ヨーガスクール・カイラス blog

True Yoga, to meet the true self.

☆シャクティ・チャーラナ・ムドラー

2016-08-22 20:25:14 | ハタ・ヨーガの教え



☆ヴィパリータ・カラニー

 逆さになり、肩で体を支える。この技法は、グルの口伝えで学ばねばならない。

 このムドラーを毎日怠らずに修習するならば、食物消化の火が強大になる。それゆえ、このムドラーの行者には豊かな食物が提供されなければならない。

 この体位は、初日は数分の時間だけにとどめなければならない。
 そして日ごとに少しずつ時間を延ばしていく。そうすれば六ヵ月後には、シワと白髪はなくなる。



☆ヴァジローリー・ムドラー

 この行法は、異性を抱きながらも、精液を漏らさずに上に引き上げ、不死の甘露を得る秘法である。
 このヨーガは、大変な快楽を伴いつつ、解脱を与えるものである。
 しかしこれは非常に難しく、グルに許された、資格のあるわずかな者だけが、グルの指示によって、慎重に行なうべきものである。むやみに手をつけてはならない。むやみに手をつけると、逆にアパーナ気は下に向かい、地獄に落ちる。



☆シャクティ・チャーラナ・ムドラー

 あたかも鍵で扉を開けるように、ヨーギーはクンダリニーを用いて解脱の扉を開けるべし。

 かの至高なるクンダリニー女神は、ブラフマ・ランドラに行くべき道の入り口で眠っている。
 この女神を目覚めさせ、上昇させ、グルに教わった方法で、朝夕に一時間半ずつ、歩き回らせるべし。

 蓮華座を組み、かかとで下腹部を強く圧迫すべし。
 そうして直ちにバストリカー・プラーナーヤーマをなして、クンダリニーを速やかに目覚めさせるべし。

 かくしてクンダリニーは、スシュムナー気道の門を断固として押し開く。そうすると、かのプラーナは自然にスシュムナー気道の中を流れるようになる。
 それゆえに、この安眠しているクンダリニー女神を、毎日運動させなければならない。彼女が動き回ることによって、ヨーギーはもろもろの疾患から解放される。
 クンダリニー女神を運動させるヨーギーは、神通力の有資格者になる。このことについては他言を要しない。彼は、遊びがてらに死を克服する。

 禁欲を楽しみ、いつも健康に良い食物を節度を持ってとっているクンダリニー行者は、40日して神通力の発現を見ることができる。

 クンダリニーを動き出させてからは、バストリカー・プラーナーヤーマを特に盛んに行なうべし。いつもこのように修習するヨーギーには、どうして死に対する恐れがありえようか。

 中央気道の清掃は、ヨーギーがアーサナ、プラーナーヤーマ、ムドラー等を厳格に修習することによってなされ、気道はまっすぐになる。

 この修行をなす際に、眠りに落ち込まず、心の働きをサマーディをもって不動に保つ人々には、シャーンバヴィー・ムドラーまたは他のムドラーによって、吉祥なシッディを与えられる。



 以上のような各種のムドラーは、最高の主シヴァ神が説きたもうたところである。それらの中の一つ一つが、修行者に大きな神通力を与える。

 これらの伝統的なムドラーの伝授を正しくなす人は、グルであり、神の化身である。

 師の教えを信奉し、ムドラーの修行に専念する人は、様々な神通力を身につけ、死を克服することができるのである。
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バンダ・トラヤ

2016-06-29 09:53:08 | ハタ・ヨーガの教え



☆ウディヤーナ・バンダ

 プラーナはこのバンダに縛られて、スシュムナー管の中を天翔り上るがゆえに、ヨーギーたちはウディヤーナと呼んだ。
 大鳥が疲れを知らずに大空に翔り上ることが、すなわちウディヤーナである。

 腹部を引っ込め、上に引き上げる。このウディヤーナ・バンダは、死神という象を追い散らすライオンのようである。
 ウディヤーナ・バンダが完成すると、それは自然に生じるようになる。
 怠らずにこのムドラーを修習するならば、老人になっても若々しい。
 

