ヨーガスクール・カイラス blog

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「ラーマの結婚」

2017-04-09 22:58:48 | 要約・ラーマーヤナ



4.ラーマの結婚


 ジャナカ王はヴィシュヴァーミトラに、何か望むことがあるかと尋ねました。ヴィシュヴァーミトラは答えて言いました。
「二人の勇ましい王子は、この宮殿にある神の強弓を拝観したいのでございます。」

「この神の弓をもし曲げる者がいたならば、私の娘シーターを差し上げるでありましょう。」

 そう言うとジャナカ王は、臣下たちに神の弓を運ばせてきました。王は言いました。
「人間はもちろんのこと、天の神すらも、この弓を持ち上げ、弦を張ることはできません。」

 ヴィシュヴァーミトラはラーマに、
「よくこの弓を見なさい。」
と言いました。
 ラーマはその弓に手を触れて調べると、今ただちに試みるべきですかと尋ねました。ジャナカ王とヴィシュヴァーミトラがうなずくと、ラーマは軽々とその弓を持ち上げ、弦をつけようと弓を曲げ始めると、百雷のごとき轟きとともに、弓は真っ二つに割れ、宮殿は大地震のように揺れ動きました。

 ジャナカ王は言いました。
「ダシャラタ王の子ラーマは、豪勇無双である。このような驚嘆すべき業を見ようとは、夢にも思わなかった。シーターをラーマに差し上げよう。いまやわが王家は、シーターとラーマの結婚によって、さらに名誉を高めるであろう。」

 王はただちに臣下をアヨーディヤーに派遣して、ダシャラタ王にこのような手紙を渡しました。


  ラーマの父たる国王陛下
  あなたの王子は、神の弓を折り曲げ、シーターの花婿となられました。
  ただちに王族と司祭とを従えて、王子の結婚を祝うためにおいでください。
  また、あなたの第二王子ラクシュマナと、私のもう一人の王女ウルミーラーとの結婚も、恐れながらお許しください。
  お許しくださるならば、この二人も同時に結婚させたいと思います。


 ダシャラタ王は、これを聞いて大変喜び、さっそく翌朝、ダシャラタ王の一行はミティラーへと出発しました。
 この間に、ジャナカ王は隣国を統治する弟のクサドバージャ王を呼び寄せました。

 ダシャラタ王がミティラーに到着し、三人の王で話し合っていたところ、ラーマの残りの二人の弟のバラタとシャトルグナと、クサドバージャ王の二人の娘も、この機会に結婚させてはどうかということになりました。
 こうして、四組の結婚式が同時に行なわれたのでした。

 結婚式の後、一同揃ってアヨーディヤーに帰ると、ラーマとその兄弟たちは国民に大変愛されていたので、国中で盛大にな祝いのお祭が、二ヶ月間にわたって続けられたのでした。
 
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3.マーリーチャとスバーフを倒す

2008-09-28 14:55:44 | 要約・ラーマーヤナ




 ラーマとラクシュマナの二人の王子は、母や兄弟たちに別れを告げ、ヴィシュヴァーミトラにひきつられて出発しました。
 やがて都の外のサラユ河のほとりに来たとき、ヴィシュヴァーミトラはラーマとラクシュマナに沐浴をさせ、秘法を授けました。それによって彼らは、疲労することなく、またいかなるものの害を受けることもない身体を得ました。
 河のほとりでラーマとラクシュマナは、ヴィシュヴァーミトラに、弟子としてのあらゆる奉仕を行ない、またヴィシュヴァーミトラは二人に、夜が更けるまで、さまざまな教えを説き明かしたのでした。

 夜が明けると三人は、沐浴と礼拝を済ませた後、再び歩き出しました。
 サラユ河がガンジス河に合流する地点に来たとき、そこの岸辺には、多くの苦行者や聖者たちが、数千年にわたる修行をするための庵を結んでいるのが見られました。
 苦行者や聖者たちは、そのヨーガの力によって、ヴィシュヴァーミトラとラーマとラクシュマナが来たことを知り、寄り集ってきて、聖者ヴィシュヴァーミトラに供物を捧げました。ヴィシュヴァーミトラは彼らと語らい、その夜はそこに泊まったのでした。

 あくる日、三人は船を作って、ガンジス河を渡り、さらに進んでいきました。

 ヴィシュヴァーミトラは、ラーマに神の武器を与えるため、東方に向かって念を凝らしました。すると天の武器が姿をあらわし、ヴィシュヴァーミトラはその武器を使うための秘法をラーマに授けました。

