ヨーガスクール・カイラス blog

True Yoga, to meet the true self.

禁戒

2008-09-29 14:56:22 | ハタ・ヨーガの教え

 われわれは、気道を清掃する方法である、生気に関する法を修練しなければならない。それは上述したアーサナ、いろいろな呼吸法、ならびにムドラーと呼ばれる諸操作からなっている。

 その次にナーダ音に意識を集中するのが、ハタ・ヨーガにおける修習の順序である。梵行(禁欲)を守り、食を節し、すべての欲望を捨てて、ヨーガに専念する人は、一年後にはシッダ(成就者、大師、達人)となるであろう。このことについて疑いをさしはさんではならない。

 バターや甘みをもって味付けされた食物をとり、胃の四分の一を空けておくこと。ただ生命への愛だけから食事をすること。これが節食といわれるものである。

 ヨーガ修行のはじめのうちは、食物、異性、旅、その他についての禁戒を守らなければならない。ヨーガ修行が進んだ後は、これらの戒は外される場合がある。その辺は、師の指示に従うべきである。

☆食物についての禁戒

 次のような食物は、最初のうちは極力とってはならない。
 辛すぎるもの、酸っぱすぎるもの、刺激が強すぎるもの、塩辛すぎるもの、熱すぎるもの、冷たすぎるもの、葉っぱ、ごま油、からし、酒、魚、獣肉、油で揚げた菓子、にんにく、いったん冷えたものを温めた食物、消化しにくいものなど。

☆ヨーガ修行に適する食物

 ヨーギーにとって好適な食物は次のごとくである。
 小麦、米、大麦、その他優れた穀物、生乳、バター、砂糖、蜜、根菜、豆類、清水等である。
 またヨーギーは、栄養になる食物、甘みのある食物、バター入りの食物、牛乳入りの食物、体力をつける食物、その他自分の好む適当なものを食するがよい。

☆異性についての禁戒

 異性と性交してはならない。

☆旅についての禁戒

 長旅をしてはならない。

☆その他の禁戒

 悪人の近くに住んではならない。
 体を冷やし過ぎてはならない。
 断食その他の肉体を苦しめる行為をしてはならない。



 若きも、老いたるも、病人も、虚弱者も、すべてのヨーガ行を怠らずに実習することによってシッディ(成就)に達することができる。

 ヨーガ行法の実習を行なう人にしか成就はありえない。実習しない人にどうして成就がありえよう。ただ経典を読むだけでは、ヨーガの成就は生じない。

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最も重要な三つのアーサナ

2008-09-29 14:28:02 | ハタ・ヨーガの教え
 シヴァ大神は84のアーサナをお説きになったが、その中でも最も重要な三つのアーサナを以下に取り上げて説明しよう。

 三つの最も優れたアーサナというのは、シッダ・アーサナ、パドマ・アーサナ、シンハ・アーサナである。

 
☆シッダ・アーサナ(達人座)

 片方のかかとを会陰部にあてがい、他方のかかとをしっかりと性器の上方にすえる。上体をまっすぐに立て、もろもろの感覚を外界の対象から内側に引っ込め、眉間を凝視せよ。これこそ解脱の障害を断ち切るところの、シッダと呼ばれるアーサナである。

 両方のかかとを性器の上方にあてがい、シッダ・アーサナをなしてもよい。

 シッダ・アーサナは、七万二千本のナーディ(気道)の汚れを清掃するものである。

 シッダ・アーサナが不動に組まれたならば、心地よいウンマニーの状態が発現し、またバンダ・トラヤも自然に生ずる。


☆パドマ・アーサナ(蓮華座)①

 深く交差した両足を腿の上に置き、手のひらを上向きに両手を重ねる。そして舌の先を上口蓋につけ、肛門を引き締めて気を引き上げる。


☆パドマ・アーサナ②

 ことさらに固くパドマ・アーサナを組み、心に「かのもの(タット)」を思念しながら、息を吸い込み、深くあごを胸にうずめてプラーナ気を下方へ通わせ、肛門を引き締めて繰り返しアパーナ気を上へ引き上げる。これによって、人はシャクティの助けを得て、無比な悟りを得る。


