2015年7月23日
内部告発サイト「ウィキリークス」は23日までにハッキングソフトを開発・販売するイタリア企業「ハッキング・チーム」の内部文書を暴露した。
米連邦捜査局(FBI)を含む計35カ国の機関の名前が記された購入者リストが含まれていた。
各国が捜査やハッカー対策だけでなく国民監視にソフトを利用したとの疑念が出ている。
暴露によりハッキング技術も流出しており、世界中に拡散する恐れがある。
パソコンやスマートフォンから情報を盗むハッキングソフトの購入を公式に認めた韓国では野党が追及し政治問題化、キプロスは情報機関トップが引責辞任するなど余波も収まりそうにない。
日本の機関は購入者リストになかった。
ハッキングソフトは監視対象者にウイルス入りのメールを送ってパソコンを感染させ、外部から遠隔操作で情報を抜き取る機能などがあるとされる。
購入者リストにはロシアやエチオピアのほか、米国が「テロ支援国家」に指定するスーダンの情報機関も記載されており、同社の企業姿勢も問われそうだ。
韓国の情報機関、国家情報院は暴露を受け、2012年にソフトを購入したと国会で認めた。
北朝鮮とのサイバー戦に活用するため、技術を分析する目的だったと説明しているが、自国民の監視を疑う声も高まっている。
キプロスでも今月上旬、情報機関トップがソフトの利用を理由に突然辞意を表明した。
韓国メディアによると、北朝鮮が今回流出した技術を悪用して韓国内にサイバー攻撃を行ったとの見方も出ている。
同社社員のメール内容を報じたAP通信によると、カザフスタンの情報機関は同社のソフトを利用して監視対象者のスマホから会話記録を入手しようとしていた。
モンゴル汚職対策局は、監視する人物のキーボードの入力結果から、フェイスブックのパスワードを盗もうと計画。
チェコの警察は携帯のマイクを盗聴器として使えるようにしていたという。
共同通信