ヨーガスクール・カイラス blog

True Yoga, to meet the true self.

今日のAMRITAチャンネル「聖典朗読『入菩提行論』第一章~第四章」

2017-05-31 21:35:45 | 今日のAMRITAチャンネル
 今日のAmritaチャンネルは、「聖典朗読『入菩提行論』第一章~第四章」です。
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今日のAMRITAチャンネル「実写ドラマ・ラーマーヤナ 第70話」

2017-05-30 21:22:50 | 今日のAMRITAチャンネル
 今日のAmritaチャンネルは、「実写ドラマ・ラーマーヤナ 第70話」です。
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アディヤートマ・ラーマーヤナ(46)「英雄ハヌマーンの目覚め」

2017-05-30 09:45:51 | 松川先生のお話

第九章 英雄ハヌマーンの目覚め



◎猿たち、再び話し合う

 その禿鷹が空高く舞い上がったとき、シーターの捜索に専心する猿たちの喜びようは凄まじかった。
 さて、空のように広大で近づき難く、その力強い波が打ち寄せ、クジラなどの危険な水生の生き物で満ちている海を見て、猿たちは次のように話し始めた。

「この大海をどうやって渡るというのか?」

 そして、アンガダがこう言った。

「おお、気高き猿たちよ! 私の言うことを聞きたまえ。御身らは皆、偉大なる強さと勇気と冒険心を授かっているのだ。御身らの中の誰が、この海を渡り、王の命を果たすことができるだろうか?
 その者は、間違いなくわれら全員の命の守護者となろう。ゆえに、これを果たせるほどの力を持つ者は、私の前に名乗り出るよう願いたい。
 その者はラーマ様やスグリーヴァ様と同様、われら猿たちすべての救世主となろうことに疑いはない。」

 太子アンガダはこのように言うと、猿の英雄たちは皆、お互いの顔を見て黙りこくってしまった。
 アンガダは再びこう言った。

「この使命の成就のために、それぞれが己の武勇を示したまえ。その後、誰がこの使命を果たせるのかを決めようではないか。」

 アンガダの言葉を聞くと、猿の英雄たちは次々に、自分が飛躍できる距離を述べていった。猿の大将たちは、十ヨージャナ以上から述べ始めて、前の述べた者よりもさらに十ヨージャナ以上跳ぶことができる者が次に申し出る、というようにして述べ合った。
 その猿の中から、ジャーンバヴァットがこう言った。

「わしは九十ヨージャナ跳ぶことができる。昔、マハーヴィシュヌがヴァーマナとして化身され、一歩で全世界を跨がれたときじゃった。わしは二十一回、彼の御足の周りを回ったのじゃ。しかし、わしは今は老いた。わしの跳躍能力は非常に限られたものになってしまった。」

 そしてアンガダはこう言った。

「私は海を跳び越えて向こう岸に行くことができる。だが、帰ってこれるかどうかは分からない。」

 英雄ジャーンバヴァットはこう言った。

「だが、御身はわれらのリーダーであり、王なのですぞ。たとえ御身に十分な力があろうが、その使命を御身に与えるのは相応しからぬことであると存じます。」

 これに対してアンガダはこう言った。

「そのようなことが現状であるならば 今一度われわれは、ダルバの寝床に横たわって断食して死のう。この使命を果たさずして、誰も生きる希望は持てぬ。」



◎ジャーンバヴァット、ハヌマーンを鼓舞する

 そして再びジャーンバヴァットが取りなしてこう言った。

「おお、息子よ! それでは御身に、この使命をいとも容易く、迅速に成し遂げられる者を示してさしあげよう。」

 そう言うと、彼は遠く離れてたたずんでいたハヌマーンを呼んで、こう言った。

「おお、ハヌマーンよ! この重大なときに、何ゆえに静かに一人たたずんでおられるのか? おお、勇者よ! 今こそ御身の力を示すときですぞ。御身は風神の子であり、彼同等の力を有しておられる。
 ラーマ様の目的を成就するために、御身はその神から生まれた。昔、御身はこの世に生まれたまさにそのとき、朝日を見るや、その太陽を熟した果物だと勘違いして、飛んでいってしまった。五百ヨージャナほど上昇すると、御身は大地に落ちてしまった。御身がそのような御業を為したとき、誰が真に御身の力の程度を計ることができたであろうか? 目覚めよ、ラーマ様からの使命を果たし、われわれを救いたまえ。」

 ジャーンバヴァットのそのような言葉に大いに心奮わせ、ハヌマーンは宇宙を裂くかのような獅子の咆哮を高々に放った。
 それから、彼はヴァーマナのように、山のように身体を巨大化させ、このように宣言した。

「大海を渡り、ランカーを灰と化して参ります。ラーヴァナを一族諸共滅ぼし、ジャナカのご息女シーター様を連れ戻してみせましょう。
 首に綱をくくって左手でラーヴァナを引きずり回し、右手でそこにある山ごとランカー全土を持ち上げてラーマ様の御許に参り、それらをお預けいたしましょう。
 あるいは、高潔なるシーター様の所在地を発見するや、戻ってまいります。」

 ハヌマーンのその言葉を聞くと、ジャーンバヴァットはこう言った。

「さあ、シーター様の居場所を見出した後、彼女が生きていようと死んでいようと、戻ってこなくてはならぬぞ。その後、ラーマ様と共にランカーへ行き、御身の力を示すがよい。
 おお、愛しき者よ! 大海を跳び越える覚悟を決めた御身に幸運あれ。御身に追い風が吹かんことを!」

 偉大なる猿の大将たちに祝福されながら、ハヌマーンは見るものすべてを驚嘆させる姿をとって、マヘーンドラ山の頂上から跳び上がった。
 そこで、山のように大きく、金色の肌をし、桃色で美しい顔をし、長い腕を持ち、蛇の王のように力強き、その偉大なる風神の子ハヌマーンを、多くの人々が見たのだった。
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今日のAMRITAチャンネル「キールタン・イメージビデオ」

2017-05-29 20:54:02 | 今日のAMRITAチャンネル

今日のAmritaチャンネルは、「キールタン・イメージビデオ」です。



曲目

1.放棄の翼
2.Chamundaye Kali Ma
3.アヴァターラ
4.願い
5.無限の恩寵
6.All one Maha Mantra
7.ハヌマーン

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ヴィヴェーカーナンダ生誕祝賀祭(インド大使館)において歌の供養

2017-05-29 16:57:05 | 松川先生のお話



 5月28日は、インド大使館で行われたスワミ・ヴィヴェーカーナンダ生誕祝賀祭において、ヨーガスクール・カイラスのメンバーが、今年も恒例の歌の供養をさせていただきました。

 今年は「放棄の翼」を供養させていただき、その後、ヴェーダーンタ協会の信者さんたちと一緒に、「ヴィヴェーカーナンダ・ジャイホー」を供養させていただきました^^


「放棄の翼」



















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アディヤートマ・ラーマーヤナ(45)「チャンドラマのサムパーティへの説法」

2017-05-29 08:46:57 | 経典の言葉・聖者の言葉

第八章 チャンドラマのサムパーティへの説法



◎サムパーディの過去の物語

 すべての猿たちは、サムパーティの言葉に非常に興味をそそられ、彼についてもっと知りたいと思った。ゆえに、彼らは彼にこう言った。

「おお、偉大なる御方よ! 御身の物語を最初から全部、われわれにお教えいただきとうございます。」

 サムパーティはそこで、過去の人生の出来事を語った。

「わしと弟のジャターユは若き頃に、強さに対する非常なる誇りから、太陽の領域まで飛んで行けるかを試したことがあった。
 われわれが数千ヨージャナ飛び上がったとき、わしはジャターユが太陽の熱に耐えられないのではないかと思い、彼を守るために、彼への愛から、彼を翼の下にかばったのだ。わしがこのように彼を守ったとき、わしの翼は太陽の熱で焼けてしまい、そのとんでもない高さから、ヴィンディヤ山の頂へと落下し、意識を失ってしまったのじゃ。三日後にわしは意識を取り戻したが、翼を失ってしまい、心の中は困惑しておった。そこが田園地帯なのか、山の頂なのかが分からなかった。
 わしがゆっくり眼を開けると、そこに非常に魅力的なアシュラムがあるのを見た。わしはゆっくりとそのアシュラムへと移動していった。
 そのアシュラムに住んでいた聖仙チャンドラマが非常に驚いて私を見て、こう言った。

『おお、サムパーティよ! なぜこのようなことになったのだ? 誰がこんなことをやったのだ? 私は以前から、偉大なる力を授けられた者としてあなたを知っていたのだ。どうしてあなたの両翼が焼けてしまったのだ? もし異論がないならば、そのすべてを私に教えておくれ。』