 そうして三人は、目的の森へと到着しました。そこでヴィシュヴァーミトラは祭典をおこなったのち、六日間の無言の行に入りました。
 六日目、ついに悪魔のマーリーチャとスバーフがあらわれました。悪魔たちは激しく襲いかかってきて、祭壇に血を振りこぼし始めました。
 ラーマとラクシュマナはただちに悪魔との戦闘に入り、あっという間にこの二人の悪魔を倒してしまいました。

 ヴィシュヴァーミトラは、大喜びで言いました。
「どうか私の庵へおいでなさい。私の弟子たちは喜んで、あなた方にお仕えするでしょう。」

 王子たちはその日一日中、ヴィシュヴァーミトラの一団と共に過ごしました。翌朝、夜が明けると、ラーマとラクシュマナは、ガヤトリー・マントラを唱え、朝の祈りを済ませました。するとヴィシュヴァーミトラがこう言いました。
「勇士たちよ。お二人は、王者にふさわしいつとめを立派に果たされた。まことに見上げたものだ。私は今こそ、兵法の極意を伝授することにしよう。
 しかしそれには、その前に、己を制することについて知らねばならぬ。己を制する者こそ、全世界を制することができるのだ。まず最初に、言葉を慎むことから始めなさい。」

 ラーマとラクシュマナは、言葉を慎み、己を制すると誓いました。

 そこでヴィシュヴァーミトラは、「復讐の矢」の極意を2人に授けました。この矢は、まるで稲妻のように強力なものなのです。
 次に、「裁判の投げ縄」という極意を授けました。それは、どんな悪人も、この投げ縄を持っている王様の前に出ると、すべての罪を白状してしまうというものでした。
 ヴィシュヴァーミトラはそのほかにも、さまざまな極意を2人に授けたのでした。

 そのとき、ヴィシュヴァーミトラの弟子の一人がやってきて言いました。
「ミティラーのジャナカ王が、王女シーターの花婿を選ぶために、ハラダヌという巨大な神の弓を曲げさせる催しを開くとのことです。」

 これを聞くと、ヴィシュヴァーミトラは、ラーマとラクシュマナを伴って、ジャナカ王のもとへと向かいました。

 ジャナカ王は、ヴィシュヴァーミトラを喜んで出迎えました。そして一緒にいる二人の若者を見て、尋ねました。
「剣と弓矢を携えたこの神々しい若者たちは、何者ですか? まさに神のようではありませんか。」

 ヴィシュヴァーミトラは答えました。
「おお、王よ。彼らは、ダシャラタ王の王子たちであります。」

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2.ラーマの生誕

2008-09-27 19:25:40 | 要約・ラーマーヤナ





 悪魔ラーヴァナの奴隷となったインドラ神をはじめとした神々は、何千年もの間、至高者ヴィシュヌに向かって祈りを捧げました。ついに至高者は、神々の熱心な祈りをおくみとりになり、蓮華のような眼を開いて、こうお答えになりました。

「神々よ。皆さんはこれまでずいぶん苦労なさった。私が悪魔の責め苦から解き放ってあげよう。どの神もだれ一人として悪魔ラーヴァナを倒すことができないのは、ラーヴァナがあらゆる秘術を知っているからなのだ。
 ラーヴァナの国を滅ぼすには、私がまず人間の姿となって生まれなければならない。ラーヴァナは人間や猿などを馬鹿にしているから、ラーヴァナが馬鹿にしているそれらのものに、われわれは姿を変えよう。
 ラーヴァナとその家来たちを倒すには、まず大軍を起こさなければならない。あなた方神々は猿に生まれ変わって、その大軍になりなさい。私はラーマという人間に生まれ変わって、ラーヴァナにまっさきに立ち向かおう。
 ところで、このことを知っておかねばならない。われわれがひとたび人間や猿に生まれ変わったら、自分たちの正体や、天の世界でこのような相談をしたことなどは、すっかり忘れてっしまっているということだ。われわれはまるで偶然のように、地上で出会うことになるだろう。
 我々は必ず地上で再会できるだろう。そのとき、猿となる皆さんは、勇ましい戦士となっていることだろう。私は智慧ある人間となって、みなさんを率いて、ランカーを攻め、必ず勝利を得るだろう。
 さあ、今から地上に降りなさい。南インドのジャングルに住む、猿の子たちとして生まれなさい。それでは、ごきげんよう!」


 このとき、人間界の北インドのコーサラ国の都、アヨージャのダシャラタ王の宮殿において、春のチャイトラ月の九日の日、プナルヴァス星夜のもと、太陽が山羊座、月と木星が蟹座、火星が蠍座、土星が天秤座、金星が魚座に入ったとき、ダシャラタ王の后の一人カウサリヤー妃から、筋骨優れ、輝く瞳と真紅の唇を持つラーマが生まれました。このラーマこそ、至高者ヴィシュヌ神の化身なのでした。
 続いてカイケーイー妃はバラタという子を産み、スミトラー妃はラクシュマナとシャトルグナという双子を産みました。

