[sport] 松井秀喜引退

　以前はしばしば書いていた時事ネタ。久々に書いてみよう。

　原辰徳の現役引退とともに巨人ファンを「引退」して久しい僕だが、今回はやっぱり簡単にやり過ごすわけにはいかないだろうな。

スポニチアネックス
松井が引退表明！ＮＹで会見「プロ野球人生に区切りをつけたい」
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　関連の記事は多数ある。でもまぁ、一々言うまい。

　プロ野球では日本を代表する長距離打者として、日米で名を馳せた。
　高校野球の頃から既に『伝説』多数で、星稜高校時代の対明徳義塾戦での５打席連続敬遠は覚えている人も多いだろう。
　巨人入団後の公式戦プロ初安打は、中超えの火の出るようなライナー性の適時２塁打だった。プロ 10 年目で年間 50 本塁打。その後、米国プロ野球（と敢えて言うが、いわゆる大リーグ）のヤンキースに移籍。第１回 WBC の年に守備中の事故で右手首を骨折したのが峠越えの始まりだったか。ヤンキース在籍最終年で、米国選手権（一応の通称は「ワールドシリーズ」だが）でのヤンキース全国優勝に貢献し、MVP にもなった。ただ、残念ながらと言うか何と言うか、その後は振るわなかった。

　記事にある反響の大きさは、その人徳ゆえと言うこともある。
　毎試合終了後、勝ったときも負けたときも、活躍してもヘマをしても、必ず記者に囲まれての取材を受け、質問に応え続けた。試合前には練習と試合に集中したいからという、約束があってのことだったようだが、誠意をもって取材に応える姿勢が関係者の支持を集めていたのは確かだ。
　日米両国で今なお活躍しているイチロー（オリックス→シアトルマリナーズ→ヤンキース）とよく対比されるが、人徳の面でイチローよりマスコミ受けする点で松井を推す野球ファンが多いのも、まぁ理解出来ない話ではない。

　'03 年の第１回 WBC 出場辞退は、野球選手としての彼の格を、残念ながら下げたと思う。ただ、米国プロ野球のありようを思うと、松井にとって苦しい決断だったであろうことは理解出来る。その年の右手首の怪我を罰当たり呼ばわりされたのは、気の毒だった。両ひざを痛めて苦しんだのは、選手時代晩年の清原（西武→巨人→オリックス）と同じで、下半身の力で打球を遠くに運ぶ長距離砲ならではの悩みだったのかも知れない。

　ただ、何年か前のテレビで江川（元巨人）が言っていたことを思い出すが、自分の意志で引退できる選手というのは、幸せな存在なんだろうな。それが許される選手の１人ではあると思う。
　引退試合なるものは、多分無いだろう。でも、仮にそんな話があっても、たぶん松井自身が望まないだろうな。

　いつか指導者にはなるんだろうけど、しばらくは身体を休めて欲しい。
　20 年間、お疲れ様でした。

　今年最後の、スポーツ界の大ニュースだった。