 そこでわしは、わしの物語のすべてを彼に語り、大きな悲しみで心をいっぱいにしながら、その聖仙にこう尋ねた。

『おお、聖者様! まるで山火事に飛び込んだかのように、私の体全部が焼けております。翼なしに、私はどうやって生きていくことができましょうか?』

 そこでその聖仙は、優しい眼差しで見つめながらわしにこう言った。

『愛しき者よ! 私の言葉をお聞き。そしてその後に自分の好きなように為すがよい。この身体から生じた一切の苦しみは、己の過去のカルマから生じたものである。』



◎チャンドラマの真我の哲学についての解説

『人は肉体を自分であると考えるがゆえに、カルマが作動するのだ。この人を肉体に縛り付ける「私」意識は無始であり、無智の結果である。それ自体においては、それは意識を持たない不活性のものであるが、純粋意識の反映と結び付くと、ちょうど赤熱の鉄の破片が火と結び付いて熱く輝いて見えるように、意識として見えるのである。肉体を「私」という感覚と同一視してしまうゆえ、肉体も意識を持っているように見える。
 「私」意識に支配されて、真我は自分自身を肉体であると思い、生死のサイクル、そして幸福と不幸の因果関係の経験に支配されてしまう。
 真我は本質的に不変であるが、この誤った認識によって、彼は、

「私は肉体であり、私はさまざまな行為の行為者である。」

というように考えてしまうのだ。ゆえに、具現化された存在は多くの行為の役者となり、どうすることもできずに自らの因果関係に縛り付けられてしまう。彼は自分が束縛されているのだと気付き、この輪廻転生の中を善と悪の行為の犠牲者として、あちらこちらを彷徨うのである。彼はこのように決心するだろう。

「私は供儀や慈善のような善行をたくさん行なった。ゆえに私は天界へ行き、その素晴らしい至福を存分に楽しもう。」

 そのような認識の感覚によって、彼は長い間天界の喜びを味わい、それらの善行の効力が衰えてくると、それと同様のカルマの力が、どんなにそれを嫌がったとしても、彼を低い世界に突き落とす。



◎ジーヴァの苦労

 降下してゆくジーヴァは、月の領域に到達し、そこから水滴と合一することで、地上へと降り、そして穀物に遭遇すると、それらと自分を同一視してしまう。その状態に長い間とどまった後、彼は四種類の食物のいずれかとなり、その状態で、人に食べられる。そして人間の身体の中で、彼は精子となり、女性の子宮の中に着床してその中で経血と結合することで、一日の内にカララという状態に固化され、胎盤で覆われる。
 五日の内に、胎児は泡のような物質に進化し、七日の内に筋肉組織へと変わる。
 十五日の内に血がその中に形成され、二十五日の内にそれから小さな芽が生じる。
 そして一ヶ月の内に、首、頭、肩、背骨、腹部が次々に形成されていくのである。
 さらに二ヶ月目には、腕、足、臀部、そして膝頭が次々に発達してくる。
 三ヶ月目には臓器の接合部分が、四ヶ月目には指が形成され、五ヶ月目には鼻、耳、眼、歯、爪、そして性器が生成される。
 六ヶ月目には、耳の穴、生殖器の穴、肛門、そしてへその穴が形成され、七ヶ月目には身体に毛が生え、頭骸骨が形成され、すべての臓器が独自性を持つ。そして八ヶ月目には、完全な人間の姿が形となってくる。
 このように、胎児は子宮の中で、徐々に成長していく。九ヶ月目には、胎児の至る所に、生命の兆しが見れるようになる。へその緒の小さな穴を通して、胎児はその母が摂取した食物のエッセンスのわずかを吸引する。それが死ぬことなく成長するのは、それ自らのカルマの力によるのである。
 そしてその胎児は、その過去の生と行為の記憶を思い出す。その記憶によって、胎児は腹部の熱に苦しみながら、次のように考えるのだ。

「無数の子宮に生まれ、私は多くの妻や子供、縁者や所有物と関わってきた。家族の生活維持のことで頭がいっぱいになって、私は正しいあるいは正しくない方法で、金を何とか稼いでいた。しかし不幸なことに、私は夢の中でさえも主のことを思ったことがなかった。
 その結果として今、私は非永続的な身体を永続的と考え、子宮の中で生き地獄を経験している。私は為すべきではなかったことを為してしまったのだ。私は自己に利益があることを何もしてこなかった。そのようなすべての行為に起因する苦しみを経験した後に、この地獄のような子宮を出たならば、それから先、私は常にマハーヴィシュヌの崇拝にわが身を捧げよう。」

 このように考えながら、彼は出産の強烈な力によって、ものすごい苦しみを味わいながら放出される。罪人が地獄から出てくるように、彼は、蛆虫のような外見の、嫌な臭いの肉体の穴から出てくる。その後に彼は、幼年期の苦しみを経験するのである。
 おお、ハゲワシよ! その幼年期や青年期などの人生の苦しみについては、すでにあなたや他の一切の者たちはよく知っているゆえ、それらについては述べないでおこう。
 肉体を自分自身と同一視することの結果として、ジーヴァは地獄の苦しみや、子宮の中での生活を経験するのである。
 ゆえに、微細と粗雑の身体を自己と同一視してしまうこの感覚を放棄し、人は自分自身をプラクリティを超越した真我であると認識すべきである。 「私は肉体である」という感覚を捨て、彼は自分自身を真我として理解すべきである。
 彼は、覚醒、夢、睡眠の状態に巻き込まれず、真理と意識をとして識別し、純粋、覚醒、シャーンティである真我として自分自身を理解すべきである。
 真理と意識の本性である真我が悟られ、無智によって生じた迷妄が消滅するならば、肉体が死んでも、動いているカルマの因果関係として生き続けるとしても、それは取るに足らないことである。悟った者は、自分自身が肉体であると認識することはなく、因果の結果として楽しむこともなく、その後に苦しみこともない。ゆえに、あなたの動いているカルマが尽き、肉体が滅ぶまで、蛇が皮膚の殻が離れていくまでそれを持ち運ぶように、あなたは肉体を同一視することなく、それの中に生きなさい。
 おお、ハゲワシよ! 私はまた別の、あなたに至上なる善性をもたらすであろう事柄について話そう。』



◎サムパーティのエピソードの結び

『永遠なる実在者ナーラーヤナが、ダシャラタの息子としてトゥレータ・ユガに降誕される。彼はラーヴァナを滅ぼすために、ダンダカの森に来られるであろう。
 彼が弟のラクシュマナと妻のシーターと共に森の中のアシュラムで暮らしているとき、ラーヴァナが、その二人の兄弟が森に出ている隙に、泥棒のようにこっそりとシーターを盗み去り、ランカーへと連れ去ってしまう。スグリーヴァに命ぜられ、猿の主将たちはシーターを探しに海岸にやって来る。あなたはあなたの功徳によって、彼らと出会うという好機を得るであろう。
 あなたは彼らに、シーターの真の居場所を告げるのだ。そのとき、あなたの二枚の翼は再び生えるであろう。』」



 サムパーティはこのように続けた。

「聖仙チャンドラマはわしにこれら一切のことを伝えてくださったのじゃ。さあ、御身らは、如何にしてわが肉体に、この上なく美しい翼が生えるのかを見るであろう。
 どうか、御身らが使命を果たさんことを。御身らは確実にシーター様を見つけることができるであろう。さあ、越え難き海を超えていくのじゃ。
 その御名を唱えることによって、邪悪な者にさえも輪廻の海を渡らせ、マハーヴィシュヌの永遠なる境地に到達させることのできる御方、三界すべての守護者であられる御方――その御方にとって、御身らは愛しい帰依者である。御身らにとって、この世の海を渡るに何の困難があろうか?」 
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アディヤートマ・ラーマーヤナ(44)「サムパーティとの出会い」

2017-05-28 07:05:49 | 経典の言葉・聖者の言葉

第七章 サムパーティとの出会い



◎猿たちの不安

 猿たちは、シーターの探索で疲弊しきったため、しばらく木の上で休みながら、非常に不安な思いに浸っていた。
 アンガダは、猿たちの一団にこう言った。

「洞窟を彷徨ったおかげで、われわれは探索のために与えられた一カ月の猶予をすでに使い尽くしてしまった。
 それにもかかわらず、いまだシーター様を見つけられておらず、王の命令は達成されていない。今われわれがキシュキンダーに帰ったら、スグリーヴァはわれわれを処刑するであろう。
 とりわけ、彼は私を殺すであろう。私は彼の敵の息子であるからな。彼は私に微塵の愛情もない。ラーマ様がいなかったら、私は生きてはいないであろう。
 ラーマ様の目的を達成できなったからには、邪悪なスグリーヴァはその失敗を口実にして私を間違いなく殺すであろう。
 あの邪悪なスグリーヴァは今、彼にとって母と見なされるべきであろう彼の兄の妻と交際している。ゆえに、おお、猿たちよ、私は彼のもとには断じて帰らぬ。
 だから私は、ここで命を断とう。」

