吉冨 信長さんのFB投稿より
料理は「煮る、蒸す、湯がく」を基本に
現代の食生活においてその調理法は、「炒める、揚げる、焼く」が多いと思います。実際にこうした高温調理は素材が香ばしくなり、調理に使う油によって美味しさも増します。
しかし、「炒める、揚げる、焼く」の高温調理は、ヒドロキシノネナールなどの油脂アルデヒド毒性物質を生成してしまったり、AGEsと呼ばれるタンパク質糖化反応(メイラード反応)物質を生成してしまい、これらが身体を老化させてしまうことがわかっています。
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昨日(3/20)ですが、高温調理が高血圧を招くという大規模疫学調査による結果が発表されました(American Heart Association, 21 March 2018 )。
米国心臓協会は、看護師健康調査Ⅰに参加した女性32,925人、看護師健康調査Ⅱに参加した女性53,852人、そして健康専門フォローアップ調査に参加した男性17,104 人を対象に、12〜16年の追跡期間中に高血圧になった人と高温調理の回数についての相関を調べました。
結果、以下のようになったのです。
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・牛肉、鶏肉、魚などのタンパク質を、月に15回以上はグリル(=焼き網や鉄板などを使って近火で焼く)、ブロイル(=直火焼き)、ロースト(=遠火でじっくり焼く)をした人では、月に4回未満の人よりも、血圧が17%も高かったことがわかりました。
・お肉の焼き方において、内部までしっかり焼く「ウェルダン」を好む人は、外側だけ焼く「レア」を好む人よりも、15%も血圧が高かった。
・タンパク質を高温調理で料理したときに出る発がん性物質ヘテロサイクリックアミンという複素環式アミンの量を最も多く摂取している群は、最も少なく摂取している群に比べて、血圧が17%高かった。
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つまり、高温調理で作った料理をよく食べている人は血圧が高くなる可能性があるということです。
先述したとおり、高温調理はさまざまな有害物質を生成してしまいます。実際に、高温で肉を調理することによって作られた有害物質は、動物実験でも疫学調査においても、酸化ストレス、炎症の指標となる物質、インスリン抵抗性を誘発することがわかっており、これらを介して高血圧を発症するのではないかと研究者らは推測しています。
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私が実際に伝統社会ニューギニア高地人の生活を見に行ったときに、彼らは調理法として「蒸し」料理をしていました。彼らは主食のさつまいも・タロイモ、レッドフルーツ、そして豚肉をすべて、地面に掘った穴に入れ、その上に草や樹木の葉っぱを被せ、焼石を一番上に置いた蒸し料理をしていました。(これがまた美味しい。)
伝統生活を続けていたモンゴル遊牧民は、自然放牧された牛のミルクを鍋で温めたり、ヒツジの内臓肉を湯がいたり、ヒツジ筋肉部の赤身肉を焼石によって蒸したりする料理が主でした。(美味しすぎて食べ過ぎました。笑)
パプアの漁労民センタニ族は主食の魚貝類をスープにして食べていました。(ボーンブロスやベジブロス的で最高のダシが出ていました。)
タンザニアの狩猟採集民ハッザ族は、狩りで得た野鳥やリスそしてヒヒの肉を直火焼きで調理しますが、外側のみを焼く、ある意味レアな焼き方でした。
タンザニアの遊牧民マサイ族やダドガ族は、主食の乳製品は非加熱で、副食のお肉はすべて湯がいて食べます。
このように伝統社会での調理法は多くが「煮る・蒸す・湯がく」なのです。(焼いてもウェルダンではなく外側だけのレアの焼き方。)
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「煮る・蒸す・湯がく」は基本的に100度以下で抑えられる低温調理だと考えることができます。
これによって、危険な油の回避、副産物AGEsやアルデヒド類の回避、栄養価を逃がさない(蒸し料理)、変性タンパクを多く作らない、柔らかさが維持できる、消化しやすい、などの利点が高温調理に比べて多くなります。中でも蒸し料理は食材の良さを引き出す、いちばん良好な調理法です。
完全に「煮る・蒸す・湯がく」の低温調理だけをするのは現代の食生活では難しいですが、日頃から意識して高温調理からこれらの低温調理に変えていくと、体調も本当に変わってきます(体臭なども)。
食材に火を通すことも、あえて生のままで食べることも、それぞれ大切で、それぞれ長所・短所があります。人類は火を使用することで、さまざまな進化を遂げた動物です。そして、健康的な火の使用法は「煮る・蒸す・湯がく」の低温調理だといえます。
