田園調布の山荘

「和を以て貴しとなす」・・ 日本人の気質はこの言葉[平和愛好]に象徴されていると思われる。この観点から現代を透視したい。

151223 14年前の日記「太陽は赤い?いや白い、いや黄色い?

2015年12月23日 23時36分18秒 | 時評

 

   旗本退屈男、水戸のご老公、判官義経に擬せられるコイズミ人気  日本人を熱狂させる歴史上のキャラクターといえば、大石内蔵助、九郎判官義経、太閤秀吉ということになろうか。また芝居などで人気を得ているキャラクターとしては前記の他、新選組、清水次郎長、旗本退屈男、水戸光圀あたりがあげられよう。日本人の心を揺さぶるキャラクターをどう分析すべきであろうか。  まず、敵を大きく、極端に否定的に描き出した上で、主格となるキャラクターをこれに勇敢に対峙する男として描き出し感情移入を計るすストーリー構成になっていると言うことである。男っぽさがなければ日本人の人気は得られない。この男っぽさは、感情に迎合する情念的なスローガンを掲げて、大いなる壁、傷害、時には不条理に対して悲劇的に、非打算的に行動する形式で発揮されなければならない。口は達者で、パーフォーマンスも派手だったが、妙に打算的で、からっきし意気地のない青島前知事が居たために、国会に辞表をたたきつけて政治の世界から足を洗ったと見せかけた石原知事が脚光を浴びることとなった。第二に、権力者のおばない。内部の闘争を描いたドラマであるということである。権力の内部での権力対反権力の闘争ということで革命などのどラマはではない。ロビンフッドの冒険とか、ジャンヌダルクの戦い、ナポレオン・ポナパルドの戦いに見られるドラマ性は日本では関心を呼ばない。権力の枠内での権力者のイス取りを巡って日本人の好きな悲劇性が色濃く打ち出され、単純な勧善懲悪でメリハリがつく。

  コイズミさんがえらい人気である。顔を大写しにしたポスターが、飛ぶように売れている。世論に支持率が80%を超えている。この時点(2001年5月末)のことして記憶しておこう。もし許されるならば、来年のこの時期(2002年5月)にコイズミさんがその後どうなったか書ければいいと思う。高い人気であることの原因を私はこうみている。それはコイズミ劇場である。芝居は勧善懲悪の維新劇。主演は旗本退屈男のコイズミ、客演は女傑タナカマキコ、その他、ドラエモンや鬼太郎、鉄腕アトム、もののけ姫などが並ぶ。マスコミがチンドン屋をかって出てその予告編を隅々まで宣伝した。

 コイズミ劇場の骨組みは、一つが自民党の実力者として自民党と官僚組織、つ言う他まり自分と身内を攻撃していることである。二つは、大衆が悪の蔓延に怒っていることを大衆に代わって悪を一刀両断で断つ構えを見せていることである。このとてつもなく骨太な問題に対して、切ってみせる。日本人は肉を切って他って骨を断つというたぐいの芝居、あくまでも芝居が大好きであり、判官びいきである。コイズミさんはこの両方にマッチする人格なのである。 


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