☆パドマ・アーサナ③

 パドマ・アーサナを組み、背後から回した両手でしっかりと両足の親指をつかむ。このアーサナはバッダ・パドマ・アーサナと呼ばれ、行者たちの疾患を消す。


 パドマ・アーサナは、あらゆる疾病の破壊者といわれる。また、このアーサナは行者を解脱へと導く。とはいえ、功徳の薄い人はそれに成功しない。ただ賢明で功徳のある人だけが成功するのである。



☆シンハ・アーサナ(ライオンの体位)

 両足の足首を交差させ、その上に座る。
 両手のひらをそれぞれの側のひざに置き、指を広げ、口を大きく開けて舌を長く外に出し、精神を統一して眉間を凝視する。
 
 このアーサナは、優れたヨーギーたちによって、アーサナの中の最上のものとして尊ばれるべきである。それは三つのバンダの統合をもたらすものである。
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3.マーリーチャとスバーフを倒す

2008-09-28 14:55:44 | 要約・ラーマーヤナ




 ラーマとラクシュマナの二人の王子は、母や兄弟たちに別れを告げ、ヴィシュヴァーミトラにひきつられて出発しました。
 やがて都の外のサラユ河のほとりに来たとき、ヴィシュヴァーミトラはラーマとラクシュマナに沐浴をさせ、秘法を授けました。それによって彼らは、疲労することなく、またいかなるものの害を受けることもない身体を得ました。
 河のほとりでラーマとラクシュマナは、ヴィシュヴァーミトラに、弟子としてのあらゆる奉仕を行ない、またヴィシュヴァーミトラは二人に、夜が更けるまで、さまざまな教えを説き明かしたのでした。

 夜が明けると三人は、沐浴と礼拝を済ませた後、再び歩き出しました。
 サラユ河がガンジス河に合流する地点に来たとき、そこの岸辺には、多くの苦行者や聖者たちが、数千年にわたる修行をするための庵を結んでいるのが見られました。
 苦行者や聖者たちは、そのヨーガの力によって、ヴィシュヴァーミトラとラーマとラクシュマナが来たことを知り、寄り集ってきて、聖者ヴィシュヴァーミトラに供物を捧げました。ヴィシュヴァーミトラは彼らと語らい、その夜はそこに泊まったのでした。

 あくる日、三人は船を作って、ガンジス河を渡り、さらに進んでいきました。

 ヴィシュヴァーミトラは、ラーマに神の武器を与えるため、東方に向かって念を凝らしました。すると天の武器が姿をあらわし、ヴィシュヴァーミトラはその武器を使うための秘法をラーマに授けました。

 そうして三人は、目的の森へと到着しました。そこでヴィシュヴァーミトラは祭典をおこなったのち、六日間の無言の行に入りました。
 六日目、ついに悪魔のマーリーチャとスバーフがあらわれました。悪魔たちは激しく襲いかかってきて、祭壇に血を振りこぼし始めました。
 ラーマとラクシュマナはただちに悪魔との戦闘に入り、あっという間にこの二人の悪魔を倒してしまいました。

 ヴィシュヴァーミトラは、大喜びで言いました。
「どうか私の庵へおいでなさい。私の弟子たちは喜んで、あなた方にお仕えするでしょう。」

 王子たちはその日一日中、ヴィシュヴァーミトラの一団と共に過ごしました。翌朝、夜が明けると、ラーマとラクシュマナは、ガヤトリー・マントラを唱え、朝の祈りを済ませました。するとヴィシュヴァーミトラがこう言いました。
「勇士たちよ。お二人は、王者にふさわしいつとめを立派に果たされた。まことに見上げたものだ。私は今こそ、兵法の極意を伝授することにしよう。
 しかしそれには、その前に、己を制することについて知らねばならぬ。己を制する者こそ、全世界を制することができるのだ。まず最初に、言葉を慎むことから始めなさい。」

 ラーマとラクシュマナは、言葉を慎み、己を制すると誓いました。

 そこでヴィシュヴァーミトラは、「復讐の矢」の極意を2人に授けました。この矢は、まるで稲妻のように強力なものなのです。
 次に、「裁判の投げ縄」という極意を授けました。それは、どんな悪人も、この投げ縄を持っている王様の前に出ると、すべての罪を白状してしまうというものでした。
 ヴィシュヴァーミトラはそのほかにも、さまざまな極意を2人に授けたのでした。

