ヨーガスクール・カイラス blog

True Yoga, to meet the true self.

「経験」①

2018-04-03 17:51:52 | 安らぎを見つけるための三部作・2「瞑想」



第三章 経験


 第三に、瞑想によって経験される事象についての説明をいたします。


 まず最初に、前行について見ていきましょう。


☆前行

 すべては無常であることの認識と、輪廻に対する厭逆の心を培うことは、外的な前行です。
 これらは、この現世的人生にのめりこむことを、完全に払拭します。

 正しく生きようという思いと、慈愛の心を起こすことは、特別な前行です。
 これらの発願は、その人を大乗の道に沿って運んでいきます。

 したがって、はじめにこれら二つの前行を養ってください。



☆崇高な前行

 これらの後、最も崇高な前行に取り掛かります。

 この二つのステージの前行を十分に修習した後に、
 自分と世界を、神と神の宮殿のように変容する経験をするとき、
 低俗なものの見方は、払いのけられます。

 また、彼が師との霊的な親交という深遠な道を育み始めるとき、
 師の慈悲の力によって、はかりしれない霊的な滋養が生じます。

 この二つの崇高な前行によって、すべての障害は取り除かれ、二つの恩恵を受けることができます。
 したがって、この二つの崇高な前行は、必ずおさめなければならないのです。 



 このように、前行は、複数の主題から成り立っています。
 これらの前行を修めることによって、解脱に至る崇高な道は約束され、
 心の本性の経験もまもなく訪れるでしょう。
 
 これらの前行をしっかリと修めることで、
 本行において経験されるべきことを修めるのは容易になり、
 そこに障害はありません。
 そして、修行の努力に対する様々な恩恵がますます増大するなどの無限の可能性があります。
 それゆえに、前行の修養が大きな重要性を持つのです。
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「器」

2017-07-09 10:01:47 | 安らぎを見つけるための三部作・2「瞑想」



第二章 器


 次に、人生の真の意味を悟りたいと思う者は、
 師と三宝に信を持ち、忍耐力があり、この現世を厭逆し、
 そこから解放されたいという願望を持つ者でなければなりません。
 輪廻の世界に飽き飽きし、
 そこからの解脱を強く願わなければなりません。
 この現世に背を向けて、透明で輝く心と完璧な智慧を目指し、
 興奮と散漫さを遠ざけ、
 現世的欲望を持たず、
 常に足ることを知り、
 自然に与えられたものに満足し、
 すべては幻影であると知り、
 常に供養の気持ちを持ち
 師や三宝への堅固な帰依心を持つ者
 そのような人は、最も優れた解脱を得ることでしょう。

 彼は最高の精進をするでしょう。
 そして自分と縁のある、すぐれた師の教えを聞き、
 心を純化し、師の教えについて考え、
 実際にそれを実践します。
 彼は昼夜を問わず、努力し続けます。
 師の指示に忠実に従い、
 些細な事柄に心をそらされることなく
 自己の本性を求め、努力するでしょう。

 声聞、菩薩、そして密教行者の三つの道を守り
 衆生の利益のために、自分自身をコントロールし
 すべての功徳を、自分と衆生の解脱のために回向します。

 初心者は、まず修行者としての基礎作りに励まなければなりません。
 自分自身の心を守らなければなりません。
 興奮と散漫さを遠ざけ
 修行に好ましくない状況を避け
 自分自身の欲望や感情をコントロールします。
 真理への願望と、実際の行動を矛盾させることなく
 真理を深く思索することに、心を向けなければなりません。
 そして、常に生起する危険性のある五つの毒が生じないように
 常に自分の心を注意ぶかく観察し
 もしそれらが生じたならば、まさしくその瞬間に
 それらの毒への対抗策を講じなければなりません。

 身・口・意の行為について常に意識しつつ、誠実に行動し
 正しい自負を持ち
 真理にのっとって生きることで
 彼は自分自身を純化するでしょう。

 彼はまた、賞賛や非難に対して無関心でなければなりません。
 認められることと認められないこと、
 名声と悪評、
 これらはすべて幻、夢、こだまのようなものであるとじっと見つめ
 すべてを無関心に受け入れ
 ただ師と三宝への帰依、そしてそれにつながっている自分の本性のみをよりどころとし
 外的状況に動かされることをやめなければなりません。

 要するに
 人生の真の意味に反することは一切行なわないように
 自分自身をコントロールし
 また、他者を害してはいけません。
 そして自分の感情に屈服することなく
 昼も夜も、教えに誠実であることに専念して日々を過ごす
 これは必須条件です。

 これらの教えを守ることは、この暗黒の時代においては、特に重要です。
 悪しきカルマに満ちた我々が、価値ある人生を達成するために。

 ちょうど、翼が一つしかない鳥は、空を飛ぶことができないように
 智慧と慈悲という二つの翼を育てなければなりません。
 そして智慧という翼が成熟しなければ
 慈悲という翼も成熟することはできません。
 よって、自分自身の智慧を高めることで、衆生への慈悲の力も高め、
 衆生に利益を与えることができるのだと
 考えなければなりません。