 眼に涙を浮かべながら座っている彼を見た何人かの猿の将軍は、同情して涙を流しながら、彼にこう話した。

「何ゆえにそのように悔やんでおられるのか? われわれが御身を守り、御身の命をお助けいたします。この洞窟の中で一切の恐れなく、共にとどまり続けましょう。
 この洞窟では一切の望みのものが手に入ります。本当にデーヴァの都のようであります。」

 そのように猿たちの間で交わされた内輪の会話を聞いて、人々に慰めを与える能力に長けている風神の子ハヌマーンは、アンガダを抱擁してこう言った。



◎ハヌマーンが皆の恐れを鎮める

 彼はこう言った。

「何ゆえにそのようにお考えになられるのでありますか? そのような悲観的な考えは、御身に相応しからぬことでありますぞ。御身はターラー様のご子息であり、われらの王者に寵愛されているではありませぬか。
 それに、偉大なる能力をお持ちであられる。ラーマ様はラクシュマナにもまして、御身のことを愛しておられます。
 ゆえに、御身はラーマ様を恐れる必要は全くありませんし、とりわけわれらの王については言うまでもありませぬ。私は御身の支持者であります。どうか、思い違いをしたもうな。
 他の猿たちがこの洞窟内の絶対的な安全性について御身に助言したことは、信用なりませぬ。なぜならば、この三界において、ラーマ様の矢が届かない場所などはどこにもないからです。御身に誤った助言をした猿たちと一緒にいてはなりませぬ。なぜならば、彼らは妻子持ちであります。妻子を放棄できずして、どうして彼らは御身と共にいられましょうか?
 私は御身に高度な秘密の真理を解き明かしましょう。おお、ご子息よ! ラーマ様はただの人間ではありませぬ。あの御方は神、永遠なる実在者ナーラーヤナご自身であられます。シーター様は全世界を虜にする彼のマーヤー・シャクティであり、ラクシュマナは全宇宙を支えるアディシェーシャなのです。
 ブラフマー神の祈りに答えて、世界のすべての守護者たちが悪魔の一族を滅ぼすために人間の姿で降誕されました。
 われら猿たちも皆、主の住まう世界ヴァイクンタの住人なのです。至高者が人間の姿をとられたとき、われわれは彼のマーヤーの力により、猿の姿で降誕しました。過去生において、われわれは苦行によって主を懐柔し、彼の祝福を受けました。その結果として、われわれは彼の従者の立場を獲得したのであります。
 今もなお、マーヤーの力によってもたらされたものとして、われわれはあの御方のご奉仕をさせていただき、その後にまたヴァイクンタに達し、幸せに暮らすのです。」

 このようにアンガダを慰めて、ハヌマーンはすべての猿たちと共に、偉大なるヴィンディヤ山へと向かったのであった。



◎サムパーティとの出会い

 その後、シーターを捜索しながら少しずつ前進して行った猿たちは、南の海の沿岸近くにある偉大なるマヘーンドラ山の渓谷に到着した。
 どこまでも陸地がなく、深く、畏怖の念を起こさせるその海を見て、猿たちは皆、怯えあがった。
 彼らはその海岸の傍で歩みを止め、今後どうするかを考えていた。アンガダと他の勇猛なる猿たちは、次に打つ手を共に話し合った。
 彼らはこう考えた。

「あの洞窟を彷徨っていたゆえ、われわれはラーヴァナもシーター様も見つけられずに一カ月の時を費やしてしまった。
 スグリーヴァ様は、非情なる罰を与えるという傾向がある。彼は間違いなくわれわれ全員を殺すであろう。断食して死ぬ方が、スグリーヴァ様の手による死よりましである。」

 このように決め、彼らはダルバ草の寝床を広げてそこに横たわり、断食して死する覚悟を決めたのだった。
 ちょうどそのとき、マヘーンドラ山の洞窟から山のように大きな鷲が出てきて、ゆっくりと彼らが横たわっている場所に近づいてきた。
 断食して死のうとしている猿たちを見るや、その鷲はこう言った。

「食いものがたくさんあるわい。毎日一匹一匹食っていくことにしよう。」

 猿たちはそのような鷲の言葉を聞いて怯えあがった。
 そして彼らはこのように話し合った。

「この鷲はわれわれ全員を食うつもりだ。それに関してはいささかの疑いもない。
 おお、勇猛なる猿たちよ! われらはラーマ様に対していささかの奉仕もしていない。
 それにスグリーヴァ様にも、自分自身に対しても、奉仕を為していない。ゆえに、名誉となる功績なしに、このハゲワシの手で死を下されることで、ヤマの世界に身を委ねようではないか。
 ジャターユを見たまえ――いかにして彼がダルマのために自らを犠牲したことか。ラーマ様の敵に対抗して、彼はラーマ様のために命を捨てたのである。それによって彼は、リシでさえも得ることのできない解放を得たのだ。」

 猿たちのこの言葉を聞いたそのハゲワシのサムパーティはこう言った。

「御身らは、わしにとってたいそう愛しい名であるジャターユのことについて話しておる。どうか、御身らが何者であるかをわしに話しておくれ。おお、猿の英雄たちよ! わしのことは何も恐れたもうな。」

 そこでアンガダは起き上がり、その鷲のところへ行って次のように言った。

「ダシャラタのご子息、ラーマ様が、弟のラクシュマナと奥方のシーター様と共に、この深い森で暮らしておりました。ラーマ様とラクシュマナが狩りに出て行っている間に、邪悪なラーヴァナはシーター様をさらったのであります。シーター様は連れて行かれる間中、『ラーマ、ラーマ』と泣き叫ばれ、ジャターユという名の勇猛なる鷲がその鳴き声を耳にし、ラーヴァナに戦いを挑みました。このようにラーマ様のために戦った末に、彼は英雄なる死を遂げたのであります。
 ラーマ様は彼を火葬されました。それゆえ、彼はラーマ様との合一を得たのです。そしてラーマ様は偶然にスグリーヴァ様と出会い、火(アグニ)を証人として同盟を結ばれました。
 スグリーヴァ様の懇願により、ラーマ様は、誰にも打ち負かすことのできないヴァーリンを殺戮された。このように勇者ラーマ様はヴァーリンから王国を奪い取り、それをスグリーヴァ様に与えられたのです。
 その後、強力なるスグリーヴァ様は、偉大なる力を持つ猿であるわれわれに、シーター様の居場所を突き止めるよう命じられたのであります。

『一カ月以内に戻れ。さもなくば、御身らを罰するであろう。』

――これがスグリーヴァ様のご命令であります。そしてこの山の洞窟の中を彷徨っている内に、われわれは一カ月以上の時を費やしてしまったのです。われわれはまだ、ラーヴァナもシーター様も見つけられておりませぬ。ゆえに、この塩っ辛い海の岸で、断食して死ぬ覚悟を決めたのであります。
 おお、偉大なる鳥よ! もし栄光なる御方シーター様にことについて何か存じておられるならば、どうかお教え願いたい。」

 アンガダの言葉を聞いて、サムパーティはたいそう喜びながらこう言った。

「おお、偉大なる猿たちよ! ジャターユはわしの愛しき弟。長き年月が経過した後に、わしは御身らから弟に関する情報を得ることができた。御身らが探しているものに関する、ある有益な示唆を御身らにお教えいたそう。しかしその前に、弟の葬儀を執り行えるように、わしを海岸へと連れて行っておくれ。
 その後に、御身らの使命に有益なことについてお話しいたそう。」

 この申し出に同意し、猿たちは彼を海岸へと連れて行った。彼は海で沐浴し、死んだ弟に水を献じたのであった。その後に、猿の主将たちは彼を巣に戻した。そしてサムパーティは、猿たちを勇気づける言葉を語り始めたのであった。
 彼はこのように言った。

「トリクータ山の頂に、ランカーという都がある。そこで女悪魔たちに警護されながら、シーター様はアショーカの林に幽閉されておる。そのランカーという都は、海を百ヨージャナ渡ったところにある。鷲に与えられた遠くを見通す能力によって、わしはここから王都ランカーとそこに閉じ込められておるシーター様を見ることができるのじゃ。この百ヨージャナという距離の海を渡り、そこでシーター様を見つけることができる者のみが、彼女の発見という知らせを持って帰ることができるであろう。わし自身も、弟を殺したあのラーヴァナを滅ぼすよう努めたいものであるが、今やわしは翼がない。ゆえに、御身らで何とかして海を渡るのじゃ。その後に、ラグの大将ラーマ様がラーヴァナを滅ぼすであろう。
 さあ、話し合って、御身らの中で誰が、この百ヨージャナの距離の海を跳び越えてランカーに到達し、シーター様と会って話をし、彼女の発見の知らせを持って海を再び跳び越えて戻ってくることができるのかを選定しなさい。」