料理は「煮る、蒸す、湯がく」を基本に
現代の食生活においてその調理法は、「炒める、揚げる、焼く」が多いと思います。実際にこうした高温調理は素材が香ばしくなり、調理に使う油によって美味しさも増します。
しかし、「炒める、揚げる、焼く」の高温調理は、ヒドロキシノネナールなどの油脂アルデヒド毒性物質を生成してしまったり、AGEsと呼ばれるタンパク質糖化反応(メイラード反応)物質を生成してしまい、これらが身体を老化させてしまうことがわかっています。
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昨日(3/20)ですが、高温調理が高血圧を招くという大規模疫学調査による結果が発表されました(American Heart Association, 21 March 2018 )。
米国心臓協会は、看護師健康調査Ⅰに参加した女性32,925人、看護師健康調査Ⅱに参加した女性53,852人、そして健康専門フォローアップ調査に参加した男性17,104 人を対象に、12〜16年の追跡期間中に高血圧になった人と高温調理の回数についての相関を調べました。
結果、以下のようになったのです。
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・牛肉、鶏肉、魚などのタンパク質を、月に15回以上はグリル(=焼き網や鉄板などを使って近火で焼く)、ブロイル(=直火焼き)、ロースト(=遠火でじっくり焼く)をした人では、月に4回未満の人よりも、血圧が17%も高かったことがわかりました。
・お肉の焼き方において、内部までしっかり焼く「ウェルダン」を好む人は、外側だけ焼く「レア」を好む人よりも、15%も血圧が高かった。
・タンパク質を高温調理で料理したときに出る発がん性物質ヘテロサイクリックアミンという複素環式アミンの量を最も多く摂取している群は、最も少なく摂取している群に比べて、血圧が17%高かった。
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つまり、高温調理で作った料理をよく食べている人は血圧が高くなる可能性があるということです。
先述したとおり、高温調理はさまざまな有害物質を生成してしまいます。実際に、高温で肉を調理することによって作られた有害物質は、動物実験でも疫学調査においても、酸化ストレス、炎症の指標となる物質、インスリン抵抗性を誘発することがわかっており、これらを介して高血圧を発症するのではないかと研究者らは推測しています。
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私が実際に伝統社会ニューギニア高地人の生活を見に行ったときに、彼らは調理法として「蒸し」料理をしていました。彼らは主食のさつまいも・タロイモ、レッドフルーツ、そして豚肉をすべて、地面に掘った穴に入れ、その上に草や樹木の葉っぱを被せ、焼石を一番上に置いた蒸し料理をしていました。(これがまた美味しい。)
伝統生活を続けていたモンゴル遊牧民は、自然放牧された牛のミルクを鍋で温めたり、ヒツジの内臓肉を湯がいたり、ヒツジ筋肉部の赤身肉を焼石によって蒸したりする料理が主でした。(美味しすぎて食べ過ぎました。笑)
パプアの漁労民センタニ族は主食の魚貝類をスープにして食べていました。(ボーンブロスやベジブロス的で最高のダシが出ていました。)
タンザニアの狩猟採集民ハッザ族は、狩りで得た野鳥やリスそしてヒヒの肉を直火焼きで調理しますが、外側のみを焼く、ある意味レアな焼き方でした。
タンザニアの遊牧民マサイ族やダドガ族は、主食の乳製品は非加熱で、副食のお肉はすべて湯がいて食べます。
このように伝統社会での調理法は多くが「煮る・蒸す・湯がく」なのです。(焼いてもウェルダンではなく外側だけのレアの焼き方。)
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「煮る・蒸す・湯がく」は基本的に100度以下で抑えられる低温調理だと考えることができます。
これによって、危険な油の回避、副産物AGEsやアルデヒド類の回避、栄養価を逃がさない(蒸し料理)、変性タンパクを多く作らない、柔らかさが維持できる、消化しやすい、などの利点が高温調理に比べて多くなります。中でも蒸し料理は食材の良さを引き出す、いちばん良好な調理法です。
完全に「煮る・蒸す・湯がく」の低温調理だけをするのは現代の食生活では難しいですが、日頃から意識して高温調理からこれらの低温調理に変えていくと、体調も本当に変わってきます(体臭なども)。
食材に火を通すことも、あえて生のままで食べることも、それぞれ大切で、それぞれ長所・短所があります。人類は火を使用することで、さまざまな進化を遂げた動物です。そして、健康的な火の使用法は「煮る・蒸す・湯がく」の低温調理だといえます。