キキ便り

アメリカ便り、教員・研究者生活、シンプルライフ、自閉症児子育てなど

評価社会アメリカ

2008-02-13 11:07:31 | アメリカの大学で教える

People pleaserに続いて、もう1つのおまけは、Thick skinという言葉の紹介です。

批判に耐える力とでも訳すんでしょうか?回りの批判や評価に惑わされずに、やっていく精神力みたいなものです。

評価社会のアメリカでは、何をするにしても、すぐ目に見える点数や記述式で評価されます。たとえば、カスタマーサービスに電話した後すぐに、応対した人はどうだったか?という質問がオンラインで送ってくることがあるのです。ウォルマートのレジで、カードを使ってお金を払っている時にも、応対している店員はフレンドリーかどうか、Yes、Noで答えるメッセージが目に入ります。病院、福祉事業、ホテル、レストラン、さまざまなサービス業で徹底的な評価システムを取っています。

大学教員にとっては、それぞれの学期の中間や終わりに、学生へ評価表を渡し(オンラインの場合もある)、その結果は本人だけでなく、学科長などのところにも回されるのです。

私のアドバイザーみたいに、ベテランで大学教員を30年以上を続けている人にとっても、評価表を見るのは嫌なみたいです。そして、Thick skinじゃないと、やっていけないわよ、との諭しです。

行き過ぎると、良い評価を得るために、しぶしぶ努力する人もいるんじゃないでしょうか?学生のご機嫌とりもあるかもしれないですよね。評価が行き過ぎてしまうと、本末転倒にもなりかねません。適度な刺激や動機づけにつながるような、評価のあり方を検討して欲しいです。

 

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People pleaser (補足)

2008-02-13 01:43:09 | アメリカ便り

私のブログを見た母より、 pleaserの意味についての質問がありました。

Pleaserは、喜ばせる人、じゃないかと思うんですが。手元にいい辞書がないので、勘で書きますね。

クリスチャンの私はよく、人を喜ばせることにエネルギーを集中させるんじゃなくて、神を喜ばせるべき、という内容の話を聞きます。クリスチャンじゃない人だったら、自分の大切にしている人生の哲学みたいなものを、神に入れ替えて考えると分かりやすいかもしれないです。

People pleaserは、人の意見や評価にふりまわされて、人生の本質や自分の大切にしたいものから遠ざかってしまう、そういう危険を描いているような気がします。極端な話、People pleaserはテレビ番組みたいなものなのかもしれないです。大衆向けをねらって、視聴率を気にして、世の中の動きに敏感なそういう価値観です。

たとえば私のアドバイザーは、性格的にはおだやかで人あたりがいいんですが、People pleaserと違うのは次の点なんです。ちなみに彼女は、熱心なユダヤ教徒です。

  • 学生の評価にとらわれず、マイペースで授業をする
  • 忙しくなっても、全部をこなそうと無理せず、自分のペースで仕事をする
  • 自分の家族のことは最優先する
  • 仕事が忙しくなりすぎたら、Noといい、なんでも引き受けない
  • 人からの評価や批判を受け流す

すごいでしょ!私も少しでもその域に近づきたいです!

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