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アディヤートマ・ラーマーヤナ(43)「猿の捜索」

2017-05-28 06:55:41 | 経典の言葉・聖者の言葉

第六章 猿の捜索



◎捜索を命じられた猿たち

 スグリーヴァとラクシュマナは、少し離れたところに、洞窟の入り口で座っているラーマ――鹿の皮とぼろぼろの衣をまとい、頭頂をジャータで飾り、大きな眼に微笑みを湛え、シーターとの別離に心を乱し、そこに穏やかに座り、近くの鳥や動物を観察しておられるラーマを見つけた。青い肌のラーマを見るや、彼ら二人は馬車から降りて彼に近づき、彼の御足に跪いて礼拝した。
 すべての正しい行為のダルマの師であられるラーマは、スグリーヴァを抱擁し、彼の幸福について尋ねると、彼を側に座らせ、伝統に則って彼を歓迎されたのだった。
 そしてスグリーヴァは、深い信仰心を表現した態度で次のように言った。

「おお、主よ! ご覧ください。猿たちの強大な軍が集まっております。さまざまな大陸、湖、山々から、無数の猿がここに集結いたしました。彼らは皆、山で生まれましたが、実際はデーヴァたちの一部から生じたのであります。彼らはスメール山やマンダラ山のように大きく、変幻自在であり、また、あらゆる戦の形態を熟知しております。
 その上、彼らは皆、凄まじく強いのであります。――ある者は力において一頭の象と等しく、またある者は一万頭もの象と等しい力を有しています。そしてさらに、推定不可能なほどの力を持つ者もおります。それらの猿の英雄たちは、さまざまな肌の色をしております――ある者は白銀色に光り輝き、ある者は黄金色の肌を持ち、ある者は赤い顔をし、ある者は長い尻尾を持ち、ある者は水晶のように澄み切っていて、またある者は悪魔のようです。それらのさまざまな大きさと姿の猿たちは、轟音を立てて自らの戦への熱望を表現しながら徘徊しております。
 おお、主よ! これらすべての猿の英雄たちは、根と果物を常食とし、御身の御名のもとにここに集結いたしました。その上、彼らの他にも、賢明で勇敢なるジャーンバヴァット率いる熊の軍隊もおります。
 そしてここには、わが名だたる大臣の長であり、偉大なる力と勇気で名高い一千万の猿たちの主将であるハヌマーンがおります。彼は風神の子であり、限りない武勇を持ち、智者の中でも最も優れた者であり、外交術に長けているのです。
 次に、おお、ラーマ様! その他のわが将軍たちの名を、位が高い順にお聞きください。ナラ、ニール、ガヴァヤ、ガヴァークシャ、ガンダマーダナ、シャラヴァ、マインダ、ガジャ、パナサ、バリムカ、ダディムカ、スシェーナ、タラ、そしてハヌマーンの気高く強大なる父であるケーシャリー。彼らは皆、偉大なる特質を授かり、好戦的な性質においてはインドラ神と同等のものを持っております。彼らはすべて神から生まれ、一千万の猿の主将であり、御身の命令を遂行するためにここに集結しました。
 このヴァーリンの息子のアンガダは、強さにおいてヴァーリンと同格であり、悪魔の軍を滅ぼす能力があります。そしてこれらの他の者たちもそれぞれが皆、山の一部を投げ飛ばすことができ、敵の部隊を破滅させることに長けており、御身のために命を捨てる覚悟をしてここに集まったのです。おお、ラグ族の中で最も気高き者よ! 彼らは皆、すぐにでも御身の命を遂行できますゆえ、お好きなようにお使いください。」

 ラーマは、眼に歓喜の涙を浮かべつつ、スグリーヴァを抱擁して、こう仰った。

「おお、スグリーヴァよ! 御身はわれわれが取り掛からねばならぬ使命のただならぬ本質を理解している。ならば、ぜひともジャナカの娘のシーターの居場所の捜索を始めてくれ。」

 大いなる歓喜に包まれながら、スグリーヴァは、シーターの捜索に取り掛かるよう、すべての強力な猿の従者たちに命じた。その一方、至る方向にさまざまな種類の猿を派遣しながら、十分な検討の後、彼は従者の中から南方に送るための特別部隊を選抜した。この部隊には特別に、太子アンガダ、ジャーンバヴァット、大勇者ハヌマーン、ナラ、スシェーナ、シャラバ、マインダ、ドゥヴィヴィダが選抜されたのだった。スグリーヴァはこの捜索隊に次のように命じた。

「御身らは、徳高く美しいシーター様の捜索に一寸も努力を惜しんではならぬ。一カ月の猶予の内に捜索を終わらせるのだ。シーター様を発見できなくとも、その期間の経過の後、一日でも遅れて帰還する者は、私の手で、死刑を含む厳しい罰を与える。」

 これらの指示を与えて、強力なる猿たちを派遣した後に、スグリーヴァはラーマの御前で礼拝し、彼の側に座った。
 旅立とうとしているハヌマーンを見つけると、ラーマは彼を側に呼び、こう仰った。

「シーターに正しく認識できるよう、印として、私の名が刻まれたこの指輪を、ひそかに彼女に渡すのだ。おお、猿の主将よ! 私はお前がこの計画において最重要の使者であると見なしている。お前の武勇は十分に理解した。さあ、行きなさい。どうかお前の努力が実を結ばんことを。」



◎スワヤンプラバとの出会い

 王にシーターの捜索を命ざれたアンガダとその他の猿たちは、長い間あちらこちらを探し彷徨っていた。
 ヴィンディヤーという名の森で、彼らは鹿と象を食って生きている獰猛で巨大な悪魔に出くわした。
 これらの偉大なる猿たちの何人かが、この怪物をラーヴァナだと思い、熱烈な叫び声をあげながら拳でその怪物を殴った。
 その怪物がラーヴァナではないと気づくと、彼らは他の森へと向かった。そこで彼らは飲み水の問題に直面したのだった。
 喉と舌を乾かせながら深い森を彷徨っていると、彼らは草と蔓の茂みで隠れた大きな洞窟を発見した。
 ハンサのような鳥が翼から水を滴らせながらそこから出てくるのを見て、そこの中に水があるに違いないと思った彼らは、その中に入っていくことに決めた。まず最初にハヌマーンがその洞窟に入り、彼に導かれながら、水を見つけることができるという希望に大いに興奮した何人かが、ハヌマーンの手を取りながら彼について行った。
 長い暗闇を抜けると、猿たちは非常に奇妙な場所に出くわした。彼らは水晶のように透明な水の湖をそこで見つけた。そしてそこには、それぞれ一つ一つが約十六杯のジュースを作れるくらいの果物でたわわなる、望みを叶える天樹カルパカ・ヴリクシャのような樹があった。
 そこで彼らは、精巧に建てられた家々、たくさんの高価な宝石、衣服、素晴らしい食物の材料を見つけた。しかし、その場所には住人がいなかった。非常に不思議に思ってその場所を調べてみると、ある家の中に、木の皮の衣をまとい、完全に瞑想に没頭して座っている光り輝く女性の姿があった。
 その猿たちは心を崇敬と信仰心で満たし、その女性苦行者に礼拝した。彼女は猿たちにこう尋ねた。

「あなた方はどこから、何の目的でここへいらしたのですか? あなた方は誰の使者でありますか? なぜあなた方は私の住居に入って来たのですか?」

 その問いに対して、ハヌマーンがこう答えた。

「おお、尊き御方よ! 私が、われわれについてのすべてのことをお話しいたしましょう。アヨーディヤーを支配するダシャラタという名の豊かで強力な大王がおりました。気高く名高い彼の長兄はラーマという名でございます。父の命令に従って、彼は妻のシーター様と弟のラクシュマナと共に森に行って暮らされました。そこで、彼の貞淑なる妻が、邪悪なるラーヴァナによってさらわれてしまったのです。その後、ラーマ様は弟と共に、偶然スグリーヴァと出会い、彼と同盟を結びました。同盟者として、スグリーヴァはラーマ様の妻の捜索を開始し、われわれ全員をそのために派遣されたのです。この森を通ってシーター様を探していると、われわれはとても喉が乾いていることに気づき、喉の渇きに駆られて、恐ろしい暗闇の洞窟の中に入って参りました。そして幸運なことに、あなたを偶然見つけたのであります。われわれはあなたがどなたなのか、なにゆえにここに住んでおられるのかを知りとうございます。どうか教えてください。おお、気高き御方よ!」
 
