キキ便り

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まずCollaborative Institutional Training Initiative (CITI)からスタート

2013-06-18 14:48:35 | 研究者生活

2つの大学で並行しながら研究プロジェクトを行うことになった。

その一つのテキサス州立医大では、スポンサーがこの夏ぜひパイロットスタディーをやろうと勧めてくれたので、まず大学のIRB(Institutional Review Boardという治験や臨床研究の審査を行う委員会への申請から始めることに。

私が去年書いた研究プロジェクト申請書を土台に行うので、プロジェクトの内容はよく把握しているが、諸手続きはかなり時間がかかる様子。

たとえば、IRB申請準備として、Collaborative Institutional Training Initiative (CITI)のトレーニングを受けることから開始。これは、WHOの正式生命倫理教育機関らしく、ウェブ上で受講できることになっている。倫理学習の機会を臨床研究者に提供することを目的として、2000年に米国の10大学病院等からの篤志家により結成されたのが始まりらしい。

私が受けたのは2つのトレーニング。利益の相反(Confidences of Interests)トレーニングと社会と行動分野の研究(Social and Behavioral Researchers and Key Personnel)トレーニング 。後者の方は、13も単元があって、その単元ごとの小テストを受けないと前に進めないしくみ。一つの単元にかなりのリーディングの量があったのでやたらに時間がかかってしまう。ついこの前、スピード違反でチケットをきられてしまったが、そのためにオンラインで受けた約8時間Defensive Driving Courseに匹敵するくらいの労力を使う。 しかし、論文やデーター改ざん、インターネットを使って行う研究の倫理、データーの保存、インフォームドコンセントの方法など、幅広く例を交えながら学ぶことができ、面白かった。たとえば、胎児を対象とした研究には父親と母親の双方あるいは母親のコンセントが必要なのかとか、コンサルティングで外部からお金をもらっている場合、一年間に合計いくら以上だと問題になるのかとか、大学以外での仕事は20%以上を超えたら利益の相反になるとか、なかなかルールは細かい。日本の大学で仕事をしていた時は、そういうことは全く規定されていなかったので、日本に同じような倫理を持ち込もうとするとかなり混乱が起こるのではないだろうか。

80%以上小テストの平均がないと合格しないということで緊張してしまったが、どうにか90%以上を取得し、無事終了。

次のステップは、IRB(Institutional Review Board)と学部内での臨床研究の許可申請。以前別の大学でIRBを申請した時には、比較的に簡単に進んだが、この大学はどうなのだろう。

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