優しさの連鎖

いじめの連鎖、って嫌な言葉ですよね。
だから私は、優しさの連鎖。

幻想第四次の世界

2017-10-02 17:35:04 | 日記
宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」だが、先月行われた賢治学会で漫画家の木野陽さんが【「銀河鉄道の夜」における列車と天の川の位置関係についての考察と「そらの野原」の空間的具体像の提案」】という発表をされたそうだ。
銀河鉄道は天球儀で現された架空の大地の上を走っているという考察だ。
なるほど…、今までなんとなく、地上から夜空を見上げたイメージでとらえていたが、そもそも鉄道であるからにはレールがあるはずだ。地球の表面である大地を走るのが鉄道列車であるならば、銀河鉄道は天球儀の球の表面に敷かれたレールを走るのではないかというものだ。天球の上を走る銀河鉄道をさらにその上から俯瞰するのだ。

賢治童話の中でも特に「銀河鉄道の夜」は様々な分野の人たちがそれぞれこだわりを持って再現したくなる作品ではないだろうか。

今日はプラネタリウムで上映されている「銀河鉄道の夜」を観に行ってきた。
「銀河鉄道の夜」は2006年に公開されたプラネタリウム番組で、作者のカガヤユタカさんは天文普及とアーティストとしての功績が称えられ、小惑星にその名Kagayayutakaが付けられているそうだ。
映像はため息が出るほど美しかった。それに、賢治のイメージそのものだ。まるで本当に銀河を旅しているかのようで、星空の中で眩暈(宇宙酔い?)したくらいだ。
木野陽さんの漫画も読んだけど、賢治が書いた文字からどうやってこのような絵に描き起こせるのか、ただ感心するばかりだ。

一昔前までの銀河鉄道関連の映像や絵を見たときは、なんか違う、これは賢治さんじゃない、と納得いかないものが多かったけれど、今このように視覚的にまた聴覚的に宮沢賢治の幻想第四次を表現してくれる人たちがいるのは賢治ファンとしてうれしい限りだ。
賢治さんの時代には無かった物で作品が再現されているのは不思議でもあるが、新し物好きだった賢治さんならきっと喜んでいるのではないかと思う。