 そのとき、ヴィシュヴァーミトラの弟子の一人がやってきて言いました。
「ミティラーのジャナカ王が、王女シーターの花婿を選ぶために、ハラダヌという巨大な神の弓を曲げさせる催しを開くとのことです。」

 これを聞くと、ヴィシュヴァーミトラは、ラーマとラクシュマナを伴って、ジャナカ王のもとへと向かいました。

 ジャナカ王は、ヴィシュヴァーミトラを喜んで出迎えました。そして一緒にいる二人の若者を見て、尋ねました。
「剣と弓矢を携えたこの神々しい若者たちは、何者ですか? まさに神のようではありませんか。」

 ヴィシュヴァーミトラは答えました。
「おお、王よ。彼らは、ダシャラタ王の王子たちであります。」

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2.ラーマの生誕

2008-09-27 19:25:40 | 要約・ラーマーヤナ





 悪魔ラーヴァナの奴隷となったインドラ神をはじめとした神々は、何千年もの間、至高者ヴィシュヌに向かって祈りを捧げました。ついに至高者は、神々の熱心な祈りをおくみとりになり、蓮華のような眼を開いて、こうお答えになりました。

「神々よ。皆さんはこれまでずいぶん苦労なさった。私が悪魔の責め苦から解き放ってあげよう。どの神もだれ一人として悪魔ラーヴァナを倒すことができないのは、ラーヴァナがあらゆる秘術を知っているからなのだ。
 ラーヴァナの国を滅ぼすには、私がまず人間の姿となって生まれなければならない。ラーヴァナは人間や猿などを馬鹿にしているから、ラーヴァナが馬鹿にしているそれらのものに、われわれは姿を変えよう。
 ラーヴァナとその家来たちを倒すには、まず大軍を起こさなければならない。あなた方神々は猿に生まれ変わって、その大軍になりなさい。私はラーマという人間に生まれ変わって、ラーヴァナにまっさきに立ち向かおう。
 ところで、このことを知っておかねばならない。われわれがひとたび人間や猿に生まれ変わったら、自分たちの正体や、天の世界でこのような相談をしたことなどは、すっかり忘れてっしまっているということだ。われわれはまるで偶然のように、地上で出会うことになるだろう。
 我々は必ず地上で再会できるだろう。そのとき、猿となる皆さんは、勇ましい戦士となっていることだろう。私は智慧ある人間となって、みなさんを率いて、ランカーを攻め、必ず勝利を得るだろう。
 さあ、今から地上に降りなさい。南インドのジャングルに住む、猿の子たちとして生まれなさい。それでは、ごきげんよう!」


 このとき、人間界の北インドのコーサラ国の都、アヨージャのダシャラタ王の宮殿において、春のチャイトラ月の九日の日、プナルヴァス星夜のもと、太陽が山羊座、月と木星が蟹座、火星が蠍座、土星が天秤座、金星が魚座に入ったとき、ダシャラタ王の后の一人カウサリヤー妃から、筋骨優れ、輝く瞳と真紅の唇を持つラーマが生まれました。このラーマこそ、至高者ヴィシュヌ神の化身なのでした。
 続いてカイケーイー妃はバラタという子を産み、スミトラー妃はラクシュマナとシャトルグナという双子を産みました。

 この四人の男の子たちは天の星のように美しく、また生まれたときからラクシュマナはラーマに影のようになつき、シャトルグナはバラタになついていました。

 四人の王子はそろってめきめき大きくなりました。さまざまな武術によって体はとても強くなり、またさまざまな学問や音楽なども修めました。

 そんなある日のこと、ヴィシュヴァーミトラという聖者が、ダシャラタ王の宮殿を訪れました。
「私はヴィシュヴァーミトラという者です。大王とその一族は、つつがなくあられますでしょうか。」