 猿たちを見て非常に喜んだその女性苦行者は、彼らにそこに実っている果物や甘露のような水を、お腹が満たされるまで飲み食べしてから、彼女の物語を聞くようにと言った。猿たちはそれに従い、空腹と喉の渇きを満たした後に、彼女の周りに集まり、合掌して礼拝した。それから、神のようなその女性苦行者は、ハヌマーンを呼んでこう言った。

「昔々のことでした。神のような容姿のヘーマという名のヴィシュヴァカルマの娘がおりました。踊りの能力によって、彼女はマヘーシュワラを懐柔したのです。お喜びになった主マヘーシュワラは、彼女に住処としてこの場所を与えられました。彼女は、長い年月の間この場所に住みました。
 私は彼女の友です。私はマハーヴィシュヌに献身していて、解脱を熱望しております。私の名はスワヤンプラバといい、ディヴィヤーという名のガンダルヴァの娘です。
 わが友ヘマはブラフマーローカに至る前に、私にこう言いました。

『あなたは、他の生き物のいないこの隠遁地で暮らして苦行をするのです。
 トゥレータ・ユガにおいて、永遠なる、朽ちることなき御方、ナーラーヤナが、ダシャラタの子として降誕されます。彼は、地球の重荷を軽くするために、この森を彷徨われるでしょう。
 彼の妻のシーターを探しに、猿の部隊がこの洞窟に来きます。彼らに適切なもてなしをなし、そして心からの礼拝をラーマに捧げるのです。その後、あなたはヨーギーの唯一の目的であるヴィシュヌの境地に達するでしょう。』

 ゆえに今すぐに、私は急いでラーマに会いましょう。
 あなた方皆さんは眼を閉じてください。そうすれば、一瞬でこの洞窟の外に出るでしょう。」

 猿たちはそれに従った。気がつくと彼らは、今しがたいた森の中にいたのだった。



◎スワヤンプラバの賛美

 次に、その女性苦行者スワヤンプラバはただちにその洞窟を去り、ラーマがいらっしゃる場所へと行った。ラクシュマナとスグリーヴァと共におられるラーマを見るや、その気高き女性は、彼の周りを繰り返し回り、身体全身に鳥肌を立てながら彼の前で礼拝した後、感情で声を詰まらせながらこう言った。

「ああ、偉大なる御方よ! 私はあなたのしもべでございます。あなたにお会いしにここにやって参りました。あなたの御姿を見るために、私は苦行をしながら数えきれない年月の間を洞窟で暮らしてきました。わたしの為した苦行は、今日実を結びました。あなたはすべての者の心の内にも外にも住んでおられるにもかかわらず、マーヤーの範疇を超越しているために目に見えません。その至高者に、私は今、礼拝いたしました。あなたは役者のように、マーヤーというカーテンの裏に隠れております。人間として化身されても、あなたは無智によって視覚を損なってしまった者たちには認識できないのです。あなたは、大望を抱いてバクティを追い求める者たちに対して、信仰を通じて交流を授けるために降誕されました。ああ、至高主よ! 私のようにタマスに浸されている者が、いかにしてあなたを認識できるでしょうか? ああ、ラグ族の主よ! 哲学者たちにはあなたの真の本性を理解させそうと努めてください。しかし、私に関して申し上げると、私はあなたのこの御姿に満足しております。この御姿が永遠に私の心の中で光り輝き続けますように。そして私は解脱の道を示されるあなたの御足を拝見いたしました。
 モークシャを追い求めるすべての者たちに真理を明らかにする御方であり、所有を持たない者たちの中の富であられるあなたは、輪廻に沈む者たちの眼には見えず、富や縁者や権力に自惚れている者たちに対しては、言葉の対象にさえもなりえないのです。
 プラクリティのグナを超越したあなたに礼拝し奉ります。
 あなた以外に何も富を持たない者たちの富であられるあなたに礼拝し奉ります。
 永遠にご自身の至福の中に浸っていらっしゃるあなたに礼拝し奉ります。
 グナを超越しているにもかかわらず、グナとして顕現されるあなたに礼拝し奉ります。
 私はあなたを『時』として見、一切の主として見、始まりも終わりもない御方であると見、すべてのものの中に変化することなく住んでおられる御方であると見、そして一切を超越した至高者であると見ます。
 ああ、主よ、誰もあなたの人間としての降臨の不可思議を理解することはできないのです。
 あなたにとって、愛しいものはおらず、嫌いなものもおらず、無関心なものもいません。あなたのマーヤーによって視覚を曇らされた者たちは、それらの違いを、あなたに起因するものであると見なします。あなたは生じることなく、行為することなく、一切を支配しているゆえ、デーヴァ、人間、人間に近い生き物の中に化身されたあなたの誕生や行為の物語は、あなたがとられた現われに関することに過ぎないのです。
 あなたは本当は不生不滅であられるにもかかわらず、帰依者たちがあなたについての話、救済のための方便としてのあなたの御業を聞くことができるように、あなたはお生まれになるのだと言う者もおります。ある者は、あなたの御降誕は、コーサラ国のダシャラタ王の苦行の達成としてあるのだと言い、またある者は、カウサリヤーの祈りのたまものであると言います。さらに他の者は、ブラフマーの祈りへの返答であると言います。
 あなたは、地球から邪悪な悪魔という重荷を取り除くために、人間として降誕されました。ああ、ラグの主よ! あなたの御業や素晴らしい美徳について聞き、歌う者は誰でも、輪廻の海を渡らせてくださるあなたの御足に達するのです。知覚できる対象ではなく、すべてに偏在するあなた――そのあなたのマーヤーのグナの制約によって生じる『私』意識とは異なるあなたを、私は如何にして知り、あるいは称えられるというのでしょうか? 私は、弓矢を身に着け、弟のラクシュマナとスグリーヴァと共におられるラグの主に礼拝し奉ります。」

 このように賛美を歌った敬虔な女性苦行者に対して、彼に礼拝した者たちの罪を根絶される御方であられるラーマはこう仰った。

「望むものを言いなさい。」

 彼女は素晴らしい信仰心を抱きながらこう答えた。

「私がどんな者の胎内の中に生まれようとも、おお、帰依者たちの主よ、私にあなたへの確固不動の信仰心をお与えください。
 私が永遠にあなたの帰依者と結び付いていられますように! そして世俗的な人々とは絶対に付き合うことがありませんように! 私の舌が永遠に信仰心を抱きながら『ラーム、ラーム』とあなたの聖なる御名を唱えますように。
 私の心が永遠に――腕輪、足輪、真珠の首飾り、耳飾り、カウストゥバの宝珠で飾り立てられ、光り輝く王冠、黄色の衣、そして弓矢を身に着け、シーターとラクシュマナと共に、青い肌をされたあなたの御姿を思っていられますように。」

 ラーマはこう仰った。

「ああ、気高き女性よ! その祈りは聞き入れた。バダリの森に行き、そこで私を思うことで、あなたは五大元素でできているこの肉体を放棄し、ただちに至高者である私に達するであろう。」

 ラーマのこれらの甘露の言葉を聞くと、女性苦行者スワヤンプラバは、バダリの森へ行き、そこでラーマを瞑想して肉体を放棄し、至高なる境地に到達したのだった。

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アディヤートマ・ラーマーヤナ(42)「スグリーヴァへの最終通告」

2017-05-28 06:54:48 | 経典の言葉・聖者の言葉

第五章 スグリーヴァへの最終通告



◎ラーマがシーターを思って嘆き悲しむ

 その間、その眩い山に住みながら、ラーマはシーターとの別離に極度に苦しまれて、次のように仰った。

「ああ、ラクシュマナよ! 見ろ、私のシーターが悪魔に無理やりさらわれてしまった。彼女が死んでいるか生きているかも未だわからない。彼女が生きているという知らせを持って来る者が、私の命を救ってくれるだろう。私はその者に非常に感謝するだろう。あの私の貞淑な妻の居場所が分かれば、アムリタが海から取り出されるように、私は彼女を力づくで取り返してやる。聞け、おお、弟よ、これは私の誓いである。シーターをさらった者は誰であろうと、その者の息子と兵隊諸共、灰と化してやろう。
 ああ! おお、月のような顔をしたシーターよ、お前が悪魔などの住処で私を見ることもなく生き続けねばならないなど、それが如何に哀れなことであるか、私には想像できる。私にとっても、月のような顔の妻と別れてから、この月光でさえもが、太陽光線のように熱いように思われる。
 ああ、月よ! ジャナカの娘のシーターに触れることであなたの光を冷してから、私の体に触れておくれ。あのスグリーヴァは残酷な者のようだな。あいつは私がどんなに苦しんでいるかを知らない。すべての敵から解放されて王国を手に入れた後、奴は女と内密に暮らし、わがままに酒に耽っている。それは奴が全くの恩知らずであるということの証明と言えよう。
 春が来たにもかかわらず、わが妻の探索を開始する合図がない。意地が悪く、考えなしであるゆえ、奴は恩人である私を忘れてしまったのだ。
 私は奴を都と一族諸共滅ぼそう。ヴァーリンと同じように、奴をあの世に送ってやろう。」