☆ムーラ・バンダ

 かかとで会陰部を圧して肛門を収縮し、アパーナ気を上方へ引き上げるならば、それはムーラ・バンダと呼ばれるムドラーである。
 肛門を収縮することによって、いつも下降する傾向のあるアパーナ気を力ずくで上昇させるのだ。
 アパーナ気がスシュムナー管の中を上昇するように、繰り返し繰り返し、力をこめて肛門を引き締める。
 平素ムーラ・バンダを行ずるならば、アパーナとプラーナの合一が起こり、年老いていても青年のようになる。

 アパーナ気が上昇し始めて丹田の炎に達すると、その炎の先が、アパーナ気に煽られて長く伸びる。
 それから、炎とアパーナ気は、プラーナ気と合一し、極度に明るく輝く炎が生じる。
 この炎に熱せられて、眠っていたクンダリニーが眼を覚まし、聖なるスシュムナー管の入り口に入り、だんだんその内部を進んでいく。よってヨーギーたちは、いつもこのムーラ・バンダを行ずるがよい。


☆ジャーランダラ・バンダ

 喉を引き締めて、胸にあごをしっかりとつける。これによって、二つの気道の流れを止めるべし。これがジャーランダと呼ばれるバンダである。これは喉の多くの疾患を無くする。そして気はその流れる道を間違えない。
 

☆バンダ・トラヤ(三つのバンダ)

 ムーラ・バンダで肛門を収縮し、ウディヤーナ・バンダをなし、ジャーランダ・バンダでイダーとピンガラの両道を閉じて、気をスシュムナー気道へ導く。

 この方法によって、気は正しくブラフマ・ランドラのうちに入って動かなくなる。

 このバンダ・トラヤは、いにしえの偉大な大師たちが行じたところの最高のバンダであって、すべてのハタ行法の完成をもたらすものであることを、ヨーギーたちは知っている。

 さらに、頭から甘露を滴り落とさせ、それを体中にめぐらす優れた手段がある。しかしこれはグルの指導によってのみ会得できるもので、たとえ百万の知識をもってしても会得することはできない。



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ケーチャリー・ムドラー

2016-06-29 06:38:29 | ハタ・ヨーガの教え

☆ケーチャリー・ムドラー

 舌を反転して頭蓋の穴に入れ、視線を眉間にすえる。これがケーチャリー・ムドラーである。
 
 大変切れ味がよく、かつ清潔な刃物をもって、舌の舌小帯のところを毛筋ほど切る。
 それから、粉末にした海塩とウコンの粉を混ぜたものを塗る。一週間後、また毛筋ほど切る。
 このような順序によって、六ヶ月の間、休まずに規則正しく続ける。
 その後、舌を反転して、それを三つの気道の合流する場所へ合わせる。これがケーチャリー・ムドラーである。

 このケーチャリー・ムドラーを心得た人にはもはや病気はなく、けだるさも、眠りも、飢えも、渇きも、気絶もない。
 このムドラーによって心は虚空の中を遊歩する。それゆえに、大師たちはケーチャリー(虚空を歩む)と名づけたのである。

 もし行者が、ケーチャリーの行に成功するなら、彼は若い婦人に抱擁されても、精液を漏らすようなことはない。
 たとえ精液が漏れそうになっても、すぐに上に引き上げられるのである。

 ヨーガに達した人が舌を上にしまいこみ、心を沈めて甘露を飲むならば、半月にして死に打ち勝つことができる。
 もしも行者が毎日甘露でその体を満たすならば、たとえ毒蛇にかまれても、体は毒に影響されない。
 甘露が正しく分泌されると、病気はなくなり、老化は止まり、様々な神秘的力を得、天女をも手元に引き寄せることができる。

 上向きに寝て、舌を上の穴につけたまま、シャクティを思念しつつ、ハタ・ヨーガのプラーナーヤーマによって得られた甘露が、喉のヴィシュッダ・チャクラに滴り落ちるのを飲むならば、無病で、柔軟な体になり、長寿を保つことができる。

 甘露を飲むための修法を修練するがよい。正しく甘露を飲まないならば、肉体の完全は所詮得られない。
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プラーナーヤーマ

2008-12-17 12:31:25 | ハタ・ヨーガの教え
 ブラフマー神をはじめとする神々でさえも、プラーナーヤーマの修練に没頭したのである。それゆえに、われわれは気を修練しなければならない。