 聖者のあいさつに、ダシャラタ王は立ち上がって答えました。
「賢者よ。よくおいでになりました。私は俗界の国王です。この世を支配するわれわれ国王は、永遠の神を求めてお仕えするあなた方のような方々を敬っております。あなた様が来てくださったことは、大変な幸せです。
 ところで今回、いかなる目的をもってあなたは参られたのですか? ためらうことなくお告げください。私はあなたに仕えるものです。お望みのものがあるなら、何でもおっしゃってください。」

 ヴィシュヴァーミトラは、喜ばしげに王に答えました。
「王よ、わが参上の目的を言うことを許されよ。
 この日頃、私はある祭典を執り行っております。しかしその最中に、マーリーチャとスバーフという二人の恐るべき変幻自在の悪魔があらわれ、祭壇に血と肉を降り注ぎ、祭典を汚し、無効のものとしてしまいました。
 今、王は、望みのものは何でもくださるとおっしゃいましたね。王の長男ラーマを、しばらく私に託されよ。私の庇護のもとに、彼は神力によって悪魔を倒し、三界に名をとどろかせる者となるでしょう。王よ、恐れるべきではありません。悪魔などはラーマの敵ではありません。私はラーマの力を借りて、祭典を正しく実行したいのです。」

 聖者のこの願いを聞いたダシャラタ王は、悲しみのあまり気を失ってしまいました。再び気を取り戻すと、王は苦悩しながらこう言いました。
「大聖よ、ラーマはまだ十六歳にすぎません。どうか連れていかないでください。ラーマはまだ、悪魔たちと戦う力をそなえておりません。あまりにも若く、経験も浅く、戦術にも熟達しておりません。一筋縄ではいかない悪魔たちと戦ったら、王子はきっと傷つけられてしまうでしょう。
 貴い賢者よ。どうか王子を連れていくことだけは勘弁してください。」

 ヴィシュヴァーミトラは、怒って言いました。
「王は、望みのものは何でもくださるとおっしゃったはず。王が約束を守らないというなら、私は世界中に向かって、ダシャラタ王は約束を踏みにじったと発表しますぞ。」

 ラーマは、父が困っているのを見ると、すっくと立ち上がって言いました。
「貴い賢者よ。私とラクシュマナとで、あなたの住んでおられる森に、喜んでまいりましょう。弟と一緒に、きっと悪魔に勝ってみせましょう。
 父上は約束をなさいました。一度約束をなさったからには、もう覆すことはできません。父上、どうか私たちを、この聖者と一緒にやってください。剣術や弓術の腕前を試してみたく思います。」

 ラクシュマナも立ち上がって、ラーマと一緒にダシャラタ王に熱心にお願いしました。
 ダシャラタ王は言いました。
「それほどまでに言うのなら、行くがよい。お前たちは勇気があって立派な人間だからこそ、このようなことができるのだ。」
 
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1.盗賊、詩人となる

2008-09-23 20:35:48 | 要約・ラーマーヤナ






 遠い遠い昔のこと、インドのあるジャングルで、通りがかりの旅人を襲って生計を立てていたラトナーカルという追剥がいました。それはそれは大変恐ろしい盗賊だったので、人間はもちろん、猛獣でさえもが彼のことを恐れていました。
 ラトナーカルは、商人だけではなく、王様さえも襲いました。誰であろうと道を通りかかれば必ず襲い、金品を奪い取るというのが、彼の大変な自慢でした。

 ある日のこと、ナーラダという聖者が、そのジャングルを通りかかりました。ラトナーカルはいつものように、こう言いました。
「止まれ! ここを通るなら、お金か命か、どちらかを置いていけ!」

 聖者ナーラダは、全く恐れることなく、答えました。
「おや、恐ろしい顔をしているね。黒いひげがまるでクマンバチの巣のようだ。罪とがのない旅人を苦しめて、何が面白いのかね?」

「俺は金が欲しいんだ! 俺はラトナーカルという名前だが、これは『宝の山』という意味なんだぞ。王様や商人からたんまりと金品を奪い取って、俺は大金持ちになりたいんだ。さあ、分かったら、お金か命か、どちらかをよこせ!」

