観光大使

2009年10月14日（水）

　勤務前に重松清の「見張り塔からずっと」の「カラス」を読み終えて憂うつになる。ただでさえ気分が沈んでいたのに急下降。重松清は泣かせる作家として知られているが、この本は夫婦の転落を描いている。
　宇野臨海公園で日本海を望む。一人座りながらうつむいている青年がいて気になった。駐車場にはいくらかの車。ここで休憩する者たちの中には居場所がない人がいるに違いない。居場所がないからここにきたのかもしれない。

2009年10月15日（木）

　夜勤前にやたら活動的。8時前から稲こきをして玄米がなくなった稲を積み込む作業。「ネコ」を引きながら田んぼに入り、6束ほどのせ軽トラに入れ込む。それを梨畑まで搬入。水気を含んだわらは思ったより重量感がありました。
　10時半くらいに倉吉駅で毎日コーヒーを10杯くらい飲んでいる女性と待ち合わせる。今日は観光大使に変貌。あれこれ建物を紹介しながら北栄町のカフェ「れもん茶」へ。
　マグカップがたくさん棚に入れられてある光景はコーヒー好きの両者にとってはたまらなく嬉しいものだったに違いありません。彼女も気に入ってくれたようでよかったです。
　続いて東郷湖を横目に泊地区方面に向かいます。ここから見える海岸はきれいです。潮風の丘とまりに着く。
　ここでは風車に接近できます。真下にきたらごわんごわんすごい音。「小さい頃、父とここまでグランドゴルフにきたことがあるんです」と彼女。恐竜の模型をみて「この辺でたしか恐竜の骨が発見されたんですよ。だから恐竜なんです」と知ったかぶり。でもたしかそのようなことがあったような気がします。
「動物の中ではキリンが好きなんです」という話をしてたら偶然「キリン公園」にたどり着きました。うまくできてますね。
　カフェ好きの二人の最終到着地点は倉吉の「コパン」。ここのケーキは見た目も凝ってて女性に好まれると思います。店内はたぶん全員女性でした。店主は僕の友達の友達なので、だからなのかちらちら僕を見ていたようです。「また別の女の人を捕まえて！」ってな感じかもしれませんね。まあ許してください。

罪悪感を軽くする

　地蔵埼の駐車場から車に乗って帰ろうとしたとき、ふと小さな灯りを見つけた。どうやら島根ナンバーの車のスモールランプがついているようだった。同行者二人はあれこれ議論を交わしたが、結論として「ほおっておこう」というものだった。しかし、私はなんだかふびんに思い、少しあがったところにある喫茶の店員に言っておこうという意見をだした。もちろん言うのは自分である。しかし、問題はそこからだった。店に入ったはいいものの、僕は店員に告げることなく出てしまった。そして同行者に言う。「お客さんに出来る限り聞いてみますだって」。「お疲れさん」と言われた。罪悪感がたまる。
　帰りの道中、一台の車をやや渋滞気味の列に入れてあげた。ドライバーに対する良心で入れてあげてあげたのではない。地蔵埼で感じた罪悪感を少しでも軽くするためだ。しかし、かえってからもそれはいっこうに消えないのだった。