 プラーナーヤーマを規定どおりに修練した結果、気道の組織が清掃されたときには、気は容易にスシュムナー気道の入り口を開いて、その中に入る。

 気がスシュムナー気道を流れるならば、心が不動になり、マノーマニー状態になる。

 この状態に到達するために、クンバカの術に通じた人たちは、種々のプラーナーヤーマを行なう。種々のプラーナーヤーマを行ずることによって、いろいろな神秘的な力を得るであろう。

 アパーナ気を上に引き上げ、プラーナ気を喉から下に導くべし。そうしたならば、ヨーギーは老化から解放されて、16歳の若者のようになる。


☆ウジャーイー・プラーナーヤーマ

 両方の鼻孔から気をゆっくりと吸い込み、保息した後、ゆっくりと吐く。息の出し入れ時には、師の指示に従って音を立てる。

 このプラーナーヤーマは、喉の咳を除去し、体内の火を増強し、気道・体液・腹部・体質等に関する病気を消し去る。
 このプラーナーヤーマは、座っても、立っても、歩きながらでも行なうことができる。


☆バストリカー・プラーナーヤーマ

 智者は蓮華座を正しく組んで、正身端座し、力をこめて、鼻から息を吐く。
 そのとき、息が音を立てて、心臓、喉、頭部にまで達するようにして息を吐く。
 そしてすばやく息を吸うべし。
 このすばやく力強い出入息を繰り返すこと、あたかも鍛冶屋がふいごを力をこめて踏むがごとくである。
 かようにして、自己の体内にある気を意識的に回転すべし。その結果、体内に疲れが出てきたら、気が体中に充満するように、右鼻から息を吸うべし。それから、親指と薬指と小指でしっかりと鼻を押さえ、クンバカを行なった後、左鼻で息を吐くべし。
 その後、再びふいごのような呼吸を繰り返した後、今度は左鼻で息を吸い、クンバカを行なった後、右鼻から息を吐くべし。
 このプラーナーヤーマは、体質の異常による疾患を取り払い、体内の火を増強する。
 また、速やかにクンダリニーを覚醒させ、気道を清掃し、快感を与え、体に良い結果をもたらす。そしてスシュムナー気道の入り口をふさぐ粘液等の障害物を取り除く。
 このプラーナーヤーマは、スシュムナー気道の中に生じた頑固な三つの結節を破壊するものであるから、特に修練しなければならない。
 

☆ブラーマリー・プラーナーヤーマ

 このプラーナーヤーマにおいては、吸息は雄蜂の羽音のごとき音を立て、出息は雌蜂の羽音を立ててゆっくりと行なう。かかる修練をなすとき、ヨーガのたち人たちの心の中に、ある種の恍惚状態が生じた。



 クンバカ(保息)には、プーラカ・クンバカ(息を吸って止める事)と、レーチャカ・クンバカ(息を吐いて止める事)と、ケーヴァラ・クンバカの三種がある。
 ケーヴァラ・クンバカとは、プーラカでもレーチャカでもなく、自然に気楽に生じる保息である。ケーヴァラ・クンバカに成功するまでは、プーラカとレーチャカのクンバカの修行を続けるべきである。
 ケーヴァラ・クンバカこそは真のプラーナーヤーマであるといわれる。これに成功したときには、三界において得られないものは一つもない。そして深い瞑想に入ることができる。このことは疑問の余地がない。

 クンバカによって息を止めたままで、心をあらゆる対象から引き離すべし。これによって深い瞑想に入ることができるのである。

 

 ハタ・ヨーガに成功したという印は、以下のようなものである。

①体が痩せる
②顔色がさえてくる。
③ナーダ音がはっきりと聞こえる。
④眼に曇りがなくなり、輝く。
⑤無病になる。
⑥ビンドゥの克服(精液が昇華され、性欲に悩まされなくなる)。
⑦消化力が旺盛になる。
⑧気道のつまりがなくなる。
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浄化法

2008-10-23 22:47:17 | ハタ・ヨーガの教え

 肥満体質と粘液(カパ)体質の人は、プラーナーヤーマを修習する前に、五つの浄化法を正しく行なうべし。
 ヴァータ・ピッタ・カパの三体質が平均している人は、これらの浄化法を行なう必要はない。

