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洋上風力発電と漁業 海外と日本の経験

Offshore wind farms and fisheries
”洋上風力発電と民主主義”

洋上風力発電と漁業 海外の経験#113  EU 諮問委員会 洋上風力拡大と漁業分野の対立が高まる

2025-04-06 22:41:00 | 日記

2025年04月06日

北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二

[洋上風力発電と漁業 海外の経験#113  EU 諮問委員会 洋上風力拡大と漁業分野の対立が高まる]

①洋上風力発電が本当にCO2削減に貢献するのか、②洋上風力発電事業自体が再エネ賦課金だのみの不採算事業であり漁業分野を含め満足な補償等に対応がなされるのか、③政府が責任をもったMSP(海洋空間計画)を設定すべきではないのか、④政府がベースラインをしっかり作るような漁業影響調査を指導すべきではないのか。

持続可能な漁業管理に関して、戦略的アドヴァイスを欧州委員会とEU加盟国に提供する北西部水域諮問委員会(The North Western Waters Advisory Council “NWWAC”)らは、2025年2月、洋上風力発電が、漁業活動、海洋生態系、空間計画に及ぼす影響に関する会合を開催した。

会合には欧州委員会、 国際海洋探検会議ICES、環境NGO、そして漁業界の代表者が参加、EU海域での洋上風力発電の急速な拡大が、伝統的な産業である漁業分野の存続を脅かしていることが指摘された。

現在、深刻な緊張を生み出しており、適切な調整がとられない場合、漁業分野は欧州から完全に締め出される危険があるとしている。

洋上風力発電の政策立案者と開発事業者が、漁業分野と共存できると繰り返し主張しているが、多くの漁業者、科学者がこれに反発している。

このほか、会合では、浮体式風力発電のケーブル、アンカーの設置により、海底の閉鎖域が拡大され、それも多くの場合、半永久的なものになること、漁場変化と気候変動等による影響評価の複雑さ等が報告された。


洋上風力発電と漁業 日本の経験#105 三菱商事の洋上風力 補助金変更は「救済」 競合が反発

2025-04-06 20:01:19 | 日記

2025年04月06日

北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二

[洋上風力発電と漁業 日本の経験#105 三菱商事の洋上風力 補助金変更は「救済」 競合が反発]

①洋上風力発電が本当にCO2削減に貢献するのか、②洋上風力発電事業自体が再エネ賦課金だのみの不採算事業であり漁業分野を含め満足な補償等に対応がなされるのか、③政府が責任をもったMSP(海洋空間計画)を設定すべきではないのか、④政府がベースラインをしっかり作るような漁業影響調査を指導すべきではないのか。

日本での先行する欧米の洋上風力発電の漁業分野との共栄、相乗効果等の成功体験は、ほとんどが開発事業者による切り抜き発信で、実際に漁業分野の情報にアクセスしていくと様々な問題が報告されている。

経済産業省は今年2025年春にも大規模な洋上風力発電の公募指針を見直す方針を明らかにし、すでに落札者が決まった海域を対象に、再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度(FIT)から電力市場価格を参照して補助金を決める「FIP」に変更する「FIP転」が可能と明記、三菱商事への「事実上の救済策」と見る業界関係者は多く、怨嗟(えんさ)の声が広がっていると日本経済新聞(鈴木大洋様)がリポートしている。

 

2025年04月05日 日本経済新聞(鈴木大洋様)から転載

[三菱商事の洋上風力、補助金変更は「救済」 競合が反発]

経済産業省は今春にも大規模な洋上風力発電の公募指針を見直す方針を明らかにした。すでに落札者が決まった海域を対象に、再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度(FIT)から電力市場価格を参照して補助金を決める「FIP」に変更する「FIP転」が可能と明記する。三菱商事が落札したラウンド1の採算が大きく改善する見込み。「事実上の救済策」と見る業界関係者は多く、怨嗟(えんさ)の声が広がっている。

インフレや円安で採算厳しく

「入札後にFIP転できるという認識はなかった。公募の信用を失墜させ、サプライチェーン(供給網)などにも大きな影響が出るだろう」。再生エネ事業を手掛ける企業の幹部は憤りを隠さない。

