オメガねこ

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「貨幣論」 と 「通貨」

2022年01月07日 | 経済
【通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律】
 第二条 
第一項 通貨の額面価格の単位は円とし、その額面価格は一円の整数倍とする。
第二項 (省略)
第三項 第一項に規定する通貨とは、貨幣及び日本銀行法(平成九年法律第八十九号)第四十六条第一項の規定により日本銀行が発行する銀行券をいう。


 日本の貨幣は、硬貨(1円、5円、10円、50円、100円、500円)と記念硬貨(千円、五千円、1万円)及び臨時補助硬貨(一万円、十万円)であると、法律で定められていて「日本の貨幣は硬貨である」ことが分かります。硬貨は「通貨(貸借の記録)」の定義には収まりませんが、「補助通貨」として紙幣(千円以上)の使い難さを補います。

 紙幣は「日銀の負債」であり「所有者の資産」なので、一応「貸借の記録(通貨)」と言えなくも有りませんが、硬貨は誰の負債でも無いことから「補助通貨」と呼ばれます。

 また、この法律で言う「通貨」は「硬貨と紙幣」のみを言い「法定通貨」を指しますが、「貨幣論」の貨幣は「通貨」を意味し、硬貨とは違います。

 私は革命家では無いので法律を尊守(遵守では無い)します。例えば、現在の法律が「間違っていても」これを尊守するので、「貨幣論」で政府の経済政策を批判しません。

 
「MMT」は通常「現代貨幣理論」と訳されますが、これを日本が利用する場合、政府は法律に従う義務が有るので「硬貨」の発行で対応する事になります。ところが「硬貨」は貸借の記録ではない唯一の(例外)通貨なので、理論とは齟齬を生じます。それよりも、兆円単位で発行すると、重くて不便ですし、金属が不足します。

 そこで、私は「MMT(Modern Monetary Theory)」を「最新通貨仮説」と訳しているのですが、これは日本の法律に従っているのでクレームは来ないと思います。

 「通貨」には「法定通貨(硬貨と紙幣)・政府通貨(国債など)」と「民間通貨(個人同士の相対〔あいたい〕通貨も含む)」などがありますが、「MMT(最新通貨仮説)」では「法定通貨」や「租税」の原理と「政府通貨(国債など)」の関係性を、インフレ率やその原因である「雇用・資本・資源など」の限界をもって説明しています。

 「MMT」の原理は、GDPは通貨量に依存すると云う説で、これに対抗する説は「法定通貨定量仮説」で、通貨量はGDPに依存すると云う説です。現在の日本は「法定通貨定量仮説」が主流で、増えないGDPに合わせて国債を発行している為、今でも「失われた30年」が継続しています。

 「民間通貨」にはデビットカードやポイントカード、
領収書・請求書なども含まれていて、その適用範囲は限定されていますが、「暗号通貨」を除けば多くの場合は誰でも、その所持者(所有権者ではない)が権利を行使できます。その意味からすると「肩たたき券」も通貨と言え、「法定通貨」と違って強制通用力は有りませんが、発行時には何らかの「貸借関係」が有った筈です。

 領収書は、
「領収書 と 国債」にも書いたように、購入品の返品時にはその商品の出自(貸借の記録)を証明することで返金を受け取る事が可能な「通貨」になります。返品とは「商品の所有権の返戻移転を伴う法定通貨の移動」であり、「領収書」に書かれた金額の返金を受領出来る事から「領収書は通貨である」と言えます。「領収書」を発行元に返却する事で、商品の所有権を失い取引が完結します。

 「請求書」は転売可能(債権回収会社に委託)な事から「通貨(債券)」である事が分りますが、「領収書」と同様にそれだけでは「強制通用力」は有りません。「暗号資産」も強制通用力は無いのですが、「法定通貨」や他の通貨と交換可能な事から「領収書」や「請求書」と同様に「通貨」の一種と言えます。

 「法定通貨」の場合は「強制通用力(硬貨の場合は枚数に限度が有る)」があって、約束した金額を支払う事でそれに係る一切の負債が解消され、債権者は受け取りを拒否することは出来ません。

 「通貨」は債務と債権の記録(暗黙的か明示的かは問わない)を保持している事を意味し、これを「貸借の記録」と言います。「紙幣」の場合は暗黙的に貸借の記録を示していますが、取引の際には通常は領収書(レシート)を発行して貸借を明示します。

 銀行振り込み(預金通貨)の場合は振込記録が保存され、その控えが通帳に印字されるので、領収書は不要になります。但し、相手が受け取り口座を持っていない場合は振り込むことが出来ないので「強制通用力」はありません。
 
注)諸説あり。




2 コメント

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Unknown (katumoku10)
2022-01-08 19:37:06
「法定通貨定量仮説」は妄想ですよね!
30年間この仮説を検証しても、まだ検証が足らないというのは妄想で頭が逝かれている証拠でしょう。
 通貨の信認という幻想を怖れているからのようですが、それは原理的に外国人が為替市場で決めるのではないですね。日本国民が納税を円で行わないと法律違反ですから、全ての日本国民が日本から消えない限り、円という通貨の信認が無くなることはないというのが事実です。
 やはり、この仮説の支持者は日本国民全員をどこかの国に売り渡したいということなのでしょうか?;一_一)
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Unknown (yk-soft-85)
2022-01-09 08:58:24
katumoku10さん、お早う御座います。

>>日本国民全員をどこかの国に売り渡したいということなのでしょうか?<<

統治者にとってみれば「今の日本人」は扱いにくい人民なので、大国と小国の間の国の人民と入れ替えたいのかも知れません q(cc)p
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