 五つの浄化法とは、以下のものである。
①ダーウティ
②ネーティ
③トラータカ
④ナーウリ
⑤カパーラバーティ

 これらの五つの浄化法は、身体を浄化する秘法である。それは異常な力を生ずるので、優れたヨーギーたちに喜ばれている。


①ダーウティ

 師の指示に従って、幅七センチ、長さ三メートル半の布切れを、ゆっくりと飲み込むべし。そして、取り出すべし。これがダーウティと呼ばれる浄化法である。

 ダーウティの力によって、咳、喘息、脾臓の病、ハンセン病等、粘液体質の過剰から生じる病が癒される。


②ネーティ

 約二十センチの長さの、柔らかい紐を鼻の中へ差し込み、それを口から出し、紐の両端を持ってしごくべし。これはシッダたちによってネーティと呼ばれている。

 ネーティは頭の中を清め、霊的な直観を与え、肩から上に生じたいろいろな病気の類を速やかに無くする。


③トラータカ

 視線を動かさず、心を静めて、微小な標的を涙が出るまで見つめるべし。この作法はアーチャーリヤたちによってトラータカと呼ばれている。

 トラータカは眼の病を取り去り、怠惰等を封ずる。


④ナーウリ

 前屈姿勢になり、腹直筋を立て、それを左右に回転させるべし。これはシッダたちによって、ナーウリと名づけられている。

 ナーウリは、働きのゆるんだ消化の火を再燃させ、食物の消化をもたらす。また常に快適な気持ちを生み、体質の不調和から来る疾患のことごとくを無くするものである。


⑤カパーラバーティ

 師の指示通りに、すばやく入息と出息を繰り返す呼吸がカパーラバーティといわれるもので、粘液体質の過剰から来る疾患を消す。


 以上の五つの浄化法によって、肥満、粘液体質過剰から来る疾患、不潔な分泌物などが消え去った後、プラーナーヤーマを修習するならば、苦労なしにそれに成功する。


☆ガジャ・カラニー

 大量の水を飲み、気を引き上げて水を吐くという練習を段階的に積み上げていって、気道の組織を自己の支配下に置く。この法はハタ・ヨーガに通じたヨーギーによってガジャ・カラニーと呼ばれる。

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プラーナーヤーマ

2008-10-22 18:42:04 | ハタ・ヨーガの教え

第二章 プラーナーヤーマ


 ヨーギーは、健全食をほどほどにとり、グルに教えられた方法に従って、プラーナーヤーマを修練すべきである。

 気(プラーナ)が動くと心も動く。気が動かなければ心も動かなくなる。
 ヨーギーは、不動心に達しなければならない。だから、気の動きを制止すべきである。

 気道(ナーディー)に汚物が詰まっていると、気は体の中央を通ずるスシュムナー管を流れない。そのような場合に、どうしてサマーディが起こりえよう。また、どうして修行目的の達成がありえよう。

 汚物でいっぱいの気道組織のすべてが清掃されたときに初めて、気の蓄積に耐えうるヨーギーが生まれる。

 それだから、中央のスシュムナー気道の中にある汚物がきれいになくなるように、絶えずサットヴァ性の叡智をもって、プラーナーヤーマをなすべきである。

 ヨーギーは、パドマ・アーサナ(蓮華座)を組み、左鼻から月の気道を通じて気を体内に取り入れ、それを自己の力に応じて体内に保持した後、日の気道を通じて右鼻から吐くべし。
 次に、右鼻から日の気道によって気を取り入れ、ゆっくりと体内に満たすべし。そしてしばらくクンバカ(保息)した後、月の気道によって左鼻から吐き出すべし。
 このような仕方で、不断にプラーナーヤーマの修習を続けていくならば、ヨーギーの気道組織は三ヶ月にして汚れのないものになるであろう。

 朝、昼、夕方、夜中の四つの時間帯にプラーナーヤーマを修習し、毎時間ごとのクンバカの回数を日を追って少しずつ増していき、しまいには80回ずつに達すべし。

 プラーナーヤーマの初期においては発汗し、中級の段階においては戦りつが生じ、上級の段階においては不動の状態に達する。それゆえに、プラーナーヤーマを修習し続けなければならない。