 ラーマがこのように怒りを示しているのを見て取るや、ラクシュマナはこう言った。

「あなたが望むことは何でも私に命じてください。ただちに私が行って、スグリーヴァを殺して参りましょう。」

 そう言うと、ラクシュマナは、弓と矢筒と剣を装備し、出発の準備を整えた。そこでラーマは彼にこう仰った。

「愛しき弟よ! スグリーヴァは私の近しき友だ。お前が殺すのは相応しくない。
 ヴァ―リンのように殺されるであろうと彼を脅すだけにするのだ。そのように伝えれば、彼はすぐに返答をくれるだろう。私はその後に為すべきことを決めよう。」

 それに同意して、偉大なる武勇を持つラクシュマナはただちに、言わばラーマの怒りの炎によって猿族諸共焼き払われることが決定されたキシュキンダーへと向かった。
 しかし、全智者であり、ラクシュミーと共に永遠に住まい、純粋意識の本性であるラーマは、なぜシーターとの別離から普通の世俗の男のように心を乱しているように見えるのであろうか? ブッディの目撃者であり、マーヤーとその影響を超越し、実際には執着と嫌悪の外側におられる彼が、なにゆえにマーヤーの影響、つまり世俗の悲しみに苦しめられているのであるか? この不可思議なることの答えはこれである。――ブラフマーの懇願を成就するため、ダシャラタ王の苦行に対する適切な恩恵を与えるために、彼は人間の姿をおとりになられた。それに加えて、マハーヴィシュヌご自身であられる彼は、輪廻に心奪われた者たちに、一切の罪を根絶させるための手段としてラーマーヤナの物語を提供することを望まれたのだ。ゆえに、彼は俗世間でどのようにして振る舞うのか、そして最も高い神秘性の人生に如何にして達するのかを人々に教えるために、ラーマとして人間の姿をとられたのである。そしてそのために、一切のプラクリティのグナを超越した御方である彼は、怒り、迷妄、欲望などに夢中になった者のように、時と環境に準じて、――実際に女性への愛情に支配された無力な男として振る舞われた。
 彼は実際には、純粋意識の権化であり、力である。彼はプラクリティのグナを超越した純粋なる目撃者なのだ。ゆえに、空が何にも影響を受けないように、彼は、欲望や怒りやその他の煩悩によって影響を受けない。無智の中にある世俗の者たちは、ラーマには執着や怒りや弱さがあると信じるであろうが、サナカや他のリシたちは、彼についての真理を知り、それによって彼に到達した。ゆえにこれも、心が純粋で、主への信仰を授かっている者によって悟られる真理である。
 不生であり、永遠に実在しておられる彼は、心の純粋さと霊性のキャパシティの程度に応じて、帰依者の前に正体を現されるのだ。



◎脅迫的なムードのラクシュマナ

 そしてラクシュマナはキシュキンダーの都に近づくと、弓の弦をはじき、すべての猿たちの心に恐怖を撒き散らした。すると、普通の猿たちは自己防衛のために、手に岩や木を持って荒々しい声を出し、守りを固めた。そのような威嚇してきた猿を見るや、ラクシュマナは彼らを全滅させようと、弓をしならせた。
 ラクシュマナの到着を聞くと、大臣の長であるアンガダは彼に会いにやって来たのだった。彼はすべての猿を追い払うと、ラクシュマナの側へ行き、彼に礼拝した。
 そして勝利者の物腰をしているラクシュマナは、アンガダを抱きしめると、彼にこう言った。

「愛しき友よ! ラーマ様は非常にお怒りだ。彼の命により、私はここに参った。この知らせを御身の叔父に伝えたまえ。」

 それに同意し、アンガダは急いで戻ると、スグリーヴァにラクシュマナの到着を知らせた。
 ラクシュマナがカンカンに怒りながら都の門に到着したことを聞いて、スグリーヴァは恐怖に怯え、彼が信用している大臣のハヌマーンを呼んだ。彼はハヌマーンにこう言った。

「即刻アンガダと共に赴き、ラクシュマナの怒りを静め、宮殿にお入りくださるよう、なんとかして説得したまえ。」

 このようにハヌマーンに命じると、猿の王はターラーにこう言った。

「御身も行って、甘い言葉でラクシュマナをなだめ、ここに来るように説得してくれないか。
 彼の怒りが静まった後、私は彼と会おう。」

 それに同意すると、ターラーは宮殿の中央区域へと行った。アンガダはハヌマーンと共に門に赴き、ラクシュマナに挨拶した。彼らはラクシュマナにこう言った。

「おお、偉大なる御方よ! おお、名誉ある御方よ! おお、英雄よ! ここを御身ご自身の家と見なして、お入りください。スグリーヴァとその妻に会見された後、われわれに為すべきことをご命令ください。われわれはそれに従うでありましょう。」

 偉大なる信仰を抱いてそう言うと、風神の子ハヌマーンは手をつかんで、ラクシュマナを通りの真ん中から宮殿の中へとお連れした。
 ラクシュマナは、四方八方に地域の長たちの巨大な住居を見ながら、インドラの住居に匹敵するほどの王の宮殿に到着した。
 そして宮殿の中央区域に来ると、月のように美しく、宝石で飾り立てられ、酩酊のような状態で眼を真っ赤したターラ―が彼に挨拶した。ラクシュマナに挨拶をした後に、彼女は微笑みながら彼にこう言った。

「ああ、縁者よ! あなたの幸福をお祈りいたします。あなたは気高き行為者であられ、あなたの帰依者たちには格段に愛を注いでくださいます。しかし何ゆえにあなたは、敬虔なしもべである猿の王に怒りを向けておられるのですか? 彼は長い間、絶え間なく悲しみと困難に苦しまれてきたのであります。そして今、彼はあなた方によって、その困難な状況から救われました。あなた方の恩寵により、彼は繁栄を取り戻されたのです。しかし、気高きスグリーヴァが、性欲の楽しみに夢中になってラーマ様のことを忘れているなどとは思いたもうな。ああ、主よ! 猿たちが四方八方から戻って来るでしょう。ラグ族の末裔よ! 一万もの猿が、山のような大きさの猿たちの強大な軍を結集するために、至る所に派遣されました。
 スグリーヴァは、自ら猿の軍と共に行き、ラーヴァナを含むすべての悪魔共を滅ぼすでありましょう。
 猿の王スグリーヴァは、ただちにあなたと共にラーマ様の御許に参ります。さあ、何とぞ宮殿に入り、一族の長であるスグリーヴァにお会いください。彼の恐怖心を取り除いたのち、彼を連れていってください。」
 
 ターラーの言葉で若干怒りが和らいだラクシュマナが宮殿の居住棟の中に入っていくと、スグリーヴァは妻のルーマーと共にベットに座っていた。ラクシュマナを見るや、スグリーヴァは酔っぱらったような状態で眼を回しながら極度に恐怖して、立ち上がった。そしてラクシュマナは憤慨して彼にこう言った。

「見下げた果てた奴だ! 御身は、ラグ族で最も偉大なる御方ラーマ様のことを忘れたようだな。覚えておきたまえ。あの英雄ヴァ―リンを殺戮した矢は、常にあの御方と共にあるということを。
 私に殺されることで、御身もヴァーリンと同じ道を辿るであろう!」

 このように厳しい口調でスグリーヴァを脅したラクシュマナに、英雄ハヌマーンはこう言った。

「何ゆえに御身はそのような口調で話されるのでありますか? この猿の王は、御身以上にラーマ様に献身しております。常にラーマ様のことに眼を光らせておりました。片時も忘れたなどということはございませぬ。一千万の猿がすでに到着しております。周辺を見渡してください。彼らはすぐにシーター様の探索を開始し、スグリーヴァ様はラーマ様の目的を完遂するでありましょう。」

 ラクシュマナはハヌマーンの言葉を聞いて、自分の行動を恥ずかしく思った。ちょうどそのとき、スグリーヴァが前に進み出てきて、適切な方法でアルギャとパディヤでラクシュマナを歓迎した。
 ラクシュマナを抱擁すると、スグリーヴァはこう言った。

「私はラーマ様のしもべであります。私はあの御方によって救われたのです。ラーマ様はご自分の力で、一瞬にして全世界を征服することもできます。わが猿軍はそのご計画におけるほんの一助に過ぎません。」
 
