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『毛利衛、ふわっと宇宙へ』

2008-06-05 | 科学
 『 毛利衛、ふわっと宇宙へ 』

               毛利 衛 著 

  日本人初の宇宙飛行士への歩みと宇宙体験。体験しないとわからないことっていっぱいありますね~。

  宇宙の原風景

 ---ところで、何かふっと自分の脳裏をよぎる原風景のようなものが人にはあると思うんです。あるいは人生を決めてしまうような、毛利さんの場合ですと、皆既(かいき)日食の体験とか。そういう体験あるいは風景というものが、人にはそれぞれあるんではないかという気がするんですが、もしそれを宇宙で見たとすれば、どういうものでしょうか。

毛利 やっぱり金星と夕日ですね。子どものときから、余市(よいち)の澄んだ空に夕日が沈んで金星がぱあっと出てくるという光景を何度となく見ていた。あの太陽と金星の輝き、それが宇宙でも見えた。でも、印象は全然ちがいます。片や真っ暗な空だから。ブラックホールじゃないけれども、光はなーんにもない。光はすべて吸収されて、微塵の反射もない。たとえばこのテープレコーダーは黒いですが、こういう黒だったら光っているでしょう。ところがそんな黒じゃないんです。ほんとうに黒という色で表現できる黒じゃなくて、すべてが吸い込まれていくような黒なんですね。
そのなかで太陽も輝いているんですね。そういう吸い込まれそうな黒のなかに太陽がひとつ、ものすごい光で容赦なく照りつけている。生命ということを考える余地もないぐらい、ぎらぎら輝いている。太陽が沈むときには、金星がやはり吸い込まれていきそうな暗黒のなかに、瞬(またた)きもせずに輝いている。
考えてみれば、いろいろな原風景がありますよね。私にとっては、牧場があって、サイロがあって、羊がいたりするのがそうだと思っていますけれど・・・・。
自分が育ってきた野原、雲があって、川が流れて----。それは宇宙から地球を見たときの印象とは直接は結びつかないんですが。

---既視観(デジャビュ)の感覚、ああ、いつかこれは見たことがあるとか、むかし自分はこの経験をしたことがあるという感覚、それを宇宙で感じたことがありましたか。

毛利 それはすぐには思い出せない。そうですね・・・。瞬間的にパッと思ったんじゃなくて、いつも、ふわ~んと浮いているときかな。シャトルが軌道に乗って無重力になった瞬間から、黙って楽な姿勢をしていると、ふわ~んという感じで浮いているんです。そういうのは、いままでどこかであったんじゃないかなという気持ちがずうっとしていました。
スペースシャトルの中はいつも騒々しいんです。装置が動いていますから、常に機械的な騒音に包まれているんです。そういうこともあって、頭がぼっーとしてます。初日は宇宙酔いのせいもありましたけれども、二日目からは宇宙酔いが完全に治って、それでもやはりいつもぼっーとしているんですね。実験の作業に追われてやっとひと息ついたときに、疲れた体をふわ~んと浮かせているときに、ああ、気持ちいいなあ、そういえば、こういうのがむかしあったような気がするなぁという・・・・。

 胎内の記憶

---あの浮かんでいる姿を見ていると、何か幼児体験というか、いやもっと前の記憶・・・。

毛利 あぁ、たとえば母親の胎内にいるときのような・・・。それかもしれない。もちろんそんな記憶は残っていませんけれども。
たとえばプールの中で浮いていると、いつも水にとり巻かれているという感覚があるでしょう、皮膚感覚が。ところが、宇宙で浮いていると、それが全くない。皮膚感覚がないんです。自分の皮膚と外とを隔てているものがないんですよ。いまこうして話しているときにも、着ているものが皮膚に触れているという感覚はある。意識はしていませんけれども、ところが宇宙に行くと、この服すら自分の体にさわってないんです。気にならない。
寝るときにはいちおう寝袋を着用しますけれども、それもまたさわっているような感じがあまりしないんです。みんな軽くて浮いている。もちろん、寝袋をピタッと押さえると、触れているなという感覚は出てますけれども。でも実際にはそうではなくて、あらゆる方向に浮いているでしょう。だから、水に入ってふわっ~と浮いているのとも違って、何も着けずに裸のまま、ふわ~っと浮いている感覚。いま言われてみると、母親の胎内で温かくていい気持ちで眠っているのと、ひょっとすると通じるものがあるのかもしれませんね。

---ふわっと何か大きなものに抱かれている感じですか。

毛利 ものに抱かれているという意味じゃなくて、雰囲気に抱かれているという感じはあります。雰囲気的に抱かれた姿勢のまま窓から太陽が沈むのを見たり、オーロラを見たり・・・。あの感覚は何時間感じていても飽きないと、宇宙飛行士がよく言うのを聞いていましたが、まさにそうですね。

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毛利   もっと身近に空間の相対性を実感できるのは、宇宙空間では上下の区別がないということです。上とか下を見るといったって、全く差はない。何かに目が合ったときだけしか、上とか下ということはいえないんです。
無重力状態で目をつむってふーっと浮いているでしょう。
そうすると知らず知らずのうちに体が動いているんです。
動きをとめるほうが難しい。
一分後にパッと目を開けると、あれあれっ、なんだろうと戸惑っていると、いままで見た世界と全然違うものが見えてくるんですね。早いときでも一、二秒、遅いときには五、六秒して、あっ、ここかというのがやっとわかって、自分の位置がたとえばさっきとは逆さまになっていることもわかるんですね。

---空間における上下というのは、人間がものごとを考えるときの基本的な概念のひとつだと思うんですが、宇宙に行かれてそういうものがなくなったときに、地球上では上下という概念に無意識のうちにしばられているということが、逆にわかってくると思うのですが。

   ふわっと宇宙へいいですね~ カルちゃんはふわっと家中で かな~    

           今日も最後までお読みくださいまして ありがとう 

                                      つながっているすべての人に ありがとう    

 

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