 この四人の男の子たちは天の星のように美しく、また生まれたときからラクシュマナはラーマに影のようになつき、シャトルグナはバラタになついていました。

 四人の王子はそろってめきめき大きくなりました。さまざまな武術によって体はとても強くなり、またさまざまな学問や音楽なども修めました。

 そんなある日のこと、ヴィシュヴァーミトラという聖者が、ダシャラタ王の宮殿を訪れました。
「私はヴィシュヴァーミトラという者です。大王とその一族は、つつがなくあられますでしょうか。」

 聖者のあいさつに、ダシャラタ王は立ち上がって答えました。
「賢者よ。よくおいでになりました。私は俗界の国王です。この世を支配するわれわれ国王は、永遠の神を求めてお仕えするあなた方のような方々を敬っております。あなた様が来てくださったことは、大変な幸せです。
 ところで今回、いかなる目的をもってあなたは参られたのですか? ためらうことなくお告げください。私はあなたに仕えるものです。お望みのものがあるなら、何でもおっしゃってください。」

 ヴィシュヴァーミトラは、喜ばしげに王に答えました。
「王よ、わが参上の目的を言うことを許されよ。
 この日頃、私はある祭典を執り行っております。しかしその最中に、マーリーチャとスバーフという二人の恐るべき変幻自在の悪魔があらわれ、祭壇に血と肉を降り注ぎ、祭典を汚し、無効のものとしてしまいました。
 今、王は、望みのものは何でもくださるとおっしゃいましたね。王の長男ラーマを、しばらく私に託されよ。私の庇護のもとに、彼は神力によって悪魔を倒し、三界に名をとどろかせる者となるでしょう。王よ、恐れるべきではありません。悪魔などはラーマの敵ではありません。私はラーマの力を借りて、祭典を正しく実行したいのです。」

 聖者のこの願いを聞いたダシャラタ王は、悲しみのあまり気を失ってしまいました。再び気を取り戻すと、王は苦悩しながらこう言いました。
「大聖よ、ラーマはまだ十六歳にすぎません。どうか連れていかないでください。ラーマはまだ、悪魔たちと戦う力をそなえておりません。あまりにも若く、経験も浅く、戦術にも熟達しておりません。一筋縄ではいかない悪魔たちと戦ったら、王子はきっと傷つけられてしまうでしょう。
 貴い賢者よ。どうか王子を連れていくことだけは勘弁してください。」

 ヴィシュヴァーミトラは、怒って言いました。
「王は、望みのものは何でもくださるとおっしゃったはず。王が約束を守らないというなら、私は世界中に向かって、ダシャラタ王は約束を踏みにじったと発表しますぞ。」

 ラーマは、父が困っているのを見ると、すっくと立ち上がって言いました。
「貴い賢者よ。私とラクシュマナとで、あなたの住んでおられる森に、喜んでまいりましょう。弟と一緒に、きっと悪魔に勝ってみせましょう。
 父上は約束をなさいました。一度約束をなさったからには、もう覆すことはできません。父上、どうか私たちを、この聖者と一緒にやってください。剣術や弓術の腕前を試してみたく思います。」

 ラクシュマナも立ち上がって、ラーマと一緒にダシャラタ王に熱心にお願いしました。
 ダシャラタ王は言いました。
「それほどまでに言うのなら、行くがよい。お前たちは勇気があって立派な人間だからこそ、このようなことができるのだ。」
 
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1.盗賊、詩人となる

2008-09-23 20:35:48 | 要約・ラーマーヤナ






 遠い遠い昔のこと、インドのあるジャングルで、通りがかりの旅人を襲って生計を立てていたラトナーカルという追剥がいました。それはそれは大変恐ろしい盗賊だったので、人間はもちろん、猛獣でさえもが彼のことを恐れていました。
 ラトナーカルは、商人だけではなく、王様さえも襲いました。誰であろうと道を通りかかれば必ず襲い、金品を奪い取るというのが、彼の大変な自慢でした。

 ある日のこと、ナーラダという聖者が、そのジャングルを通りかかりました。ラトナーカルはいつものように、こう言いました。
「止まれ! ここを通るなら、お金か命か、どちらかを置いていけ!」

 聖者ナーラダは、全く恐れることなく、答えました。
「おや、恐ろしい顔をしているね。黒いひげがまるでクマンバチの巣のようだ。罪とがのない旅人を苦しめて、何が面白いのかね?」

「俺は金が欲しいんだ! 俺はラトナーカルという名前だが、これは『宝の山』という意味なんだぞ。王様や商人からたんまりと金品を奪い取って、俺は大金持ちになりたいんだ。さあ、分かったら、お金か命か、どちらかをよこせ!」