「とんでもない。わしはお金などは持っていない。ただ神のことを説いて歩いているだけじゃ。」

「お金がないって? おまえはいったい、どういう人間なんだ?」

「欲深な眼をしているね。お前は聖者に会ったことがないのかい?
 わしは至高者に何年も何年も祈りをささげたおかげで、至高者はわしを不死にしてくださり、お金がなくても生きていける勇気を与えてくださったのじゃ。わしのもっているのは命だけだが、取りたければ取っていくがよい。」

 このときラトナーカルはハッとして、謙虚になってナーラダに言いました。
「至高者があなたを不死にしてくださったのなら、どうして私のような者があなたの命をとることができましょうか。」

 ナーラダは、にっこり笑って言いました。
「泥棒さん、その通りじゃ。至高者は、わしの命さえもお前にあげられないほど、わしを貧乏人になさったのじゃ。本当にわしは、お前に呼び止められるような値打ちのある人間ではないのだよ。」

「それならなおさら、ここを通すことはできない。
 至高者があなたを不死にし、何もなくても生きていける勇気をおあたえになったのなら、私もどうしたらそのような力を至高者から奪い取ることができるか、どうか教えてください。私も不死になりたいものだ。これこそ宝の中で最も貴いものだ。」

「不死を得たいといっても、かなり値が高いぞ。」

「どんなに高くたって、かまうものか! お望みだけのお金は、きっとお支払いします。」

「よろしい。では、よく聞きなさい。
 実は、十の頭と二十の腕を持つ、恐ろしいラーヴァナという悪魔が、ランカー(セイロン島、スリランカ)にあらわれた。こいつはたいそう強いやつなので、大方の神々を引きとらえ、インドラ神さえも奴隷にしてしまったのじゃ。
 何百年もの間、神々はランカーで悪魔の奴隷となった末に、苦しさに耐えかね、至高者ヴィシュヌ神に、この世に降臨してくださいと祈りを続けた。
 善が破れ、悪がこの世にはびこるようなときには、至高者は人間の姿となって、この世を正しく変えるために降臨なさるのだ。神々は、
『至高者よ。時は来たれり。今こそ降臨のときです・・・』
と祈りをささげた。
 この祈りは間もなく聞き届けられ、至高者はこの世に降臨なさるだろう。
 ところでナトナーカルよ。お前はこれから一人で荒野に行くがよい。そこで祈りをささげ、瞑想しなさい。そのうちにお前は瞑想の中で、至高者の再来を見、至高者が悪魔を打ち倒すのを見るだろう。
 そしてお前が見たことを、歌にするがよい。人々は幾時代にもわたって、その歌を詠み歌うことだろう。
 この使命を果たすならば、お前も不死を得ることだろう。」

「しかし私は無知です。読むことも書くこともできないのです。そんな私が、どうして歌などを作ることができましょうか。

「祈りをあげ、瞑想を続けるがよい。そうしているうちに、知りたいと思うことは何でも自然にわかるようになるだろう。」

 そう言うと、ナーラダは幻のように姿を消しました。それを見てラトナーカルは、ナーラダが本当の聖者だったと知りました。ラトナーカルはそこで盗賊の生き方をきっぱりと捨てて、祈りと瞑想の日々を送りました。
 猛獣がそばを通っても恐れることなく、ラトナーカルは祈りと瞑想を続けました。こうして十年、二十年という年月が瞬く間に過ぎていきました。微動だにせず瞑想を続けるラトナーカルの周りに、アリがアリ塚を作り出し、いつの間にか、ラトナーカルもすっかりアリ塚のひとかたまりの土のようになってしまいました。

 そしてついにある日のこと、ラトナーカルは偉大な霊感を得、至高者の降臨と、悪魔を倒して正しい世界を取り戻す、その一部始終を見たのです。
 そのとき、ラトナーカルは長い瞑想から立ち上がりました。するとラトナーカルを覆っていたアリ塚はボロボロと崩れ落ちました。それを見てラトナーカルは言いました。
「俺はヴァールミーキ(アリ塚に隠れていた男)だ!」
 こうして盗賊ラトナーカルは、このときからヴァールミーキと呼ばれるようになったのでした。