 プラーナーヤーマの修練によって生じた汗でもって身体を摩擦するがよい。これによって身体に強健と軽快さとが生じる。

 実習の初歩の段階では、牛乳とバターを加えた食物が適している。その後、修練が確固たるものになったあかつきには、かかる規則を守る必要はない。

 ライオンや象やトラのごとき猛獣でも、徐々にならすことができるように、気も修練を続けていけば、しまいにはコントロールすることができるようになる。さもなくて、にわかに抑制しようとすると、かえって修行者を害することになる。

 プラーナーヤーマを正しく行じていくならば、一切の病がなくなるであろう。しかし修練の仕方を誤ると、かえってあらゆる病が生ずる。

 間違った仕方でプラーナーヤーマをすると、気が興奮する結果、しゃっくり、喘息、咳、および頭・耳・眼の痛みなど、いろいろな病気が発生する。

 それゆえ、あくまでも正しい仕方で気を吐き、あくまでも正しい仕方で気を満たし、あくまでも正しい仕方で気を保留しなければならない。かくして、ハタ・ヨーガの目的を達成することができるのである。

 プラーナーヤーマの修習によって気道が清掃されたあかつきには、体がスマートになり、血色がよくなるなどの外部的な兆候が現われるであろう。

 また、気道が清掃すると、気を好きなだけ静止しておくことができ、腹の火が盛んに燃え、ナーダ音がはっきりと聞こえ、無病息災になる。
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禁戒

2008-09-29 14:56:22 | ハタ・ヨーガの教え

 われわれは、気道を清掃する方法である、生気に関する法を修練しなければならない。それは上述したアーサナ、いろいろな呼吸法、ならびにムドラーと呼ばれる諸操作からなっている。

 その次にナーダ音に意識を集中するのが、ハタ・ヨーガにおける修習の順序である。梵行(禁欲)を守り、食を節し、すべての欲望を捨てて、ヨーガに専念する人は、一年後にはシッダ(成就者、大師、達人)となるであろう。このことについて疑いをさしはさんではならない。

 バターや甘みをもって味付けされた食物をとり、胃の四分の一を空けておくこと。ただ生命への愛だけから食事をすること。これが節食といわれるものである。

 ヨーガ修行のはじめのうちは、食物、異性、旅、その他についての禁戒を守らなければならない。ヨーガ修行が進んだ後は、これらの戒は外される場合がある。その辺は、師の指示に従うべきである。

☆食物についての禁戒

 次のような食物は、最初のうちは極力とってはならない。
 辛すぎるもの、酸っぱすぎるもの、刺激が強すぎるもの、塩辛すぎるもの、熱すぎるもの、冷たすぎるもの、葉っぱ、ごま油、からし、酒、魚、獣肉、油で揚げた菓子、にんにく、いったん冷えたものを温めた食物、消化しにくいものなど。

☆ヨーガ修行に適する食物

 ヨーギーにとって好適な食物は次のごとくである。
 小麦、米、大麦、その他優れた穀物、生乳、バター、砂糖、蜜、根菜、豆類、清水等である。
 またヨーギーは、栄養になる食物、甘みのある食物、バター入りの食物、牛乳入りの食物、体力をつける食物、その他自分の好む適当なものを食するがよい。

☆異性についての禁戒

 異性と性交してはならない。

☆旅についての禁戒

 長旅をしてはならない。

☆その他の禁戒

 悪人の近くに住んではならない。
 体を冷やし過ぎてはならない。
 断食その他の肉体を苦しめる行為をしてはならない。



 若きも、老いたるも、病人も、虚弱者も、すべてのヨーガ行を怠らずに実習することによってシッディ(成就)に達することができる。

 ヨーガ行法の実習を行なう人にしか成就はありえない。実習しない人にどうして成就がありえよう。ただ経典を読むだけでは、ヨーガの成就は生じない。

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最も重要な三つのアーサナ

2008-09-29 14:28:02 | ハタ・ヨーガの教え
 シヴァ大神は84のアーサナをお説きになったが、その中でも最も重要な三つのアーサナを以下に取り上げて説明しよう。

 三つの最も優れたアーサナというのは、シッダ・アーサナ、パドマ・アーサナ、シンハ・アーサナである。

 
☆シッダ・アーサナ(達人座)

 片方のかかとを会陰部にあてがい、他方のかかとをしっかりと性器の上方にすえる。上体をまっすぐに立て、もろもろの感覚を外界の対象から内側に引っ込め、眉間を凝視せよ。これこそ解脱の障害を断ち切るところの、シッダと呼ばれるアーサナである。

