秋の野の み草刈り葺き 宿れりし 宇治のみやこの 仮廬(かりいほ)し思ほゆ 【万葉集巻一 7】
熟田津に 船乗りせむと 月待てば 潮もかなひぬ 今は漕ぎ出でな 【万葉集巻一 8】
昨日は、楽しみにかよっている万葉集の講座の「巻一を読む」の方へ。
上の二つの歌を中心に、先生のお話を聞きました。
額田王の歌。
7のほうは、行幸の回想が、明るく、生き生きと歌われていて、行幸が楽しいことだったんだな、と思われます。
8は、堂々としていて風格もあり、これは、天皇の作なんじゃないか、との説もありますが、一方で、この張りつめた力感は、68歳の天皇のものではなかろう、という意見も。
額田王のこれらの歌は、個人の感傷や思いというより、天皇を含む当時の宮廷貴族集団の集合的意志ということになろう、と。
歌の共有、ですね。
それにしても、巻十二なら一回の講座で、十数首進みますが、
巻一となると、一回で、一~三首、日本書紀やほかの資料とも関連するし、非常に濃い。
受講者に、詳しい方もいらして、絶妙な質問をされたりして、先生とのやり取りも興味深いです。
ちゃんと研究するなら、資料は全部読み切らないといけないわけですが、
それでも、好きな一首を見つけて、じっくり味わう、など、とってもいいことだと思います。
僕も続けて、気軽に、楽しみたいと思っていますよ。
今日も素敵な一日になりますように。
美しい明日へ心をこめて歌っています。
洋司