 その後、ヴァールミーキは、ナーラダが言っていたように、自然に歌を作る力を身につけ、自分が見た、至高者がラーマとして降臨して悪魔を倒す物語を、歌物語にして人々に説きました。それは「ラーマーヤナ」と呼ばれ、その後、吟唱詩人たちの口を通して、インドのすべての人々に行き渡り、何世代にもわたって受け継がれてきたのです。

 さあ、それではその「ラーマーヤナ」の世界を、ここに要約して説きましょう。至高者がラーマとして降臨され、悪魔を倒し、世を正されたときの物語を・・・


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10・5 京都ヨーガ講習会

2008-09-17 18:27:13 | お知らせ
 きたる10月5日(日)、午後12時30分より、京都『空』にてヨーガ講習会を開催いたします。

 参加希望の方は、お早めにメールでご連絡ください。


皆様のご参加を心よりお待ちしております。


☆詳細-----------------------------------------------------------------------------------




☆日時:10月5日(日)12:30~15:30

☆場所:京の山杣人工房「空」
JR京都駅から徒歩5分 下京区総合庁舎となり
http://somabitoqo.exblog.jp/i11

☆参加費:3000円

☆内容:クンダリニー・ヨーガ、ハタ・ヨーガ、ラージャ・ヨーガなどの各種行法実践と講義。
    初心者の方でも問題ありません。お気軽にご参加ください。

☆予定しているメニュー:アーサナ(気を調える体操)
            気功(気を充実させる内気功)
            プラーナ―ヤーマ(各種の呼吸法)
            ムドラー(覚醒の技法)
            マントラ
            瞑想
            講義
 
☆持ち物:動きやすい服装
     ヨガマット、または大きめのバスタオルなど(床に横になるときに下に敷けるもの)。

☆申込先:メールまたは電話でお申し込みください。



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デーヴァプラタ

2008-09-17 16:46:41 | 要約・マハーバーラタ




 インド二大叙事詩のひとつであり、世界最大の叙事詩であり、世界三大叙事詩のひとつともされる「マハーバーラタ」。

 これはさまざまな教訓を含んだ、現代的に見ても大変面白い物語であり、一説には実際にあった出来事を基にしているともいわれています。

 このとても長い物語である「マハーバーラタ」を、要約抜粋したかたちで、これからご紹介していきたいと思います。

 元資料として使わせていただいたのは、レグルス文庫の「マハーバーラタ」(C・ラージャーゴーパーラーチャリ編集)です。この本も、マハーバーラタをわかりやすくまとめていてとてもよい本ですが、それをさらに簡潔に要約したかたちでまとめてみたいと思います。






(1)デーヴァプラタ



 その昔、偉大なる王シャーンタヌは、ある美しい女性を見て、その美しさに心を奪われ、彼女に求婚しました。

 彼女はこたえて言いました。
「王様、では私は、あなたの后となりましょう。でもいくつか条件がございます。
 まず、あなた様であろうと他のどなた様であろうと、決して私が誰であるか、私がどこから来たかをお聞きになってはなりません。また私がするどんなことにも、善いことであろうと悪いことであろうと、邪魔をなさってはいけませんし、たとえどんな理由があるにせよ、私を怒ってはいけません。
 もしこれらの条件をお守りになれない場合は、私は即座にあなた様のおそばを立ち去ります。」

 夢中になっているシャーンタヌ王は、これらの事を守ることを誓ったので、彼女は王の后となりました。

 そして彼女はたくさんの子供を生みました。しかし新しい赤ん坊が生まれるたびに、彼女はその子をガンジス河に運んでいき、河の中に投げ込んでは、笑顔で王のもとに戻ってくるのでした。

 シャーンタヌ王は、そのような悪鬼のような振る舞いに、恐怖と苦悶で心を満たされましたが、自分が立てた誓いのゆえに、彼女には何も言わずに、好きなようにさせていました。

 こうして彼女は、七人の子供を殺しました。そして八番目の子供が生まれ、彼女がその子もガンジス河に捨てようとしたとき、ついに王は我慢ができなくなって、叫びました。
「やめなさい! なぜそなたは罪もない己の赤子を、このような恐るべき無慈悲なやり方で殺そうとするのじゃ!」
 怒りを爆発させ、王は彼女を制止しました。