経産省などが3月10日に開いた洋上風力に関するワーキンググループでは、すでに落札された洋上風力事業についてFITからFIPへの移行を認める方針が示された。事業者が申請し経産省が認めればFIPが適用されることになる。

2021年に結果が出たラウンド1と長崎県五島市沖の浮体式洋上風力はFIT価格で入札を実施し、ラウンド2からFIPに移行している。そのためFIP転はラウンド1と五島市沖が対象となる。

ラウンド1では三菱商事陣営が1キロワット時あたり11〜16円台という他社より大幅に安い価格で3海域全てを落札した。ただロシアのウクライナ侵略などによるインフレや円安の進行で資材価格が高騰し、事業環境は悪化した。三菱商事は今年2月、3海域で522億円の損失を計上したと発表し、「ゼロベースで今後の方針を検討する」(中西勝也社長)と撤退の可能性を否定しなかった。

経産省「制度変更ではなく運用を明確化」

FITは国が発電事業者から固定価格で再生エネを買い取る仕組みだ。一方、FIPは発電事業者が再生エネを販売することができる。さらに日本卸電力取引所(JEPX)の市場価格をもとに参照価格を算出し、あらかじめ決めたFIPの基準価格を参照価格が下回る場合は補助として「プレミアム(上乗せ金額)」を受けられる。

FIPの場合、事業者はコーポレートPPA(電力購入契約)で再生エネを電力需要家に販売することが多い。自然エネルギー財団によると太陽光のPPAの場合、平均価格は13〜16円。さらにプレミアムを受け取れる可能性があり、収益性が大きく向上する見込みだ。

ワーキンググループで経産省は「制度変更ではなく運用を明確化する」と説明した。FIP転は既設の太陽光や陸上風力などで実施した実績があり、洋上風力も例外ではないことを明記するという立て付けで、公募ルール変更には当てはまらないとしている。

基準価格、ラウンド2・3と大差

ただ業界関係者の間では三菱商事のラウンド1の救済色が強いという指摘が相次ぐ。

まずFIPの基準価格が高い点だ。FIPは23〜24年に結果が公表されたラウンド2・3で適用され、大半の海域では基準価格が1キロワット時あたり3円だった。参照価格が3円以下になることは現実的ではなく、実質的に補助が受けられない「ゼロプレミアム水準」と呼ばれる

今回の見直し案には「(移行した場合の)基準価格は、変更前の認定公募占用計画に記載された調達価格と同じ」とある。三菱商事の落札価格を反映すると基準価格は11〜16円台となり、ラウンド2・3を大きく上回る。陸上風力(12〜15円程度)と同水準だ。

さらに政府はラウンド4から公募ルールの変更を予定し、落札後の物価高などに合わせた基準価格の引き上げを盛り込んでいる。ラウンド1〜3の事業者も申請すれば遡及して適用される見込みだ。適用すると、撤退などの際に保証金が増額されるなど不利な点もある一方、建設費などの資本費部分にインフレ影響を反映できる。

資本費は事業全体の7割とされ、インフレ影響は最大4割とみられる。ラウンド1の価格に当てはめると最大20.9円程度まで上がり、高額のプレミアムを受ける可能性がある。

PPA顧客の奪い合い激化

もう一つはPPA市場の競争激化だ。FIPでは売電先を自ら選べる。ラウンド2・3の事業者はFIPの補助を事実上受けられないため、PPAを使って高値で売電することで採算確保を狙っている。ある電力関係者は「ゼロプレミアムの洋上風力は27円や30円の水準で売電しないと採算が合わない」と明かす。

もしFIP転が認められた場合、大量の再生エネがPPA市場に出ることとなる。三菱商事がラウンド1で落札した洋上風力の合計出力は約169万キロワット。設備利用率を3割と仮定すると年間発電量はおよそ4400ギガワット時となり、ソニーグループの年間電力消費量の約1.6倍の規模に相当する。