 人生は、興奮と散漫さの連続により
 人は必ず死ぬという事実さえ覆い隠されています。
 自分で自分の心をだますことなく
 自己の本性を理解しなければなりません。

 人はいつ死ぬかまったくわからないにも関わらず
 今にも死ぬかも知れないということを真剣に考えている人はほとんどいません。

 したがって、あなたは今日、今、この瞬間から、心を入れ替えなければなりません。
 今日にも死ぬかもしれないということを真剣に考え
 もし今日死ぬならば、私はどうなってしまうのかということを、観察してください。

 もしあなたが、煩悩的な興奮と散漫さによって昼夜を送り、一生をそれに費やすならば
 あなたの来世は保障されず
 人間として生まれ、師や教えに巡り合い、修行ができるというこの貴重なチャンスは無駄になります。
 よって、静かに瞑想して、何が重要であるかを熟考してください。
 今死ぬとしたら、私は来世、どこへ行かなければならなくなるだろうか?
 今の自分のカルマと心の状態で、
 悪趣に落ちることを避けることができるだろうか?
 来世も師と三宝と縁ができるだろうか?
 このようなことを真剣に考え
 一瞬たりとも無駄にすることなく、ただちに努力を開始してください。

 当てにならないこの輪廻は、永久の地獄に続く恐ろしい道であり
 よってここから一刻も早く解放されなければならないのだということを、
 心に刻み込んでください。
 今、この恵まれた生において、あなたが道を誤るならば
 来世においては、あなたはさらに迷い、より真理から遠ざかることでしょう。
 したがって、全精力を傾けて、全力で実践すべき時は
 まさに今なのです。
 
 超えるのがとても難しい、煩悩と自我の海を
 貴重な人間の身体と、師や教えとの縁という船で
 今こそ確実に乗り越えてください。

 心の底からの努力で
 幸福と至福(解脱)を目指してください。
 解脱への道を得た、この絶好の機会を生かし
 全力で心をそこに傾けるなら
 完全な自由へ素早く到達する道が、開かれるでしょう。

 人生は永遠ではなく、刻々と終焉に近づいています。
 未来への期待と恐怖、過去へのとらわれ
 このような激しい心の働きによって、無智な者は人生を無駄にし
 解放への道を、自ら閉ざすのです。
 
 誤った考え、誤った行動に慣れ親しむと
 それはその人の自然な状態となってしまい
 煩悩を修習することも、ごく自然になってしまいます。

 しかしあなたが真の利益のために努力するならば、
 煩悩を離れることが自然になり、
 煩悩はなかなか生起しなくなるでしょう。
 しかしそのためには、自分のカルマを乗り越えるための
 懸命な努力が必要です。

 輪廻の世界には、どこにも幸せはありません。
 この幻影の世界に縛られていることのみじめさについて考えるならば
 それは耐えられないほどの苦痛であることがわかります。
 よって今こそ、輪廻からの解脱の道に入らなければなりません。

 人生の意味を追求する努力を
 心から全力で行なわないならば
 せっかく、貴重な人間の身体と、師や真理との縁を手にしたのに
 すべてが無駄に終わってしまいます。
 したがって、この輪廻への厭離の心を今まで以上に強く持ち、
 決して散漫になることなく
 あなたの持てる力のすべてを、ただ悟りのためにつぎ込んでください。

 このような教えを、あなたが最初に理解したならば
 解脱へ向かう気高き意思という砦は確立され、
 さまざまな達成は、それに続いて自然にやってくるでしょう。
 そして、輪廻からの解脱の道も確立されるでしょう。
 このようにして、あなたの身・口・意の行ないのすべてが、
 人生の真の意味と調和してあるとき 
 あなたは、透明な明智と完璧な智慧を実現するために
 ふさわしい器となるのです。
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第一章 環境

2009-06-13 21:03:13 | 安らぎを見つけるための三部作・2「瞑想」

パート2「瞑想」



第一章 環境


 四季を通じて、心地の良い場所
 ――例えば山頂、密林、小島など
 とにかく静かな場所、自分がよく集中でき、心が静まる場所において
 あなたが言葉で学んだことを超える、完全な光輝を得なければなりません。



◎季節と環境

 夏は、葦や竹などでできた小屋、あるいは氷河の近くや高山など、涼しげな場所を修行の場とします。

 秋には、密林や、山の斜面や、洞窟など、暑さと寒さのバランスがとれた場所が適しています。また、食物や衣服や活動も、季節に応じたものにします。

 冬にも、食物、衣類、寝具、その他を、季節に応じたものに調節しなければなりません
 暖かい地方や低地に住むのがよいでしょう。例えば密林や、山の洞穴や、土の家などがよいでしょう。

 春は、季節に調和した食物・衣服・活動を選択することが、最も重要な季節です。
 山、森、小島など、どんな場所でもかまいませんが、暑すぎず寒過ぎない家を、修行の場とします。