 すると彼女はこう答えました。
「おお、大王様。あなたはお約束をお忘れになってしまったのですね。
 あなたはそのお心をご自分の子供のほうに向けられており、もはや私を必要とはなさらないのですね。
 私は去ります。ご安心ください。私はこの子を殺しません。
 私の正体は、ガンガー女神なのです。ヴァシシュタが八人のヴァス天人に人間界に生まれるように呪いをかけたので、私は彼らを哀れみ、彼らの母親になったのです。
 私はあなたのもとで彼ら八人を生みましたが、それはあなたにとってもよいことだったと思います。なぜならあなたは八人のヴァス天人に尽くした功徳により、死後、より高い世界へといたることになるからです。
 私はこの八番目の子をしばらくの間育て、それからあなたへの贈り物として、あなたにお返ししましょう。」

 こういうと、ガンガー女神は姿を消したのでした。


 ヴァス天人たちがヴァシシュタに呪いをかけられたいきさつは、次のような話です。
 
 ある日のこと、ヴァス天人たちは、妻を伴って、ヴァシシュタ行者の草庵がある山にやってきました。
 そこにはヴァシシュタ行者が飼っている牛がいたのですが、そのあまりに神々しい姿に、皆、心を奪われてしまいました。そして妻のうちの一人が、なんとかしてあの牛を手に入れてほしいと、夫に頼んだのでした。
 夫は最初、それを拒否しましたが、あまりに強く妻が頼むので、とうとう同意し、ヴァスたち皆で協力して、ヴァシシュタ行者の牛と仔牛とを盗んで連れ去ってしまったのでした。

 ヴァシシュタ行者がそこへ戻ってきたとき、牛がいないことに気づき、ヨーガの霊眼を使って、何が起こったのか一切を知るにいたりました。ヴァシシュタ行者は怒り、牛を盗んだ八人のヴァス天人たちが、人間界に生れ落ちるよう、呪いをかけたのでした。

 それを知ったヴァス天人たちは後悔し、ヴァシシュタ行者のもとへやってきて謝罪し、罪の許しを哀願しました。そこでヴァシシュタ行者は言いました。
「呪いはそのとおりに実現される。牛を捕らえたヴァスのプラバーサは、地上に末永く生き、大いに栄えるであろう。だが他のヴァスたちは、地上に生まれると同時に呪いから解き放たれるであろう。わしのかけた呪いを無効にすることはできぬが、この程度にまで和らげてやろう。」

 この後、ヴァシシュタは、激しい修行に専念しました。というのは、怒りを発してしまったことによって、自分の行力がいささか弱まってしまったからでした。

 ヴァス天人たちは、ガンガー女神のところへ行き、こう懇願しました。
「あなた様が、私どもの母親になってはいただけませんでしょうか。私どものために、どうか地上におくだりになり、しかるべき男性と結婚してくださるようお願い申し上げます。そして私どもが生れ落ちると同時に水中に投げ込み、私どもを呪いから解き放ってください。」



 かくしてガンガー女神は予定通りに八人の子供を生んだ後、シャーンタヌ王のもとを去りました。その後、シャーンタヌ王は、一切の肉体的欲求を断ち切り、行法を修するような気持ちで王国を治めました。
 ある日のこと、王がガンジス河の土手を散策していると、神のように美しい男の子が河と戯れて遊んでいるのを見つけました。するとそこへガンガー女神が現われ、王にこう言いました。

「王よ。この子が、あなたによって私がもうけた八番目の子供です。私は今までこの子を育ててきました。彼の名はデーヴァプラタです。この子を連れて帰ってください。」

 そう言うとガンガー女神は子供を祝福し、王に子供を手渡すと、再び姿を消したのでした。王は大喜びでその美しい息子デーヴァプラタを抱きかかえて城に帰り、彼を皇太子の位につけたのでした。
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運命と修行

2008-09-13 15:27:20 | 松川先生のお話


 運命に対するインドの考え方には、様々なものがあります。
 インド占星術においても、過去のカルマにより、今生の運命はすべて決まっていると考えます。
 完全にすべて決まっているのか、どの程度意志というものがそこに介入されるのか、それについてはいろいろな意見がありますね。