FIP転した陸上風力の場合、PPA価格は「20〜25円が相場」(電力関係者)といい、ラウンド2・3の事業者が想定するPPA価格を下回る可能性がある。電力販売を担当する関係者は「PPA顧客の奪い合いが激化することになり、危機的な状況だ」と嘆く。

競合他社からは擁護の声も

FIP転の容認について競合他社の意見は割れる。洋上風力はインフレや円安により事業環境が厳しい。仮にラウンド1の採算性が見込めず、三菱商事が撤退し再入札を実施する事態になると、政府の再生エネ導入目標に影響が出かねない。「洋上風力への地域の信用がこれ以上なくならないようにするには仕方がない」という発電事業者の声もある。

ただ批判の声が多いのも事実だ。三菱商事が大幅に安い価格で落札したラウンド1からルールが変わり、ラウンド2以降は価格点が満点になるゼロプレミアムでないと落札できない海域が大半だった。「(ラウンド1がFIP転すると分かっていたら)ラウンド2は価格点ではなく、(安定稼働に向けた計画の具体性や地域との連携策など)他の評価項目が焦点になっていただろう」(風力関係者)という声もある。

公募で落札できないと調査費用などを損失として計上するため、株価が大幅に下がったり、経営方針の変更を余儀なくされたりしたケースもある。ある再生エネ事業者は「重大な話にもかかわらず(約1時間の)ワーキンググループでFIP転の説明は3分程度だった」と経産省の対応に不満を漏らす。

事業者と経産省の見解に食い違い

複数の再生エネ事業を手がける企業の関係者は「ラウンド1終了後に経産省に『FIP転を想定した公募だったか』と質問したところ否定する回答があった」「ラウンド1はFIT前提の入札と説明があった」などと証言し、FIP転を容認するのはルールの事後的な変更とみている。一方、経産省はラウンド1時点でFIP転を許可するかの議論はなかったと説明するなど見解が食い違う。

三菱商事は日本経済新聞に対し「改訂案の素案が示されたことは認識しており、改訂の方向性も踏まえて事業性の再評価を進めている」とコメントした。1月を予定していた千葉県銚子市沖の着工を先送りするなどスケジュールが遅れており、事業の実現に向けて採算性以外にも乗り越えるべき課題は多い。

日本の洋上風力はまだ黎明(れいめい)期で、これから大量導入が始まる。安価に導入できるという楽観的な見通しは崩れ、追加コストを誰が負担するかという議論は避けられない。仮にFIP転などにより公的支援が増えると、再生エネ賦課金という形で国民が負担することになる。どのようにコスト負担や公募ルールの見直しを議論すべきなのか、浮かび上がった課題は重い。

 


洋上風力発電と漁業 日本の経験#104 再エネ賦課金が過去最高 国民の許容範囲超えている 電気代高騰は水産加工経費の上昇を招き、消費者価格に転嫁され魚の消費を低迷させ、漁業経営を不安定にさせている

2025-04-06 17:57:20 | 日記

 

2025年04月06日

北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二

[洋上風力発電と漁業 日本の経験#104 再エネ賦課金が過去最高 国民の許容範囲超えている]

電気代の高騰は水産加工経費の上昇を招き、それは消費者価格に転嫁され、魚の消費を低迷させ、漁業経営を不安定にさせている要因の一つになっていることを指摘する。”

①洋上風力発電が本当にCO2削減に貢献するのか、②洋上風力発電事業自体が再エネ賦課金だのみの不採算事業であり漁業分野を含め満足な補償等に対応がなされるのか、③政府が責任をもったMSP(海洋空間計画)を設定すべきではないのか、④政府がベースラインをしっかり作るような漁業影響調査を指導すべきではないのか。

日本での先行する欧米の洋上風力発電の漁業分野との共栄、相乗効果等の成功体験は、ほとんどが開発事業者による切り抜き発信で、実際に漁業分野の情報にアクセスしていくと様々な問題が報告されている。

産経新聞(中村智隆様)は、再エネ賦課金が過去最高で32年ごろまで増加し、専門家「国民の許容範囲超えている」とリポートしている。

 

