風の記憶

≪記憶の葉っぱをそよがせる、風の言葉を見つけたい……小さな試みのブログです≫

てんとう虫

2010年05月20日 | 詩集「カクテル」



背中の星が重いから
飛翔しても
飛翔しても落ちる
てんとう虫の
小さな宇宙


野の草よりも軽く
持ち上げたものの重みに
耐えているが


あまりにも大きなものの中で
あまりにも小さく生きる
背中の星をかなしんでいる


だからときどき
おもいきって宇宙の外へと
飛び立とうとする


(2007)


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