 ラクシュマナはスグリーヴァにこう言った。

「もしかすると、私はしゃべり過ぎてしまったのかもしれませぬ。おお、名誉ある者よ! 私はただ、御身に対する愛からすべてを話したのだ。どうか私を許しておくれ。おお、スグリーヴァよ! 今にでもラーマ様にお会いしに行こうではないか。あの御方はジャナカの娘のシーター様との別離のために悲しみに包まれながら、山の上にお一人でいらっしゃる。」

 それに同意して、スグリーヴァはラクシュマナと共に馬車に乗り込んだ。猿たちを引き連れて、彼はラーマの御許へと向かったのであった。
 太鼓やムリダンガなどの楽器の伴奏に合わせて、儀式用の白い傘や孔雀の羽の扇を備え、ハヌマーン、ニーラ、アンガダ、そして熊と猿の有力な従者たちが率いる大臣たちの一団と共に――スグリーヴァはただちに、ラーマの御許へと向かったのであった。

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今日のAMRITAチャンネル「アニメ・リトルクリシュナ 第10話」

2017-05-28 04:46:33 | 今日のAMRITAチャンネル
 今日のAmritaチャンネルは、「アニメ・リトルクリシュナ 第10話」です。
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アディヤートマ・ラーマーヤナ(41)「プラヴァルシャナのリトリートにおけるラーマ」

2017-05-27 22:20:22 | 松川先生のお話

第四章 プラヴァルシャナのリトリートにおけるラーマ



◎ラーマがラクシュマナに儀式的な礼拝を教える
 
 ラーマとラクシュマナは、山腹にある宝石でできた洞窟の中を気晴らしに歩き回り、そこで大量に採れる果物や根で大変満足して暮らした。
 そこでラーマは空に、大量の雨雲が、雷の轟と稲妻の閃光を放ちながら、風に吹かれて動いているのを見て、驚嘆した。
 それらはそのてっぺんに金色の座をつけた発情した象の頭のようだった。

 草で覆われた山肌には、新鮮な緑の草を食んで幸せそうに肥えている鳥や獣たちが遊びまわっているのが見られた。彼らはそこで、いっぱいに開いた眼でラーマを見て、立ち尽くしていたのだった。
 常に瞑想に没頭している苦行者のように――主がこの森と山で人間の御姿で歩き回っているように、本当は至高者に仕えるためにやって来たシッダ方であるそれらの鳥と獣たちは、ラーマを凝視しながら立ち尽くしていた。

 ある日、ラーマが瞑想の後に、内観的な気分で一人で座っておられたとき、ラクシュマナが愛を抱いて、謙虚に彼に近づいてきて、こう言った。

「教えによって、あなたは過去にアヴィディヤー(無明)から生じた私の心の疑念を取り除いてくださいました。
 私は今、カルマヨーギーは如何にしてあなたに儀式的な礼拝を捧げるのかを、あなたからお聞きしたいのです。この道は常に、解脱に達するための方法としてヨーギーたちによって求められています。さらに、ナーラダ、ヴィヤーサ、そして蓮華から生じたブラフマーは、ブラーフマナ、クシャトリヤ、ヴァイシャにも、さらにまた、女にも、シュードラにも解脱を与える道として、それを説いております。おお、偉大なる御方よ! どうか、私以外に全世界もがそれによって利益を受けることができるよう、あなたの弟であり帰依者である私に、解脱へと素早く万人が到達することができる方法をお話しください。」

 シュリ―・ラーマはこうお答えになった。

「私の儀式的な礼拝の道には終わりがない。ゆえに、私はお前に、その重要性に基づいた本質的な部分についての手短な説明をしよう。
 家系の伝統に従って聖糸を授けられた後、人は正式なグルから私のマントラと礼拝のイニシエートを受けなければならない。そして彼は、深い信仰と心遣いと共に、師に示された通りに私の礼拝を遂行し始めるべきである。礼拝は、心、あるいは火、像、太陽、サラグラムに住まう私に捧げるとよい。大望を抱く者は、まずは朝の沐浴によって身体を清めるべきだ。
 彼は沐浴中には、適したマントラ、ヴェーダ、タントラの言葉を唱え、泥や、身体を清めるための聖典によって許されたものを塗りつけなくてはならない。それから、サンディヤーや他の日々の儀式を行うべきだ。
 純粋な心で、彼は儀式の遂行の成功のために、礼拝の最初にサンカルパ(正しい決意)を唱えなければならない。それから礼拝者は『グルは私(至高者ラーマ)である』という信念を持って、心の中でグルを崇拝すべきである。
 礼拝が石を媒体として為されるならば、日々の儀式的な水かけが行なわれなければならない。礼拝の対象が像ならば、それを磨くことが必要だ。それから供物は、よく知られた花、サンダルの粉などの材料で作られるべきである。礼拝が実を結ぶためには、純粋で誠実な心で、梵行を遵守し、グルによって説かれた伝統に従った礼拝の手段を堅持して行なわれなければならない。花冠などで像を飾り付けることは、大いに私を喜ばせることである。
 礼拝が火を媒体として行われる場合は、ギーやその他の材料で泰納が為されるべきである。太陽が礼拝の対象であるならば、太陽を象徴する儀式的な図柄を床に書き、それに礼拝を捧げるべきだ。材料はというと、帰依者によって確固たる信を持って捧げられた供物ならば、それがただの水でさえも私は嬉しい。ならば、花々やサンダルの粉、お香、そして果物や甘いお菓子の供物、パヤサやその他のおいしい料理が捧げられたときの私の喜びは言うまでもない。
 礼拝者は下にクシャ草を、その上に鹿の皮や布をひいて、座るべきである。彼は心を純粋にし、聖なる思いで満たし、神に向かって座らなければならない。
 それから、人はニャーサ(マントラを唱えて指を置くこと)を行うべきだ。まず最初に行われるべきニャーサは、マトリカ・ニャーサである。これは、身体と礼拝する像に五十一の文字を置くものである。それから、二十四の神聖なる御名を置くことでケーシャヴァディ・ニャーサを行ない、この後にタットヴァ・ニャーサを行うべきである。
 次に、ムルティパンガラ・ニャーサ(ヴィシュヌ・パンジャラ・ストートラの中に記されている神聖なる御名を身体中に置くこと)が行われるべきである。その後、マントラ・ニャーサが行われなければならない。これら一切は像に対して綿密に行われるべきなのだ。
 そして、その前の少し左のところに水瓶を、その右側には供養するための花を置くべきである。同じように、四つの器を、アルギヤ、パディヤ、アチャマナ、マドゥパルカのために用意し、それから人は太陽のように光り輝く心臓の蓮華に、真我の粒子であるジーヴァ(具現化された魂)を瞑想すべきだ。
 そして、それが頭のてっぺんから爪先までの身体全体に充満していると瞑想しなければならない。次に、自分の中のその神聖なる意識を、毎日、礼拝の対象の像の中に移し、それを生きている存在として感じるべきである。
 それから人は、パディヤ、アルギヤ、アチャマニヤ、かけるための水、布、装飾をもって、その手段に従って誠実に私を礼拝しなければならない。
 さまざまな礼拝の手段をとる者たちは、毎日、カルプラ、クンクマ、アキル、サンダルの粉、芳しい花々を供養すべし。
 大望を抱く者は、アガスティヤ・サンヒターで記されているように、ダサヴァラナ・プージャーの熟練者の助けを借りて行えばよい。毎日の礼拝は、お香、灯明、さまざまな種類の食物の供物、水かけなどを、偉大なる信をもって行なうべし。一切の主である私は、偉大なる信と誠実さを持って供養されたものは何でも受け取る。マントラに熟練した者たちも、毎日聖典の指示に従って火の供養(ホーマ)を行うべきである。
 アガスティヤ・サンヒターに書かれている規則に従って掘った供儀用の穴の中に、アーガマに通じている者は、ムーラ・マントラやプルシャ・スクタを唱えながら、ギーやその他の材料の奉納をすべし。
 あるいは、特に供儀用の穴を用意しなくても、聖火の中でチャルを奉納してもよい。供養をしている間、金色で、神聖なる装飾で飾られ、炎の中に住まう私を思いなさい。
 次に、心に私を思いながら、私のマントラを静かに復唱すべきである。その後に、私にキンマの葉を捧げ、踊り、歌、讃嘆、詠唱、聖典の朗読に従事しなさい。そして次に、心に私を思いながら、完全なる礼拝を捧げるべきである。
 彼は次に、心の中に、神が、捧げられた花などを、恩寵のしるしであるプラサードとして自分に与えてくださっていると観想し、それらを頭に置かなければならない。そして、心の中で神の御足を掴んで、御足に頭をつけ、
『おお、主よ! この生死の繰り返しである輪廻の恐ろしい生から私を引き上げてください。』
と祈るべきである。このように祈りながら、人は礼拝すべし。
 それから、礼拝のために神を意識の中から連れ出したように、ウドヴァサという儀式に則って、彼を自分の中に連れ戻さなければならない。
 私が解説したように私を礼拝するならば、人は今生と来生において、私の恩寵により、霊性の幸福を得るであろう。
 帰依者が毎日このように私を礼拝するならば、彼は私自身の姿を得ることで、サルーピャ(姿が似ること)あるいは救済を得るであろう。そこには少しの疑いもない。
 この私によって説かれた私の礼拝の至高なる聖なる秘密の解説を読み、あるいは聞く一切の者は、日々の一切の形式の礼拝を為す果報を得る。」

