2015年7月6日
家族の間で何があったのか。
大分県杵築市の住宅で4人が死亡した火災は、一家の父親で海上自衛隊幹部の末棟(すえむね)憲一郎容疑者(40)が現住建造物等放火容疑で逮捕され衝撃が走った。
出火前、末棟容疑者宅から言い争うような声が聞こえたとの情報もある。
近所の人たちは「仲が良さそうだったのに」と沈痛な表情を浮かべた。
「俺が悪かった」。近所の男性(61)らによると出火直後、末棟容疑者は1階の屋根に上って四男雅祐君の名前を連呼した後、そう絶叫した。
その後、家の前の道ばたにへたりこみ「俺が帰ってきたから悪かったんだ」と声を落としたという。
「2階にいたうちの息子が『けんかしてるみたい』と言うので、様子を見ようと窓から見たら炎が出ていた」。近くの主婦(54)はそう話す。
別の60代女性も「大きな声で言い争うような声が聞こえ、その直後に炎が上がった」と声を震わせた。
海自呉地方総監部などによると、末棟容疑者は1993年に海上自衛隊に入隊。
現在は1等海尉で第31航空群標的機整備隊(広島県江田島市)に単身赴任しており、休暇を利用して杵築市の自宅に帰っていた。
4、5両日は休暇だった。勤務態度は良好で、遅刻や無断欠席もなかったという。
近所の住民によると、自宅近くの休耕田で末棟容疑者が子供たちを連れて野菜を作る姿も見られた。
親子で駅伝大会に出場するなど仲むつまじい家族だったという。
長男が同居している祖父の自宅近くに住む60代女性によると、きょうだい8人と祖父らが今年のゴールデンウイークごろ、バスを貸し切ってグリーンランドリゾート(熊本県)に遊びに行くなどしていた。
一方、地元区長の小川英利さん(73)によると、末棟容疑者は普段から声が大きく、近所から苦情を受けたこともあった。人柄については「誠実で好感を持っていた」といい「国を守る仕事をしている人なのに」と逮捕に驚いていた。
雅祐君と同級生の子供を持つ40代の母親は「雅祐君たちきょうだい4人は柔道をしていて、いつも元気だった。信じられない」と絶句。同じ小学校に通う息子の母親は「普段から付き合いがあったが、あまりに悲しくて言葉にならない」と涙ぐんだ。
(コピー先不明)
杵築市火災 逮捕の父、容疑認める
大分県杵築市で住宅一棟が全焼し、子供4人とみられる遺体が見つかった火事で、この家の父親で自衛官の男が放火の疑いで逮捕された。父親は、容疑を認めているという。
現住建造物等放火の疑いで逮捕されたのは、大分県杵築市の海上自衛官・末棟憲一郎容疑者(40)。警察によるとこの火事は、末棟容疑者の住宅で、5日午後11時50分ごろ、出火し、木造2階建ての住宅を全焼した。そして、8人いる子供のうち4人が行方不明となり、6日昼前に焼け跡から4人の遺体が見つかったもの。
死亡したのは、長女・悠佳梨さん(14)、四男・雅祐くん(9)、二女・真由美ちゃん(7)、五男・滋くん(5)の4人とみられ、警察が身元の確認を急いでいる。また、末棟容疑者と妻、それに子供1人もやけどをして病院に搬送されたが命に別条はないという。
調べに対し、末棟容疑者は容疑を認めているということで、警察は室内に火をつけたとみて、放火にいたった状況などを詳しく調べている。
日テレ
追記
2015年7月8日
大分4人死亡火災:「妻が見送らず逆上」…放火容疑者供述
大分県杵築市の民家で4人が死亡した火災で、自宅に放火したとして現住建造物等放火容疑で逮捕された海上自衛隊1尉、末棟憲一郎容疑者(40)が「油をまいて火をつけた」と供述していることがわかった。
5日夜に単身赴任先へ戻ろうとした際に「妻が見送らなかったことに逆上した」との趣旨の供述もしているという。
毎日新聞社