 両方のかかとを性器の上方にあてがい、シッダ・アーサナをなしてもよい。

 シッダ・アーサナは、七万二千本のナーディ(気道)の汚れを清掃するものである。

 シッダ・アーサナが不動に組まれたならば、心地よいウンマニーの状態が発現し、またバンダ・トラヤも自然に生ずる。


☆パドマ・アーサナ(蓮華座)①

 深く交差した両足を腿の上に置き、手のひらを上向きに両手を重ねる。そして舌の先を上口蓋につけ、肛門を引き締めて気を引き上げる。


☆パドマ・アーサナ②

 ことさらに固くパドマ・アーサナを組み、心に「かのもの(タット)」を思念しながら、息を吸い込み、深くあごを胸にうずめてプラーナ気を下方へ通わせ、肛門を引き締めて繰り返しアパーナ気を上へ引き上げる。これによって、人はシャクティの助けを得て、無比な悟りを得る。


☆パドマ・アーサナ③

 パドマ・アーサナを組み、背後から回した両手でしっかりと両足の親指をつかむ。このアーサナはバッダ・パドマ・アーサナと呼ばれ、行者たちの疾患を消す。


 パドマ・アーサナは、あらゆる疾病の破壊者といわれる。また、このアーサナは行者を解脱へと導く。とはいえ、功徳の薄い人はそれに成功しない。ただ賢明で功徳のある人だけが成功するのである。



☆シンハ・アーサナ(ライオンの体位)

 両足の足首を交差させ、その上に座る。
 両手のひらをそれぞれの側のひざに置き、指を広げ、口を大きく開けて舌を長く外に出し、精神を統一して眉間を凝視する。
 
 このアーサナは、優れたヨーギーたちによって、アーサナの中の最上のものとして尊ばれるべきである。それは三つのバンダの統合をもたらすものである。
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☆マッチェーンドラ・アーサナ

2008-01-07 19:09:33 | ハタ・ヨーガの教え
☆マッチェーンドラ・アーサナ

 右足を左足の腿の付け根にひきつけ、左足は右ひざの外側の床に置き、右腕を左ひざに引っかけ、右手で左足をつかんで上体をねじる。これがマッチェーンドラ・アーサナである。

 マッチェーンドラ・アーサナを毎日修習するならば、消化力を強め、耐え難い病の軍勢を破ることができる。また、クンダリニーの覚醒を促し、頭部の月を安定させる。


☆パシュチモーターナ・アーサナ(背中を伸ばす体位)

 床の上に両足を棒のようにまっすぐにそろえて伸ばし、両方の手の人差し指を足の親指に引っ掛け、腰を折って上体を足につけて、そのままじっとしている。これをパシュチモーターナ・アーサナという。

 パシュチモーターナ・アーサナはアーサナの中の最上であって、風(生命エネルギー)を、背骨の中心を貫いているスシュムナー気道を通じて運ぶものである。それは腹の中の火を増大し、また腰を細くし、人々を無病にする。


☆マユーラ・アーサナ(孔雀の体位)

 両方の手のひらを地上につけ、両腕のひじの上にへその両側をあてがい、体を中に浮かせて、棒のごとくまっすぐに保持する。このアーサナはマユーラと呼ばれる。

 聖者マユーラのアーサナは、脾臓肥大などの疾患のすべてを取り除き、体質の異常から生じたもろもろの病気を治す。また、大食した粗悪な食物をことごとく消化し、腹の火を強めて猛毒を中和することもできる。


☆シャヴァ・アーサナ(屍の体位)

 死体のような格好で仰向けに寝るのがシャヴァ・アーサナである。
 このアーサナはハタ・ヨーガの実習から来る疲労を取り去り、心のリラックスをもたらす。
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アーサナ

2008-01-05 16:05:43 | ハタ・ヨーガの教え

 アーサナは、ハタ・ヨーガの第一部門である。
 心身の強健と無病、軽快さ等を得るには、アーサナを行なうがよい。

 ヴァシスタ等の聖者たちと、マッチェーンドラ等の行者たちによって採用されたアーサナの中のいくつかを説明しよう。


☆スワスティカ・アーサナ(吉祥座)