 このように、シュリ―・ラーマとして化身された至高者は、アディシェーシャご自身の化身であられる弟のラクシュマナにこのような質問をされるや、この儀式的な礼拝の教義を説明された。
 しかしその後、ラーマは普通の人間の態度をとり、彼ご自身のマーヤーの力によって、「ああ、シーター」と泣き叫びながら、眠れぬ夜を過ごしたのであった。



◎ハヌマーンのスグリーヴァに対する助言

 その間、キシュキンダーでは、賢明なるハヌマーンは猿の王スグリーヴァと内輪の会話を交わしていた。
 ハヌマーンはこう言った。

「ああ、王よ! 私は御身に真に利益のためにある事柄についてお話いたしましょう。ラーマ様はすでに御身の非常に価値ある願いを叶えられました。
 しかし、御身はそのすべてを忘れた恩知らずのように見受けられます。御身のために、あの御方は、三界にその強さと勇敢さが知れ渡ったヴァーリンを殺戮されたのでありますぞ。
 御身は王位を授けられ、非常に美しい妻のターラーを取り返されましたな。けれども、気高きラーマ様は、弟と共に山の頂上に住んでおられます。そしてもしかすると、あの御方は御身がシーター様の情報を持って現れるのをしきりに待っておられるかもしれないのですぞ。しかし御身は猿の習性に従って、女との交際に溺れて、これらの事実に気づいていらっしゃらない。
 シーター様の行方を探すと約束しておきながら、それを為さらないならば、御身は恩知らずのように、ヴァーリンと同じ運命を辿ることになりますぞ。」

 ハヌマーンの言葉を聞いて、スグリーヴァは恐怖に襲われ、ハヌマーンにこう言った。

「御身が言ったことは正しい。さあ、大急ぎでシーター殿を探しに、一万もの力強き猿たちを四方八方に派遣してくれ。どうか、速やかにこの私の命令を実行してくれないか。
 七つの大陸に住まうすべての猿たちを招集するのだ。二週間以内に彼らを到着させなさい。そうできない者たちは死刑に処するであろう。」

 そのようにハヌマーンに命じると、スグリーヴァは自らの住居へと行った。
 賢明で優秀な大臣であるハヌマーンは、スグリーヴァの命令を実行に移し、猿の使者たちを四方八方に送った。
 最善の注意を払って、ハヌマーンは、善き言葉、贈り物を与えた後、勇敢で風のように早く移動でき、山のように巨大な大量の猿の使者たちに、その使命を命じたのであった。
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グル・バクティヨーガ 補遺(4)「グルの詩」⑥「グル」

2017-05-27 18:16:04 | 経典の言葉・聖者の言葉


グル

 学問を学ぶためには、教師が必要。
 科学を学ぶには、教授が必要。
 芸術を学ぶには、師匠が必要。
 ならば真我の明智を学ぶには、グルが必要ではないのか?
  
 グルはまさに、真理の茨の道において、
 あなたが輪廻の大洪水を渡るための、
 唯一の帰依処。
 あなたを導くのは、グル以外存在しない。

 グルの恩寵には、驚くべき効果がある。
 光と歓喜を求めて、彼を仰いでごらん。
 あなたの日々の奮闘努力において、
 彼はあなたを導き、守ってくださる。

 グルは叡智をもたらす御方。
 グル、イーシュワラ、ブラフマンは一つ。
 まず最初にハリに礼拝する前に、グルに礼拝しなさい。
 あなたをハリのもとへと連れて行ってくれるのは、グルなのだから。

 グルからマントラを授かりなさい。
 彼はあらゆる段階で、あなたを鼓舞してくださるだろう。
 彼はあなたのためにサーダナーをやってはくれない。
 あなたは自分でそれを行わなければならない。

 グルはあなたに正しい道を示してくださる。
 彼はあなたに正しいヨーガを選んでくださる。
 彼は疑念と障害を取り除いてくださる。
 彼は落とし穴や罠からあなたを引き上げてくださる。

 彼に、あなたの心と魂を捧げなさい。
 あなたの身体と命そのものを投げ出しなさい。
 彼はあなたの魂のことを引き受けてくださる。
 あなたはマーヤーを超えて、平穏に安らぐのだ。

 あなたをサマーディに入れるという奇跡を
 グルに期待してはいけない。
 厳しくサーダナーに励みなさい。
 空腹の男は、自分で何かを食べるだろう。

 もしサットグルを得られなければ、
 尊敬すべき先達のところへ行けばよい。
 彼をグルとして見なせばよい。
 彼もあなたを導いてくださるだろう。

 辛抱強く、グルを選びなさい。
 あなたはグルと離れることはできないのだ。
 グルとチェラ(召使い)の関係は、
 神聖であり、生涯にわたるものである。

 真我の完全なる叡智を得た者
 聖典の完全なる叡智を得た者
 気高き徳を授かった者
 彼がサットグルである。 
 
 グルを試すことは難しい。
 イエスだけが、イエスを知っている。
 シェークスピアだけが、シェークスピアを知っている。
 病人がどうやって医者を試すことができようか?
 門外漢がどうやって科学者を試すことができようか?
 グルの欠点を探してはいけない。
 彼を神聖視し、彼を神として見なしなさい。
 彼を崇拝しなさい、彼を礼拝しなさい。
 主の性質を彼に重ね合わせなさい。
 そうしてのみ、あなたは恩恵を受けるだろう。

 あなたが彼の面前で高められるならば、
 彼の言葉に鼓舞されるならば、
 彼があなたの疑念を晴らしてくださるならば、
 彼が貪り、怒り、愛欲から解放されているならば、
 彼が私心なく、愛にあふれ、無私であるならば、
 あなたは彼をグルとして見なしてもよい。

 グルに近づくためには、
 あなたはアディカリ(適任者)にならなければならない。
 あなたはヴァイラーギャ(放棄)、
 平静さ、自制、ヤマ(禁戒)を持つべきである。

 あなたが「良いグルはいない」と言うならば、
 グルもまた「良い弟子はいない」と言う。
 他者をとがめてはならない。
 まずは自分をとがめなさい。

 グルはあなたの身請け人。
 しかしグルの座は呪い。
 グルはあなたの救世主。
 しかしグルの座は癌腫病。

 もしグルが、
 「15日の内に、お前にクリシュナを見せてあげよう」
 と言ったら、
 彼は偽のグルだ。
 彼を信じてはいけない。
 偽のグルに気を付けなさい。
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グル・バクティヨーガ 補遺(4)「グルの詩」⑤「蛙と信仰心のない弟子」

2017-05-27 18:12:23 | 経典の言葉・聖者の言葉


蛙と信仰心のない弟子

 蛙は蓮華の近くに住まうが、
 蓮華の蜜を飲みはしない。

 蜂は遠いところからやってきて、
 パドマ(蓮華)の蜜を飲む。

 グルの近くに住むある求道者たちは、
 グルの叡智を吸収しない。
 彼らは師に過失を見出し、
 蛙のように彼の近くに住まう。

 遠くに暮らしていても、グルに強烈な信があり、
 教えに完全に従う人々は、
 グルの恩寵を得、
 速やかに人生のゴールに達する。
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グル・バクティヨーガ 補遺(4)「グルの詩」④「グルの恩寵」

2017-05-27 18:10:27 | 経典の言葉・聖者の言葉


グルの恩寵

 グルの恩寵は無限
 彼は私の腕をつかみ、私を救ってくださった。
 グルは私を祝福し、
 私のハートを至福で満たし、
 私に道を示し、
 数多くの落とし穴と罠を取り除き、
 私を引き上げて、鼓舞し、
 生死の輪の束縛から私を解放してくださった。
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グル・バクティヨーガ 補遺(4)「グルの詩」③「グルの恩寵」

2017-05-27 18:07:42 | 経典の言葉・聖者の言葉



グルの恩寵

 グルは船長。
 彼は慈悲深く、
 求道者の腕をつかみ、
 彼を導き、救済し、
 彼を祝福し、
 彼の疑念を晴らし、
 すべての落とし穴と罠を取り除き、
 彼を生と死の束縛から解放し、
 彼の心を至福で満たす。
 グルに栄光あれ。
 ジャヤ・グル。
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