 インド占星術を研究している私のある友人は、今生の運命はすべて完全に決まっていると考えています。

 さて、私の意見はどうかというと、端的に結論を言うならば、

「基本的にすべて決まっている。
 しかし修行の道に入った者に関しては、そうではない」

と考えています。


 つまり、過去世のカルマに基づいて今生を生きる。そしてその人の「習性」、これもカルマです。だから通常は、あるカルマが今生返ってくる事は決まっている。それとともに、そのカルマが返ってきたときのその人の反応も、決まっているわけです。
 だから普通は、運命はすべて決まっているのです。

 しかしここに、聖者がくさびを打ち込みます。
 
 ヨーガや仏教などの修行、あるいはそれを達成した聖者たちとの縁がその人にできると、その人の運命に、くさびが打ち込まれるのです。
 なぜなら、これらの修行というものは、自分のカルマを超えること、あるいはカルマの法則そのものを超えることに主眼をおいているからです。

 つまりカルマの法則に自分が支配されていることを知らない者にとっては、運命はすべて決まっているといっていいでしょう。その人の考えること、苦しみや喜びに対する反応、それらもすべてカルマなのですから。

 しかし聖者と出会い、真理と出会い、そのカルマの法則というマトリックスの存在を学び、自分の悪いカルマを超える修行、あるいはその法則そのものを超える修行をするチャンスを与えられた者にとっては、ある意味での選択肢が出てくるわけです。つまり、
 
 「今までのカルマの習性どおり、ここで愚かな道をとるのか、そうではないのか。」

 「カルマを打ち破る修行の道を、どれだけ真剣に進むのか。」

 これらについては、「決まっていない」と私は思うのです。

 そう、ここからは我々の意志しだいです。
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新刊案内『聖者の生涯 第一巻』

2008-09-06 21:38:03 | お知らせ

新刊案内『聖者の生涯 第一巻』


松川慧照 著

ヨーガ・仏教史上に残る聖者の方々の生涯を、読みやすくわかりやすくまとめました。今回は釈迦牟尼如来他13人の生涯を収録。


第一話 釈迦牟尼如来
第二話 アサンガ
第三話 シャヴァリ
第四話 アドヴァヤヴァジュラ
     (マイトリーパ)
第五話 ナーロー
第六話 マルパ
第七話 ミラレーパ
第八話 ガンポパ
第九話 ラーマクリシュナ・パラマハンサ
第十話 M(マヘーンドラナート・グプタ)
第十一話 アドブターナンダ
第十二話 パラマハンサ・ヨーガーナンダ
第十三話 ヨーゲーシュワラーナンダ


定価:1,000円です。
購入ご希望の方はメールまたは電話でお問い合わせください。
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9・15 京都ヨーガ講習会

2008-09-06 18:17:34 | お知らせ
 きたる9月15日(祝)、午後16時30分より、京都『空』にてヨーガ講習会を開催いたします。

 参加希望の方は、お早めにメールでご連絡ください。


 また、京都の同会場にて、以下の日程でもヨーガ教室を開催する予定です。こちらの参加予約も、メールにてお願いいたします。

10月5日(日)12:30~15:30

皆様のご参加を心よりお待ちしております。


☆詳細-----------------------------------------------------------------------------------




☆日時:9月15日(祝)16:30~19:30

☆場所:京の山杣人工房「空」
JR京都駅から徒歩5分 下京区総合庁舎となり
http://somabitoqo.exblog.jp/i11

☆参加費:3000円

☆内容:クンダリニー・ヨーガ、ハタ・ヨーガ、ラージャ・ヨーガなどの各種行法実践と講義。
    初心者の方でも問題ありません。お気軽にご参加ください。

☆予定しているメニュー:アーサナ(気を調える体操)
            気功(気を充実させる内気功)
            プラーナ―ヤーマ(各種の呼吸法)
            ムドラー(覚醒の技法)
            マントラ
            瞑想
            講義
 
☆持ち物:動きやすい服装
     ヨガマット、または大きめのバスタオルなど(床に横になるときに下に敷けるもの)。

☆申込先:メールまたは電話でお申し込みください。

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