1961年から66年に月刊誌『少年』(光文社)に連載された白土三平さんの「サスケ」の最初の単行本は、青林堂から全20巻が62年から65年にかけて出版されている。
これは第一部までで第二部は刊行されなかった。
手元にはその20冊があるが、中学生のころに近所の貸本屋から買ったものである。
一冊20円ほどだったと記憶しているが、本郷仙人は一冊80円ではなかったかと言う。
そうすると1600円である。
そんな大金を貧乏な家庭の中学生が持っていたとは思えない。
20冊そろってはいるが、貸本あがりで傷みは多い。
16巻17巻は背表紙もとれて、今にもバラバラになりそうである。
60数年持ちこたえて手元によく残っていたものである。
少年忍者サスケの活躍を描くマンガだが、
ときには大きな失敗もして父親の大猿にきびしく叱責されたりもする。
第二部は子どもから少年へと成長したサスケが
赤ん坊の弟を背負って苦難の道を歩くことになる。
この第二部は読むのが辛い。
青林堂版の20冊は子ども時代の無邪気なサスケの活躍が楽しめる。
貸本あがりと書いたが、貸本屋向けに特化して作られたわけではない。
一般書店でも売られていた。
「サスケ」第二部。1967年発行の集英社の新書版第13巻より。