 このように、季節その他の条件に応じて、心地よく楽しい、閑静な場所を選ばなければなりません。




◎さまざまな良い環境

 山頂は、智慧がクリアになり、心が拡大し、愚鈍さを払いのけることができ、瞑想のステージを進めていくのに適しています。

 氷河の近くでは、氷の輝く透明さに影響されて、心や智慧もクリアになります。そこは広い見解を培う場所であり、障害がわずかな場所です。

 密林の中では、認識能力はとても落ち着きます。そして心も安定しやすくなります。そこは内側の静けさを養う場所であり、深い喜びの感覚を得やすい場所です。

 岩のある場所では、無常の観察と、現世放棄の念は増大します。心の落ち着きと、より広い見解を養うことができます。

 河岸は、修行のエッセンスに心を集中しやすい場所であり、解脱の手助けとなる場所です。

 火葬場は、大きな天の恩恵がある場所です。そこで修行するなら、素早い達成を得られるでしょう。そこは、生成のステージや完成のステージを達成するために、最も価値のある場所であるといわれています。



◎さまざまな悪い環境

 村や町、市場などには、人間や人間でないものが多くいます。そのような騒がしい場所は、修行の初心者にとっては障害となり、彼らを不安定にさせます。
 しかし修行において堅固な安定を得た人にとっては、逆にそのような場所は、最も価値ある場所であるといわれています。

 間違った宗教の建物、死者の慰霊碑、その他の不浄な場所においては、心が良くない状態となり、嫌悪の心が増大するので、よくありません。

 風通しが悪い、空気が淀んだ部屋や洞窟などにおいては、欲望が生じやすくなり、また心の愚鈍や興奮状態などが増大しやすくなります。

 悪しき霊的雰囲気があるさびしい一本の木のそば、または同様に魔的な雰囲気がする岩や山などは、心にとって良くありません。多くの障害が生じ、修行にとってマイナスとなるでしょう。

 浮浪者のいる場所、毒蛇のいる場所、土地の守護神のいる場所、湖岸、高山の草原、美しい花や果物に満たされた木々のある場所――これらの場所は、最初はとても気持ちが良い場合もありますが、のちに多くの障害が生まれるでしょう。



◎悪い・良い・中立の環境

 「悪い環境」とされるものは、最初はとても好ましく感じられる場合もあるでしょう。
 しかしのちには、それらは苦しみや障害を生み出します。

 「良い環境」とされるものは、最初は恐ろしかったり、苦を感じることもあるかもしれません。
 しかし喜びの心を持って修行を続けるなら、それらは最高の恵みを与えてくれ、修行は速やかに達成されるでしょう。

 このどちらにも入らない、特に利益も不利益もない場所というものも多くあります。

 心は、住んでいる環境に影響を受けます。また修行の進度、心身の健康なども、環境の影響を受けます。よって、修行をする場所の環境に心を配ることは、まず第一に重要なことなのです。



◎瞑想小屋について

 瞑想のための小屋は、心の落ち着きを手助けしてくれるようなものでなければなりません。そして、窓や天井から、多くの光が差し込むような部屋ならベストでしょう。

 また、「夜の瞑想」と呼ばれる暗闇での瞑想のためには、隙間からわずかな光さえも差し込まない、完全な暗闇の部屋が必要になります。

 「昼の瞑想」の場合は逆に、多くの明かりが差し込み、氷河、滝、森などの美しい景色に囲まれ、寒過ぎることも暑すぎることもない部屋であればベストでしょう。



◎二つのタイプの瞑想と、環境の関係

 心の安定の瞑想に集中している段階においては、人里離れた場所にあり、フェンスなどで囲まれ、あまり人が近付かないような小屋が必要になります。

 心の拡大、あるいはより広い見解を育てていく段階においては、多くの光が差し込む、明るい小屋が必要になります。 

 また、森林や峡谷などの低くて影の多い場所は、内的な寂静の瞑想に適した場所です。

 雪山などの高い場所は、心の拡大や、より広い見解を獲得するために適した場所です。

 これらの関係性を知ることは重要です。



◎可能な範囲で適用を

 以上、瞑想に適した環境についての一般的な提示を行ないました。
 これらの教えの源は、パドマサンバヴァです。

 しかし実際的には、これらのセオリーは時代や国その他の条件によって、柔軟に応用して適用させていかなければならないでしょう。
 特に現代においては、これらの環境をすべての人が揃えるのは、不可能に近いでしょう。
 
 環境は重要ですが、あくまでも二次的な条件なので、環境設定にのみ振り回されては本末転倒になります。上記の教えを参考に、可能な範囲で環境を整えていくのがよいでしょう。どうしても悪い環境しか設定できない時は、それを吹き飛ばすくらいの熱意と努力で修行しようと考えてください。
 
 また、具体的に自分の瞑想環境をどう設定すべきかわからない時は、師の指示に従ってください。



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