斬剣次郎の鉄道・バス斬り

 拙者、斬剣次郎である。たった今から、鉄道・バスを斬る

最後まで残った青ガエル

2008年12月21日 23時35分55秒 | 鉄道
 鹿児島本線の上熊本駅から熊本電鉄の菊池線が出ているのですが、そのに元東急電鉄5000系の
 5000系
 が走っています。
 この車両の東急時代は1954年に登場した先代5000系で、世間では
 青ガエル
 として親しまれていた車両でした。東急の先代5000系は後継車両の登場によって1970年代には廃車が始まり、多数の地方私鉄に譲渡されました。しかし、1954~1959年に製造された車両だけに老朽化が進み、地方私鉄でも代替が進んで、今現役で走っているのは熊本電鉄のみです。


 熊本電鉄に残っているのは5101Aと5102Aの2台のみで、
 上熊本~北熊本間
 の折り返し運用に細々と充当されています。
 5101Aと5102Aは元東急の5031と5032でしたが、1985年に熊本電鉄に入り、同時に両運転台化されました。新設された運転台は上の写真のように平妻となっています。ちなみに各地の地方私鉄で元東急5000系に対して運転台を新設されたケースが散見されましたが、いずれも平妻になっています。
 その後、ワンマン化そしてATSの取り付けが実施されています。ちなみに5101Aと5102AのAはATSの意味です。


 車内はオールロングシートになっていますが、東急時代のものをそのまま使っています。シートもふかふかしたものになっています。高性能車両ながら1950年代の雰囲気が随所に残っています。っていうか、旧型電車らしい雰囲気です。5000系は非冷房ですが、元東急5000系は車体強度の関係で冷房化が困難でした。5000系が比較的早く消えたのも冷房化が困難であることが理由でした。熊本電鉄では冷房化が困難であることはわかっていたのですが、それでも現役で使い続けています。


 運転台後部です。運転台の仕切りの形状も独特です。5000系はモノコック構造という鉄道車両にとっては特殊な構造であることが仕切りの形状からわかります。下部の大きなカーブも特徴ですね・・・。更に客室への入口も小さいですね・・・。


 運賃表示器
 ですが、今未だ幕式になっています。ワンマン化されたのが1985年なのでその時に取り付けられたものを今でも使っているようですね・・・。5000系はまさにアナログ的な電車です。
 ただ、運転表示機は運転室仕切りに取り付けられているのではなく、天井からぶら下がって取り付けられているのが特徴です。ちなみに表示部は両面ともあります。こんな運賃表示機は珍しいですね・・・。

 細々と走っている5000系ですが、写真の5102Aが新製されたのは1957年なので、丸51年も活躍していることになります。こんなに長寿な車両ですが、元東急5000系の貴重な生き残りとして走り続けて欲しいものです。

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