小さな庭

デジタルな仕事について20数年、だからという訳でもありませんが、アナログな世界に惹かれます。

旅立ち

2009-05-18 | ガーデニング
小さいながらも、次々に咲く花で庭が賑わいをみせる、もっとも爽やかで美しい5月の朝(5月16日)、庭の管理人(犬)三四郎は天国に旅たっていきました。
17歳6ヶ月、最後は眠るように静かに息を引き取りました。夫と一緒にまだぬくもりの残っている亡き骸を抱えて、長い間住処だった庭を一巡りしました。あの軽快な足音がどこからともなく聞こえてくるようでした。
お正月や家族の誕生日などのイベントがあると、一緒に家の中で過ごしましたが、それ以外は一日の大半を庭で過ごしました。庭に侵入してきた猫に驚いて、ハウスに逃げ帰ったことはあっても、小さな動物には友好的でした。すずめが怖がりもせず、三四郎の水をよく飲みに来ていました。最後の6ヶ月間は、ほとんど歩けなくなり、家の中で過ごしました。鳴くとオムツを替え、水を飲ませ、抱きかかえました。不思議に鳴き止み、安心して胸の中で寝て、時には一晩、抱いていたこともありました。正直なところ、たいへんでしたが、少し力のなくなった黒い瞳で見つめられると天使のようで気持ちは満たされました。
今は、元気だった頃の三四郎をなかなか思い出せませんが、反抗期真っ盛りだった中学生の頃の息子は、学校から帰ると玄関を素通りして、まっすぐ三四郎のところに向かっていました。私が子育てで悩み、大きなため息をすると、三四郎は飛び上がって驚いていました。三四郎に励まされ、癒された日々は、きっと日を追うごとにいろいろ思い出されるのでしょう。
ほんとに三四郎、お疲れ様でした。十分に生ききってくれたこと、みんなとっても感謝しています。
三四郎よりずっと後に生まれた孫達とお葬式を済ませた後、遺骨は自宅に持って帰りました。息子達が帰省した時にこの小さな庭に埋めてあげようということになりました。
拙い「小さな庭」を読んでいただいている皆様からの、三四郎への暖かい励まし、ほんとにありがとうございました。
コメント (11)
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