコンテスタントの弾くいろんな曲が紹介されているが、聴きながら読むのもいいなと思った。あぁそれに、宮沢賢治の「春と修羅」も登場しているではないか。この本を貸してくれた友人は私が宮沢賢治が好きだということを知っているので、この本をチョイスしてくれたんだなと気が付いた。