2025年04月05日 産経新聞(中村智隆様)から転載

[再エネ賦課金が過去最高 32年ごろまで増加 専門家「国民の許容範囲超えている」]

太陽光や風力発電などの再生可能エネルギーを普及させるために電気料金に上乗せされる「再エネ賦課金」の引き上げが続いている。2025年度の単価は2年連続で上昇し、標準家庭(使用量400キロワット時)で月約1600円の上乗せ。12年度の導入以来最高で、電気料金の1割超になっている。賦課金総額は25年度までの累計で25兆円を超え、32年度ごろまで増加を続ける見込みだ。再エネ普及に見合う負担なのか、存在意義を問う声も強まっている。

経済産業省は25年度の賦課金単価を1キロワット時当たり3・98円に設定した。5月検針分の電気料金から適用され、標準家庭で月額1592円、年額1万9104円が上乗せされる。賦課金は24年度から0・49円上昇し、電気料金は月額196円、年額2352円高くなる。

政府は、再エネで発電された電気を20年といった長期にわたって固定した価格で買い取るよう電力会社に義務付ける「固定価格買い取り制度」(FIT)を12年度に始めた。電力会社は、買い取り総額と市場での販売収入の差額を賦課金で穴埋めすることになった。

■市場価格など踏まえ毎年度設定

賦課金は、経産相が再エネの導入状況や市場価格などを踏まえて毎年度設定する。導入当初の12年度は0・22円だったが、再エネの普及に伴って右肩上がりで増え、22年度には15倍超の3・45円にまで上昇した。

23年度はロシアによるウクライナ侵略などに伴い電力の市場価格が高騰し、電力会社の販売収入が増えたため、逆に賦課金の単価は1・40円に下がった。ただ24年度は市場価格が一服したことで3・49円となり、上昇トレンドが復活した。

賦課金は32年度ごろまで増え続ける見通しだ。FITが導入された12年度に事業用太陽光の買い取り価格は1キロワット時当たり40円に設定された。その後、現在の10円前後まで徐々に下がってきたが、買い取り期間は20年で、価格の高い案件から買い取りが終了していき、賦課金も縮小するとみられる。

賦課金の単価はどの程度まで上昇するのか。電力中央研究所の朝野賢司副研究参事は、30年までの政府の再エネ目標程度の導入が進む場合、4・5円程度まで上がる可能性があるとみる。標準家庭の電気料金に月額約1800円が上乗せされる水準だ。

同研究所が19年に消費者を対象に実施した調査では、再エネ普及に対する費用負担を許容すると答えたのは全体の66%だった。その中で許容額を尋ねたところ、約7割が電気料金に占める割合として「5%以下」を選んだ。足元では賦課金は電気料金の1割を超えており、朝野氏は「すでに国民の許容する範囲を超えている」と指摘する。

政府は買い取り価格の引き下げや入札制の活用などでコスト低減は進んでいると主張する。それでも国民負担は増加しており、業界関係者は「最初の30~40円という買い取り価格が高すぎた。約束をほごにするわけにもいかず、失策だった」と批判する。

朝野氏によると、12~25年度の賦課金の総額は累計で25兆円規模に達する。二酸化炭素(CO2)を1トン削減するために要する費用は3万円を超える計算で、費用対効果の悪い対策だと指摘する。

■国民負担につながる恐れ

東日本大震災後、政府が再エネシフトを加速する中、FITが再エネの導入に寄与したのは間違いない。一方で、賦課金は太陽光パネルを大量に生産する中国を利するとの指摘があり、発電設備の建設による環境破壊を訴える住民も出て来ている。

野党の国民民主党などから賦課金の停止を求める声があがっているが、経産省は「賦課金の徴収を停止しても再エネの導入拡大に必要な経費として国民負担が発生する」との立場だ。将来的に賦課金は減る見込みだが、発電事業者のCO2排出量に応じた負担金などが増え、結果として国民負担につながる可能性もある。

朝野氏は「さまざまな温暖化対策の費用対効果を横並びに比較することが必要だ。脱炭素に向けては費用増は避けられず、負担の許容額を高める方策も別途考えないといけない」と語り、国民的な議論の必要性を訴える。