冬桃ブログ

日常雑記です。

恥を忍んで廊下干し

2011年12月26日 | 雑記
 昨日、居間に異臭が漂っていることに気づいた。
 嗅いだことのある臭いだ。炬燵の布団をめくってみた。
 ああ、やっぱり……。猫が吐いたのだ。
 それも、炬燵の下に敷いているカーペットのど真ん中に。

 以前、カーペットの端に吐かれたことがあった。
 どんなに拭いても臭いが消えなかったので、カーペットを
風呂場へ引きずっていって、そこだけ洗剤をつけて洗った。
 濡れた端の上に炬燵を置いて乾かした。
 が、今度はど真ん中だ。ここだけ洗うというのは難しいので
まず雑巾で何度も拭き取り、さらに薬品入りのウエットタオルを
何枚も使って拭いた。
 それでも臭いは消えない。炬燵に温められて強烈に臭う。
 こっちが吐きそうになった。

 犯人はあんたか?


 それとも、あんた?


 業者を呼んでクリーニングをしてもらうしかないかと思ったが
たった二畳程度のカーペットとはいえ、けっこうな料金になる。
 また吐くかもしれないから、そのたびにクリーニングするのではたいへんだ。
 そこで思い切って、自分で丸ごと洗うことにした。
 場所は風呂場しかない。風呂の残り湯にザブンと浸けたカーペットを
バスタブから半分引っ張り出し、洗剤をつけてブラシでごしごし洗う。
 これがたいへんだった。けっこう毛足の長いカーペットなので
水を吸ったときの重さは半端じゃない。
 ぎっくり腰の危険に怯えながらあちこちを持ち上げ、重さで転んで
バスタブの縁でしたたか額を打ち、汗まみれになって洗った。
 それを湯に浸けてすすぎ(と言っても重いからバスタブにつけただけ)、
湯を捨て、カーペットに水を掛け回して洗剤をできる限り落とし、
バスタブからなんとか引っ張り出す。
 
 しかしこれを干すところがない。最初はベランダの手すりに干そうと思った。
 が、水分を絞ることができないので水浸しだ。
 これでは外の通りを歩く人の上に水がしたたり落ちる。
 第一、思い切り水を吸ったこのカーペットを、風呂場からどうやって移動させる? 
 先日の「ノア、水風呂にダイビング」事件で家中、水浸しになったばかりだというのに、
また同じ光景を見ることになるのか?
 
 考えたあげく、風呂場にそのまま寝かせ、「乾燥」のスイッチを入れてドアを閉めた。
 体のあちこちが痛かった。

 そうして一晩置いた今朝、期待して風呂場を開けたのだが、カーペットは
相変わらず水浸しだった。このままだと私がお風呂を使えない。
 それでも昨日より少しはましだったので、なんとか折り畳み、
外へ持って出てマンションの廊下の手すりに掛けた。

 そして午後、買い物に行くためマンションを出ると、管理人さんに声を掛けられた。
「山崎さん、上手に干せたね」
「は?」
「カーペット。濡れてて重いのに、よくひとりで干せたねえ」

 さすが管理人。いつ気がついたのか。
 それにしても、恥ずかしさで顔がほてった。

 うちのマンションは多国籍だ。エレベーターやロビーには中国語、韓国語、
フィリピン語が飛び交っている。
 多国籍のせいか下町の庶民派マンションだからか賃貸の人も多いせいか
公共心に欠けるところがある。
 廊下に自転車だのベビーカーだの傘立てだのいろんな物が置かれているし、
廊下の手すりにタオルだの布団だのが干されていることも多い。

 で、一度、管理人さんに言ったことがある。
「廊下に物があると非常時に危ないんじゃないかしら。廊下の手すりに
なにか干すのも、ちょっとねえ、見場があんまりよくないし……」

 えらそうにそんなことを言いながら、自分が、まだ水が滴ってるような
カーペットを干してるんだもの。

「すみません、あの、どうしてもあそこしかなくて」
 おろおろと言い訳をする私に、管理人さんは苦笑して言った。
「いいですよ、みんな干してるんだから」

 洗ってからまるまる24時間たつというのに、カーペットは
まだ絞れるほど水を含んでいる。
 私は恥を忍んで、今夜も干しっぱなしにしている。
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