「とんでもない。わしはお金などは持っていない。ただ神のことを説いて歩いているだけじゃ。」

「お金がないって? おまえはいったい、どういう人間なんだ?」

「欲深な眼をしているね。お前は聖者に会ったことがないのかい?
 わしは至高者に何年も何年も祈りをささげたおかげで、至高者はわしを不死にしてくださり、お金がなくても生きていける勇気を与えてくださったのじゃ。わしのもっているのは命だけだが、取りたければ取っていくがよい。」

 このときラトナーカルはハッとして、謙虚になってナーラダに言いました。
「至高者があなたを不死にしてくださったのなら、どうして私のような者があなたの命をとることができましょうか。」

 ナーラダは、にっこり笑って言いました。
「泥棒さん、その通りじゃ。至高者は、わしの命さえもお前にあげられないほど、わしを貧乏人になさったのじゃ。本当にわしは、お前に呼び止められるような値打ちのある人間ではないのだよ。」

「それならなおさら、ここを通すことはできない。
 至高者があなたを不死にし、何もなくても生きていける勇気をおあたえになったのなら、私もどうしたらそのような力を至高者から奪い取ることができるか、どうか教えてください。私も不死になりたいものだ。これこそ宝の中で最も貴いものだ。」

「不死を得たいといっても、かなり値が高いぞ。」

「どんなに高くたって、かまうものか! お望みだけのお金は、きっとお支払いします。」

「よろしい。では、よく聞きなさい。
 実は、十の頭と二十の腕を持つ、恐ろしいラーヴァナという悪魔が、ランカー(セイロン島、スリランカ)にあらわれた。こいつはたいそう強いやつなので、大方の神々を引きとらえ、インドラ神さえも奴隷にしてしまったのじゃ。
 何百年もの間、神々はランカーで悪魔の奴隷となった末に、苦しさに耐えかね、至高者ヴィシュヌ神に、この世に降臨してくださいと祈りを続けた。
 善が破れ、悪がこの世にはびこるようなときには、至高者は人間の姿となって、この世を正しく変えるために降臨なさるのだ。神々は、
『至高者よ。時は来たれり。今こそ降臨のときです・・・』
と祈りをささげた。
 この祈りは間もなく聞き届けられ、至高者はこの世に降臨なさるだろう。
 ところでナトナーカルよ。お前はこれから一人で荒野に行くがよい。そこで祈りをささげ、瞑想しなさい。そのうちにお前は瞑想の中で、至高者の再来を見、至高者が悪魔を打ち倒すのを見るだろう。
 そしてお前が見たことを、歌にするがよい。人々は幾時代にもわたって、その歌を詠み歌うことだろう。
 この使命を果たすならば、お前も不死を得ることだろう。」

「しかし私は無知です。読むことも書くこともできないのです。そんな私が、どうして歌などを作ることができましょうか。

「祈りをあげ、瞑想を続けるがよい。そうしているうちに、知りたいと思うことは何でも自然にわかるようになるだろう。」

 そう言うと、ナーラダは幻のように姿を消しました。それを見てラトナーカルは、ナーラダが本当の聖者だったと知りました。ラトナーカルはそこで盗賊の生き方をきっぱりと捨てて、祈りと瞑想の日々を送りました。
 猛獣がそばを通っても恐れることなく、ラトナーカルは祈りと瞑想を続けました。こうして十年、二十年という年月が瞬く間に過ぎていきました。微動だにせず瞑想を続けるラトナーカルの周りに、アリがアリ塚を作り出し、いつの間にか、ラトナーカルもすっかりアリ塚のひとかたまりの土のようになってしまいました。

 そしてついにある日のこと、ラトナーカルは偉大な霊感を得、至高者の降臨と、悪魔を倒して正しい世界を取り戻す、その一部始終を見たのです。
 そのとき、ラトナーカルは長い瞑想から立ち上がりました。するとラトナーカルを覆っていたアリ塚はボロボロと崩れ落ちました。それを見てラトナーカルは言いました。
「俺はヴァールミーキ(アリ塚に隠れていた男)だ!」
 こうして盗賊ラトナーカルは、このときからヴァールミーキと呼ばれるようになったのでした。

 その後、ヴァールミーキは、ナーラダが言っていたように、自然に歌を作る力を身につけ、自分が見た、至高者がラーマとして降臨して悪魔を倒す物語を、歌物語にして人々に説きました。それは「ラーマーヤナ」と呼ばれ、その後、吟唱詩人たちの口を通して、インドのすべての人々に行き渡り、何世代にもわたって受け継がれてきたのです。

 さあ、それではその「ラーマーヤナ」の世界を、ここに要約して説きましょう。至高者がラーマとして降臨され、悪魔を倒し、世を正されたときの物語を・・・


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