熊澤良尊の将棋駒三昧

只今、生涯2冊目の本「駒と歩む」。只今、配本中。
駒に関心ある方、コメントでどうぞ。

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作品 文章 写真 販売品

盤と駒のレポート

2012-03-12 06:03:49 | 文章
3月12日(月)、曇り。

先ずは、土曜日のレポート。
午前中は徳川美術館。
この日は「我れコンピューターに敗れたり」と題するイベントが日本将棋連盟東海連合会主催で開催。


メインは米長会長と、谷岡大阪商業大学学長による対談。
そこに司会役の神吉七段が加わって、鼎談気味に進みました。
谷岡さんの、本音に迫ろうとする突っ込みはさすが。
それをさらりとかわしたり、シッカリと本音で答えたりの応酬。
会場の皆さんは、本音が聞けたと満足したことと思います。

さて、この会場でのもう一つの目玉が、この日限定の二つのお宝展示。


小生にとっては、これを見るがもう一つの目的でありました。
1つは「菊枝折蒔絵の将棋盤と駒」。
さらに「浮線菊紋唐草蒔絵の将棋盤と駒」。
但し、盤と一緒に駒が展示されるのかされないのか。
ということで、多少心配しておりましたが、会場では盤上に駒がシッカリと。

先ずは「菊枝折蒔絵の将棋盤と駒」。
図録本などで良く見る盤と駒ですが、駒は写真が小さすぎてどうも分かりかねます。
今回は間近で観察。
詳細が分かりました。
  駒は双玉。黄楊製。
  文字は風雅な漆書き。
  まさに水無瀬兼成卿そのもの。
  それが何故「清安」なのか、誠に不思議な興味深い駒ではあります。

  盤についても概略を確認。
  厚みは目測3寸。
  説明表示や図録本には「19世紀」とありますが、小生の見立てでは「18世紀」。
  また、転陵院好君の所領品なら18世紀半ば、と言うことが出来ます。

続いて「浮線菊紋唐草蒔絵の将棋盤と駒」。
  盤の蒔絵模様「浮線」とは、丸い筒や万華鏡を覗いたような図柄のこと。
  「浮線菊紋」とは、菊をあしらった浮線紋。
  この場合は「閑院宮の家紋」でありますが、誰の持ち物だったかは、図録本にも記されておりません。
  事実、ある方の調べでは、閑院宮家と尾張家との接点が良く分からないそうです。
  盤の様式は比較的新しく、図録本の19世紀は妥当なところでしょう。
  駒は玉と王。黄楊製。
  文字は素朴であり風雅とは程遠く、19世紀のころの職人によるものと考えます。

二つの徳川家の将棋盤と駒。
この日は、右側に前者が、左側に後者が並べて展示されておりましたので、比較するには絶好。
見分するには、まっこと良い条件でありました。

この日の企画展も拝見。
そのメモを記しておきます。
第5展示室。
  「胡蝶蒔絵の将棋盤と駒」。
  国宝・初音の調度中の一品。
  駒は双玉。
  無銘ながら文字はやや細くシッカリ。
  若い手の印象。
  傾斜角度、急。
  約半数の駒尻に、音読で「セン」の焼き印。
  これが印されている理由と意味は良く分かりません。
  
第9展示室。
  「菊折枝蒔絵雛道具の盤と駒」。
  盤は、前出の婚礼道具の小型版。(目測で、幅20センチ程度)
  前出の婚礼道具とは制作年代に相違があり、これは19世紀の品。
  駒は「安清」銘の書き駒。

  「抱牡丹紋蒔絵雛道具の盤と駒」。
  盤の大きさは前者に較べ、大差なくやや小。
  駒は「安清」銘の書き駒。

  「鉄線唐草蒔絵雛道具」。
  大きさは前者の1/2程度。
  駒は細字、双玉。銘なし。
  18世紀初頭の頃と古いものらしい。

  「松竹梅唐草雛道具」。
  盤は幅6センチ程度、極小。
  駒は銘なし。
                         
本件は以上です。
何か質問があれば、どうぞ。
分かる限りお答えします。


ーーーー
村上信夫さんが、NHKを退職されるそうです。
本人から聴きました。
ビックリしました。
詳しいことはいずれ、また。
    
  
コメント (1)
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駒の写真集

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