新聞の切り抜きやメモなど、雑多なものを放り込んでいた菓子箱を整理していたら、次のようなものが見つかった。
新聞の読者投稿歌壇に投稿された短歌だった。
ネットにはなんでもあると思う子ら
「ホントの自分」もそこにはあると
(松戸市 原田 由樹)
ぼくもかなりネットに依存した生活をしている。
だから、そこには何でもあるような気もするし、何もないような気もしている。
「ホントの自分」も、そこにはあるかもしれないし、ないかもしれない。
ただ浮遊している状態なのかもしれない。
浮遊しているから、自分でも自分をとらえがたい。
ネットは、おおむね言葉の世界だといえる。
さまざまな言葉を、誰かが発信し、誰かが受信している。好き勝手に発信し、好き勝手に受信することもできる。
さまざまな言葉を追いつづけるかぎり、ぼくの場合は浮遊しつづけることになる。浮遊しつづけるかぎり、どこかへ辿りつけるかもしれないし、どこへも辿りつけないかもしれない。
その状態は快いともいえるし、不安だともいえる。
たぶん、ホントの言葉があるところに、ホントの自分もあるのだろうし、そこが行き着くところなのだと思っている。
あるいは、ホントの自分を探している自分こそ、ホントの自分なのかもしれないと思ったりもする。
ホントなどという言葉は、かぎりなく妄想を広げてしまう。