 ふくらはぎと太ももの間に両足の親指以外の指をしっかりと挟んで、体をまっすぐに立てて座る。これがスワスティカ・アーサナである。


☆ゴームカ・アーサナ(牛面座)

 左右のひざを交差させて、それぞれのかかとを逆側の尻につける。これがゴームカ・アーサナである。


☆ヴィーラ・アーサナ(勇者座)

 一方の足を他方の腿の上にしっかりとすえる。これがヴィーラ・アーサナである。


☆クックタ・アーサナ(鶏の体位)

 蓮華座を組んでから、ふくらはぎと腿の間に両腕を差し込み、それを地上に立てて、体を中に浮かす。これはクックタ・アーサナである。


☆ウッターナ・クールマ・アーサナ(上向きの亀の体位)

 蓮華座を組んでから、ふくらはぎと腿の間に両腕を差し込み、両腕で首をつかみ、亀のように上向きに寝る。これがウッターナ・クールマ・アーサナである。


☆ダヌス・アーサナ(弓を引く体位)

 両足の親指をそれぞれの手でつかみ、片手を耳に近づけ、弓を引くような格好をする。これがダヌス・アーサナである。

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第一章 アーサナ

2008-01-02 13:02:16 | ハタ・ヨーガの教え
 以前、ハタ・ヨーガの経典である「ゲーランダ・サンヒター」をもとに「ハタヨーガ・スートラ」というシリーズをまとめましたが、今回から、同じハタヨーガの経典である「ハタ・ヨーガ・プラディーピカー」をもとに、『ハタ・ヨーガの教え』というシリーズをまとめていきたいと思います。

 このシリーズは、『ハタ・ヨーガ・プラディーピカー』をもとにしてはいますが、直訳そのものではありません。あくまでも私の経験や理解をもとに、私の独断で、様々なことを付け加えたり、削除したり、編集したりしていきますので、ご了承ください。原典そのものを読みたい方は、『ヨーガ根本教典」(平河出版)などをご参照ください。



第一章 アーサナ




 ハタ・ヨーガの道を太初に示したもうたシヴァ神に帰依し奉る。

 聖なる祖師シヴァ神をはじめ、マッチェーンドラ、ゴーラクシャ、カーパーリカ等、その他多くの偉大な大師たちは、ハタ・ヨーガの力で死神を打ち破って、大宇宙の中を遊歩したもう。

 ハタ・ヨーガは人生の苦熱に悩むすべての人々のよりどころであり、またヨーガの道に励むすべての人々のよりどころでもある。
 
 およそシッディを得ようと思う行者は、ハタ・ヨーガの技法を極秘にしなければならない。

 行者は、人民が善良で、犯罪のない国において、人里離れた場所に庵室を結んで住むのが良い。

 ハタ・ヨーガの道にいそしむ大師たちは、理想的なヨーガの庵室を、次のように説いている。戸口は小さく、窓は無く、床のくぼみも無く、隙間も無く、屋根は高過ぎず低過ぎず、広すぎず、汚れなく、一匹の虫もおらず、戸外にはテラスや井戸などがあり、住み心地よく、周りを塀で取り囲んでいる。

 そしてすべての心遣いを捨てて、グルに教示された道によって、もっぱらヨーガの修行だけにすべての時を捧げなければならない。

 ヨーガは、次の五つの事柄によって崩れる。
①過食
②過労
③必要のない戒律や伝統へのとらわれ
④多すぎる人付き合い
⑤落ち着きのないこと

 ヨーガは、次の六つの事柄によって成功する。
①熱心
②思い切って行なうこと
③不屈
④正しい知識
⑤信念
⑥多すぎる人付き合いをしないこと


 また、ヨーガ行者は次の禁戒と勧戒を日々守らなければならない。


◎禁戒(ヤマ)

①非暴力・不殺生
②誠実
③不盗
④梵行(禁欲)
⑤忍耐
⑥心身を剛健に保つこと
⑦私欲がなく正直であること
⑧慈悲
⑨節食
⑩所有欲を持たないこと


◎勧戒(ニヤマ)

①苦行
②知足
③至高神への信仰
④布施
⑤至高神への供養
⑥聖なる教えの学習
⑦慙愧
⑧賢明であること
⑨マントラを唱えること
⑩心身を清浄に保つこと
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