新年早々、「唐津沖の風力+潮流発電装置が沈没」の記事が出ていたので、昔の記事を思い出しました。この唐津沖の風力+潮流発電はご難続きです。
この装置の構成は三井海洋開発の下記サイトを見てください。
http://www.modec.com/jp/business/skwid/overview.html
先ずは、今年1月7日の新聞から。
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洋上発電装置、海底に沈む…実証実験中あえなく
(読売新聞2015年01月07日から)
佐賀県唐津市沖の洋上で、三井海洋開発が実証実験のために設置を進めていた「浮体式潮流・風力ハイブリッド発電」の装置(全長69メートル、総重量1000トン)が、深さ約50メートルの海底に沈んでいたことがわかった。現場海域周辺は、前日に暴風雪警報が出ていた。三井海洋開発は「原因はよくわからない」としており、今後、装置を引き揚げて調査する方針。
場所は唐津市の加部島から約1・2キロ沖の洋上で、昨年10月末から設置作業を進め、今年12月頃の実験開始を目指していた。
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次は今に至るまでの経緯を新聞で。
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①日経産業新聞2013年5月17日から
三井海洋開発が、風力と潮流発電を組み合わせた装置を今年8月末までに設置し、秋から発電を開始する。発電機は500Kw。
②?新聞2013年10月28日から
佐賀県唐津市沖の洋上発電に事故発生、先行き見えず
三井海洋開発は、風力と潮流発電を組み合わせた装置を今年8月末までに設置し、秋から発電(発電機は500Kw)を開始する予定でした。しかし、10月12日水車を台船に載せて運ぶ途中、北九州市沖で水車が台船から落下し海中に沈んでしまいました。
③日経産業新聞2014年8月7日から
三井海洋開発は、潮流発電と風力発電を組み合わせた「ハイブリッド型」を開発し、10月にも洋上試験を始める。
風力発電の羽根を縦方向(垂直)に設置し、発電機を浮体の下部に置いたことで重心を低くでき、かつ保守・点検がしやすい。発電機の出力は500~1000キロワット。
この装置は、仏のベンチャー「ネヌファー」の技術で、フランス原子力大手のアレバが出資している。ネヌファーは、より大きな風力発電機(出力2600キロワット)の試作機を開発中。
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潮流発電と浮体式風力発電を組み合わせて発電量を安定化させる工夫は面白いし、発電機を下方に持ってくるメリットは大きいが、新しい技術がてんこ盛りなので、思わぬ事態が起きたのでしょう。
福島沖で経産省がやっているような採算度外視の洋上風力発電では、いくらでも金を使って安全サイドに設計して実験を行えますが、民間で行うコストパーフォマンスの良い発電装置では思わぬことも起きるでしょう。
装置を海中から引き上げて原因を解明するということなので、次の試作機に活かしていただきたいものです。
2015.01.15